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Diary

久しぶりに歯医者に行ったので2017年05月30日

◆晴れ。今日も良い天気だった。
◆歯が折れた。正確に言うと銀を被せていた歯がどうやら脆くなっていて崩れるように銀の被せが折れた。以前に歯医者に行ったのが何年前かまったく覚えていなかったんだけど、今日行ってみたらどうやら3年ぶりだったようだ。そして折れた歯は3年前に治療したところだった。そういえばと思い出したけど、治療したときに「この歯はちゃんとやらないともたないかもしれませんよ」と言われていたような気がする。歯磨きはちゃんとしていたつもりだったけど、ちゃんとしていなかったらしい。申し訳ない。そして結局歯は差し歯にしないとダメらしい。
◆しばらく歯医者通いになってしまった。まぁ気晴らしに外出する用件ができたと思えばいいか。いや家にいるのが好きだから別に気晴らしに外出する必要はまったくないんだけど。
◆相変わらず政治絡みで醜悪なニュースが続いている。もし僕が西部開拓時代のガンマンだったら有無を言わさず撃ち殺している。写真はクリント・イーストウッドの永遠の西部劇の名作『許されざる者』だ。偶然だが写真のイーストウッドはどことなく歯が痛そうに見えないかヽ( ´ー`)ノ
◆どんなにいい人でも、思い上がったり増長したりすることもある。弱い人たちに向けていた眼差しに優しさが感じられなくなったりする。周囲が見えなくなってしまうこともある。僕は、それを理解できる。人間は弱い生き物だ。本当に強い人は限りなく優しくなるというのは真実だけど、そういう本当に強い人がリーダーになるとはまったく限らない。できればそういう人が国の長になってほしいのだけど。
◆歯が浮くような、歯切れの悪い、奥歯に物が挟まったような、そういう連中に歯が立たなくて歯がゆい思いばかりつのってしまうけれど、目には目を歯には歯をでは何も解決しない。歯を食いしばって、痩せ我慢で白い歯をみせて笑い、自分たちの暮らしを精一杯生きていく。
◆久しぶりに歯医者に行ったのでこんな感じでまとめてみましたヽ( ´ー`)ノ

『てめぇら人間じゃねぇ! 叩っ斬ってやる!』2017年05月29日

◆晴れ。久しぶりに窓を開け放てるほど気温が上がった。
◆ニュースを見ていると正義の魂がメラメラと燃え上がり「てめぇら人間じゃねぇ! 叩っ斬ってやる!」と(わからない人が多いでしょうが『破れ傘刀舟悪人狩り』というドラマの決めゼリフです)叫んで妄想の扉が開いて一時間も二時間もまったく執筆が進まなくなるので見ても考えないようにしている。本当に世の中どうしようもないことが多過ぎる。いやニュースになり過ぎる。
◆と、『破れ傘刀舟悪人狩り』の台詞が出てきたところで、20歳ぐらいの頃に同じ居酒屋の常連だった大学生のKちゃんを思い出した。Kちゃんはお酒に弱くて一杯飲むとすぐ真っ赤になっていた。悪いけど大して話題も面白くない普通の男の子だったんだけど、何故か『破れ傘刀舟悪人狩り』の主役である萬屋錦之介さんのモノマネがめっちゃ上手くて、毎晩「てめぇら人間じゃねぇ! 叩っ斬ってやる!」と、その台詞で皆を笑わせていた。引っ越してからは会うこともなくなったけど、Kちゃんは今頃どんな大人になっているだろうか。今もあの台詞のモノマネはできるだろうか。
◆写真は『キングコング 髑髏島の巨神』だ(めっちゃおもしろいからぜひ観て)。キングコングも怒れる神だったけれど、日本にも昔に怒れる巨神がいた。『大魔神』だ。知らない人が多いだろうけど、時代劇で特撮ものだ。大魔神は武神像だという。子供心には「埴輪?」と思ったもんだ。この武神像はとにかく怒ったら怖い。悪党はもちろんだがその巻き添えで善人が死んでも全員ぶち殺すとばかりに暴れる。でも、美しい自己犠牲には弱く、その前では顔を怒りの表情から穏やかな顔に変えていずこともなく去っていく。その怒りの表情と悪党の残忍な始末っぷりはけっこうなトラウマものだった。時代劇なので、弱者は農民だ。悪党はいわゆるお上の連中だ。国は農民(国民)で成り立っているのにお上は昔っから悪党ばかりだ。たまにいい領主様がいてもそれは弱い光になって消えてしまう。
◆どうしようもない政治家どもをてめぇら全員叩っ斬ってやりたいがそれを抑えてキーボードを叩くよ。

『風とにわか雨と花』が出ます2017年05月20日

◆晴れ。気温も上がってまるで初夏のような天気。
◆そんな日に今月末に発刊予定の単行本新刊『風とにわか雨と花』(キノブックス)が届きました。〈キノブックス〉さんとは初めてのお仕事でした。担当編集さんの「子供たちの物語なんかいいですね」というリクエストがあったので、小学生のお姉ちゃんと弟、そしてそのお父さんとお母さんの物語にしました。
◆物語の舞台は海辺の町です。作中ではどこ、とは書いていないのですが、僕の物語を読んでいる方ならわかるかもしれません。『Q.O.L』や『ナモナキラクエン』や『つむじダブル』あるいは『COW HOUSE』なんかも同じ舞台の、海辺の町です。鎌倉の辺りを思い浮かべていただければいいと思います。
◆お父さんとお母さんが離婚してしまうという悲しい幕開けになります。理由は、お父さんが専業作家になるために会社を辞めて、離婚して一人で過ごすことを決めたからです。物語は、お姉ちゃんの風花と弟の天水が夏休みを過ごすためにお父さんの住む町へ向かうところから始まります。このお父さん、僕と同じようなことをやっていますが、僕とはまったく違う方向性です。僕は作家になるために会社を辞めましたが、それは家族を養っていける作家になるためにでした。なので、自伝風の作品ではありません(^_^;)。思い描いていた、オマージュを捧げたともいうべき作品はあるのですが、それが何かはいずれまたにしておきます(でも、有名な作品ですからわかる人はわかっちゃうと思います)。
◆親の離婚というものをお姉ちゃんと弟はどう感じているのか、子供たちの思いに親はどう答えるのか、父親と母親としてどう生きるべきなのか。そういうことを、親子四人のそれぞれの立場でシンプルに綴っていきました。夏に向けて、天気の良い日に風に吹かれながら軽く楽しんでいただけると嬉しいです。
◆親は、自分の子供たちが、自分で生きていくための力を身に付けさせなきゃなりません。でもそのためにどうしたらいいか、なんていう正解はありません。僕も結局子供たちにご飯を食べさせて大きくさせただけで、彼らのために何かができたというわけでもなかったです。ただ、彼らがもしものときに帰ってくる場所を確保したことだけは、まぁそれだけは何とかなったかなという気がしています。
◆父親として、男として、母親として、女として。子供たちへ向けて、どう生きるか。そんなお話です。どうぞよろしくお願いします。

花は花、という日々雑感(つまりネタがないいつもの日々)2017年05月17日

◆何日かぶりで暖かい日。どうやら時期外れの寒波は過ぎ去ったらしい。
山川直人さんという漫画家さんがいらっしゃる。好きな漫画家さんで大体の本は買っていると思う。先日、その山川さんの同人誌販売会に僕の担当編集ガールが行ってきたようで「そういえば小路さんも山川さん好きだった!」と思い出してくれて、一冊買ってきてくれた。しかも為書き入りのサインまで貰って!(Iちゃんありがとう!)山川さんとはTwitterでは繋がっているので僕のこともわかってくれたらしい。本当にありがとうございました。
◆本を購入してくださるのは本当にありがたい。何せその一冊一冊の売り上げに僕らの生活がかかっている。著者だけではなく、実は装幀の絵を描くイラストレーター(写真なら写真家)、装幀デザインをするデザイナー、印刷会社の方々、出版社の方々、書店員さん。ざっくり言ってもそれだけの人たちの生活もかかっている。読者の方が気に入って買ってくれる本にはそれだけたくさんの人が関わり、生計を立てている。暮らしている。
◆図書館でしか借りない、という読者の方もいるだろう。それもありがたい。好きで読んでくれるのだ。僕もお金がない時期にはいつも読みたい本を図書館で借りていた。生活が苦しくても好きな本を読めるっていうのは本当に助かるんだ。辛い現実を忘れさせてくれる物語の世界に入り込めるのは、何より心の支えになる。古本屋もそうだ。多くの場合そこで買われる本の利益は僕らには入らないけれど、それで好きになってくれる新しい読者がいるかもしれない。図書館や古本屋を利用していても、もしも機会があったら「この本が好き」とどこかで声を上げてほしい。それが、好きな作家がまた本を書けることに繋がるかもしれない。そしてまたもしも余裕ができたら、新刊書店さんで購入してほしい。
◆小説家になって大抵の本なら担当編集さんに頼めば貰える立場にはあるんだけど、特別な場合は除いて本はいつも自分のお金で買っている。仲良しの作家さんの本も買う(めちゃくちゃ売れてる人の本は買わないこともあるヽ( ´ー`)ノ)。著者謹呈で貰うことも多いけど、そういう本も買う。武士は相身互いだ。
◆音楽は大昔の曲がリバイバルヒットすることがけっこうあるけど、小説は滅多にないだろう。突然の映画化とかドラマ化なんていう場合ならあるかもしれないけど、かなり確率は低い。でも、細くても長く愛されればいいなぁ、誰かの胸の中に残ればいいなぁと、無理矢理に写真に持ってきた〈ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.2〉に話を繋げてみたヽ( ´ー`)ノ
◆大輪の花を咲かせなくても、花は花。ひっそりと咲き続けて誰かが愛でてくれればそれでいいなぁ、とも思う。もちろん、大きく花開く分には何も問題ないんだけどヽ( ´ー`)ノ

ロング・ロング・ホリディを過ごした友と2017年05月14日

◆曇り。雨も降り寒い一日。
◆外気温も二ケタ行かずに風もあって、本当に家の中が薄ら寒くて暖房を点けたくなってしまったんだが、一度は春だと喜んで切った暖房をまた点けるのは負けたような気持ちになるのでぐっと堪えて、冬用のカーディガンを着ている。もちろん靴下も履いている。何とかそれで耐えてみせる。
◆旧友と我が家で食事を。もう35年ぐらいの付き合いになる。二十歳そこそこからの友人なので、互いの結婚式にも出たし、子供が生まれたらお祝いしたし、子供が小さい頃にはキャンプにも行ったし、ずっとずっと一緒に互いの人生を見てきた。そしてもう互いに子供が巣立っていって夫婦二人暮らしになった。年に何回かこうして食事会をして、昔話に花を咲かせる。ところが共通の思い出を語り合っていると、ところどころに齟齬が出てくる。しょうがないのだ。この年になると忘れてしまうことやそれぞれの思い出がごっちゃになるのだ。
◆実はその旧友は写真の拙著『ロング・ロング・ホリディ』(PHP)の舞台である喫茶店〈D〉のモデルになった店で一緒にアルバイトをした仲間だ。この物語に書かれた出来事はもちろんフィクションだけど、設定自体は自伝的な部分が大きい。僕は概ねこんな風に札幌の喫茶店でアルバイトをしていたのだ。
◆若き日を共に過ごして、いまや50代のおっさんになってしまった。でも、会うときにはいつも気持ちはあの頃のままだ。ひょっとしたら子育てが終わった今、つまり互いに子供のことを気にしないで話せる今は、以前よりもいろんなものがあの頃に近くなっているかもしれない。
◆まぁお互いに髪の毛は白くなって減ったしその分おでこが広くなったし話題は病気や年金の話になってくるのだけど。あと、食事の量が思いっきり減るしねヽ( ´ー`)ノ
◆たぶん死ぬまで、こうやって年に何度か会って、笑い続ける時間を過ごす。どっちかが先に死んだら、じきにそっちに行くから待ってろ、と言うんだろう。

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