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Diary

この十本の指を休ませないために2017年10月12日

◆雨が降ったり止んだり。今は雨が降っている。
◆気温がどんどん下がってきて、暖房を点けざるをえない日々になってきた。まぁ厚着をしたら何とかなる気温ではあるけど、基本雪国の人は家の中で厚着はしない。暖房点けます。そのためにあるんだから。その昔は会社員なら冬になると暖房手当ってのが出たんだけど、今でもあるんだろうか。
◆偶然なんだけど、二件立て続けにギターにまつわるコメントの依頼があった。一件は映画で、一件は本の帯だ。近々両方とも表に出るだろうから、そのときにはお知らせします。
◆ミュージシャンでもない僕がギターについてのコメントを書いて、同じ場所に一流のミュージシャンたちのコメントが並んでいて恐縮してしまう。そして、ちょっとだけ嬉しい。ミュージシャンになりたくて、でもなれなかった男としては。
◆二十代半ばでミュージシャンへの道を諦めて以来、ギターは弾いていない。ごくごくたまにギターケースを明けてネックを握ることはあっても、練習したり作詞作曲をしたりましてやライブなんかやっていない。少なくとも十年間、作詞作曲をして、ライブも何十回もやったのに、あれ以来弾いていない。完全に諦めた。
◆今でもライブやっていたりする同じ年代のアマチュアミュージシャンは大勢いるだろう。たまにそういう映像を観たり話を聞いたりすると、楽しそうだなぁとは思う。その頃の僕を知る旧友には「いつでも音楽を始めればいいじゃないか」とも言われる。でも、やっていない。
◆なんだろうなぁ。いくら練習してもクラプトンには届かないし、歌を作っても山下達郎や大瀧詠一には叶わない。つまり、憧れの場所には辿り着けない。そう自分の中でわかってしまった。わかってしまった途端に、ギターを弾くことが、歌を作ることが、そんなことを考えている自分が悲しくなってしまった。純粋にただ楽しめばいいのに、それができないと感じてしまった自分が悔しかった。
◆もちろん今でもギターは、エレキでもアコースティックでも大好きだ。あの弦の音を聴くと、身体の奥から湧き上がってくるものがある。純粋に楽しめればいいのなぁといつも思う。そう思うことも悲しくなるから、ずっとパソコンのキーボードを叩いて一日中物語を書いているのかもしれない。この十本の指を休ませないために。六本の弦に向かわせないように。

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