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Diary

『ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン』発売です2017年04月25日

◆晴れたり曇ったり。風の強い日。
◆毎年4月末、北海道ではようやく桜の芽が色づき始める頃に出る〈東京バンドワゴンシリーズ〉。12冊目になる今年は番外編で『ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン』です。見本も我が家に届きました。ずっと読んでくださっている方はご存知でしょうけどこのシリーズ、本編を3冊出すと次は番外編。つまり4年に一回オリンピックのように番外編を出しているのです。
◆今回は、我南人の亡き妻であり〈堀田家の太陽〉と言われていた秋実さんと我南人の出会いの物語。舞台は昭和40年代です。正確に昭和40何年としなかったのは、このシリーズ、一年に一冊出ていますが、登場人物が一冊で一歳年を取るのではなく、番外編の年はなかったことになり、それでも毎年その年を生きていることになっています。つまり、物語内と現実で多少タイムラグが発生しているんですね。なので、あえて今回は〈昭和40年代〉と大雑把に表現しています。大体、昭和40〜42、3年頃の時代の雰囲気を思ってくださればと思います。
◆当時まだ20代前半だった我南人は既にロックバンド〈LOVE TIMER〉のリーダーとしてメジャーデビューしていました。この辺りの雰囲気は40代以上の方は、芸能史でいうと〈はっぴいえんど〉がメジャーデビューした頃とGSが最高潮だった頃を若干被らせていただければと思います(実際には少しズレているのですが)。それまでの芸能界と新しいロックが混じり合っていた時代。そんな頃に、我南人と秋実は出会います。そのエピソードは同じく番外編『フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン』で短く描きました。そのエピソードから『ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン』が始まります。
◆我南人と秋実が出会う物語ですから、当然まだ藍子も紺も青も生まれていません。ですから、堀田家に住んでいるのは勘一とサチと我南人だけです。少し淋しく感じるかもしれませんが大丈夫です。今までにも本編に登場していた拓郎くんやセリちゃんも大学生として登場します。もちろん、まだ40代の若き祐円さんも。そして今までは脇役であまり台詞もなかった〈LOVE TIMER〉のメンバー、ジロー、トリ、ボンもしっかりと堀田家に出入りしています。
◆タイトルはエルヴィス・プレスリーの名曲〈ラブ・ミー・テンダー〉です。本編はビートルズ縛りですが、番外編はそこから離れます。ミュージシャンとしての我南人のルーツは決してビートルズだけではなく、それ以前のジャズやブルーズ、そしてポップスであるという設定から、その時代を代表する名曲であり、もちろん、物語のテーマともなります。どこかで翻訳された歌詞などを読んでもらってもまた楽しめると思います。
◆本編は連続ドラマの様に進めていますが、番外編は二時間か三時間のスペシャルドラマです。そのつもりでテンポ良く、楽しく、賑やかに物語を組み立てました。なおかつ、今回は〈テレビ〉というものも重要なポイントになっています。黄金期を迎えていた時代のテレビ業界や音楽業界のことなども盛り沢山に詰め込みました。「あぁ楽しかった!」と笑って本を閉じてくれれば最高に幸せです。どうぞよろしくお願いします。
◆気が早いですが(^_^;)、来年の4月はまた本編に戻ります。花陽の大学受験がどうなったか気になっている方もいるでしょうか。どうぞお楽しみに。

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