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Diary

ヒーローは物語の中にしか現れない。だから書くんだよ。2017年03月26日

◆晴れ。穏やかな天候。しばらく好天が続くような北海道。
◆サッカー日本代表は見事な試合を見せてくれた。何よりも誰よりも今ちゃんことガンバ大阪の今野だ。北海道コンサドーレ札幌でプロの道を歩み出した今野(あの頃は若手三羽ガラスと呼ばれたんだよね)。ベテランの味どころじゃない、これが代表選手だという圧倒的なパフォーマンスを攻守にわたって見せつけてくれた。今野と久保、そして川島の活躍に隠れちゃったけど、キャプテンマークを巻いたDF吉田が本当に頼もしくなった。怪我人がまた出てしまったけど、次のタイ戦は圧倒的な力の差を見せつけてほしい。
◆野球はオープン戦も終った。後は数日後の開幕を待つばかり。今年はどこが優勝するのか、楽しみに一年観戦する。
◆映画『シン・ゴジラ』のDVDが届いたので、心ゆくまで隅々まで観ようと思う。特典映像が何よりも楽しみでしょうがない。
◆ニュースを見ていると本当にゴジラでも現われてくれないもんかと思ってしまう。ゴジラが東京にやってきたらあの本当にどうしようもない政治家や官僚どもも自分が何者であるかを思い出して必死に国民を守ろうと使命感に燃えてくれるんじゃないかと淡い期待を抱く。彼らに本当に国民のことを考えさせるには怪獣か宇宙人の襲来しかないんじゃないか。情けなさすぎて涙すら出ねぇよ。フランス革命を起こした市民たちの気持ちがわかるわマジで。
◆ヒーローは物語の中にしか現れない。そんなことはわかってる。だから書くんだよ物語を。

みぞみぞしながら見続けていました2017年03月22日

◆晴れたり曇ったり。風が少し冷たかった。
◆みぞみぞして見続けていたテレビドラマ『カルテット』が終わった。僕のTwitterを観ている人覚えているかどうかわからないけど、1月25日にこう書いた〈『カルテット』。おもしろいんだけど、どこか乗り切れない自分がいるのはたぶん僕の手癖と似かよっているからかな、とふと思った(あるいはコード進行が似てるという表現)。エンディングテーマソングは掛け値なしに素晴らしい。PV出してください。〉。そして最終回を迎えて、もう毎回「読めん!」とか言っていたんだけど、終わってみればやっぱり同じ感想を持った。僕の手癖、もしくはコード進行と似ていたんだなぁ、と。〈手癖〉とか〈コード進行〉とは何ぞや、というのを説明すると長くなってしまう上にあまりおもしろくない話になってしまうので説明しないけど(^_^;)、まぁ要するに本当にみぞみぞしながら楽しみながら毎回ストーリーの流れをその場その場で予測しながら観ていたってことです。脚本家の方は計算ずくで書く人なのか天然なのか。どっちなのかなぁ。それにしてもその演技を観る度に思うけど、満島ひかりさんは素晴らしい女優さんだなぁ。
◆才能がない、とか、才能がある、って本当なんだよね。それは厳然たる事実。たとえば小説の新人賞の応募原稿。僕たちはそれを最初の一行を読んだだけで「あ、駄目だね」ってわかってしまう。本当に。でもそれは、その原稿を書いた人間が作家になるのを諦める理由にはならないんだ。そういうこともこのドラマは物語にそぐわないと思わせておいてから本当にきれいな形で提示していた。巧かったなぁ。
◆そして『カルテット』ファンをやきもきさせてしまったWBCも終わった。本当に勝負は時の運。どっちに転んでもおかしくなかった試合をした侍JAPANはお見事でした。楽しませてもらいました。プロ野球はシリーズももうすぐ始まる。帰ってきて準備をしてもらいましょう。
◆次はサッカー日本代表SAMURAI BLUEの出番だ。こっちは、負けられない、勝たなきゃならない試合。どうなるかな。

デパ地下とか駅ナカとかけっこう詳しいです2017年03月19日

◆晴れ。穏やかな天候。
◆連休なのでしょうが、当然のごとくまったく関係なく家でごろごろいや机に向かっている。この時期になると雪割りをしたくなるのだけど、まだ腰が治り切っていないところに雪割りなんぞしたものならあっという間に悪化するのは目に見えているのでやりません。大人しくしています。あと二、三日で完全に治ってくれないかなぁ。
◆東京に行くことがけっこう多い。子供や犬がいた頃には一人で出掛けて、打ち合わせ以外はほとんどホテルにいるのでお弁当を買ったりしてホテルの部屋でご飯を食べていたりしていた。そもそも「美味しいものを食べたい!」などという欲は一切ない人間だ。もちろん不味いものは食べたくないし美味しいものを食べるのは好きなんだけど。要するに出不精なのだ。
◆最近は妻と一緒に東京に出ることが多い。そうなると、どこか美味しいところに食べに行こうか、という話になる。ところが、美味しい店って七割方〈お酒〉がセットになることが多いですよね。夫婦揃って酒を飲まないもので、そういうお店に入れないのがちょっと悩みなのだ。いや、お酒を出す美味しい食事の店でもお酒は飲まなくてもいいですよ、と言うところも多々あるだろうけど、何だか申し訳ない。じゃあその分たくさん食べますから! というわけじゃなくてこれが二人とも小食なのだ。しかもこのところ年齢のせいかどんどん食べる量が減っている。小鳥か! ってぐらいに本当に食べない。普通のレストランの一人前を二人で半分に分けてもオッケーってぐらいなのだ。
◆そしてそれは本人たちもかなり悲しい。美味しそうなものがメニューにたくさんあるのに、たくさん食べられないというのは本当に悲しい。結果としていちばん満足するのはデパ地下とか駅ナカ行って美味しそうなお総菜を少しずつたくさん買ってホテルの部屋で食べるのがいちばん満足したりする。美味しいケーキなんかも買えるしね。ナイター中継も観るしね。
◆というわけで、東京駅近辺近郊のデパ地下とか駅ナカとかの美味しいもの、けっこう詳しいです。

泪橋を渡って荒野を抜けて海を泳げ2017年03月17日

◆晴れ。少し風が冷たいけどもう空気は春の色を帯びている。
〈T字路s〉を初めて聴いたのは札幌のライブハウスでだった。友達になれたミュージシャンである〈踊ろうマチルダ〉を聴きに行って、そこでマチルダが持ってきたミニアルバムで聴かされたのだ。「これ、スゴイっすよ」と。
◆そのボーカルに、一発で殴り倒された。「これはスゴイ!」と家に帰ってすぐに彼らのYouTubeでの演奏をFBやTwitterに載せると、あっという間に音楽好きの友人知人からの反応があった。伊藤銀次さんも「スゴイ!」と言っていた。あんまり騒いだせいか、〈T字路s〉のマネージャーからお礼の連絡があって、彼らの次のミニアルバムに言葉を寄せることができた。その彼らの初めてのフルアルバムが写真だ。興味がある人はぜひ彼らの歌を聴いてほしい。ジャンルは、何だろう。ブルーズかもしれないし、ロックかもしれない。何であろうと魂が歌っていることは間違いない。このニューアルバムはまだiTunesなどには上がっていないようだけど、過去のミニアルバムはもう上がっているから視聴もできる。
◆ミュージシャンもだけど、僕ら小説家も自由業だ。自由業とはいったい誰が作った言葉なんだろう。確かに、僕らは自由だ。いつどこで何をするかは、全部自分たちで決められる。何を歌うか、何かを書くかも、自由だ。何もかも自分で決められる。ミュージシャンはまだツアーなどのライブスケジュールなどで一応縛られることもあるだろうけど、小説家はずっと家にいてもいい(^_^;)。
◆自由なんだけど、そして好きなように物語を書くんだけど、そこに不自由さもある。使ってはいけないと世間的に認識されている言葉を使うとチェックが入る。それは「使うな!」という命令ではなく「マズイですよ大丈夫ですか違う言葉に言い換えた方がいいですよ」という大人のチェックだ。筒井康隆先生がそれに怒って断筆宣言した逸話は有名だが、僕はそんなことはしない。「はいはい了解でーす」と、違う言葉に言い換える。そんなことは実は何十回もある。物語の題材についてもそうだ。どこかの馬鹿が騒ぎ出すような題材は極力使わないでほしいとお願いされたりもする。自由業である小説家は実は一番不自由さを知っているかもしれない。藻がたくさん浮いている海を、時には藻に引っかかったり藻を避けたり除けたりしながら泳いでいる。
◆何でも自分たちで決められるということは、何でも自分で決めなければならないということだ。
◆生きるも死ぬも、自分次第だ。

そこにJAZZが描かれている2017年03月16日

◆晴れたり曇ったり。少し風の強い日。
◆小さなライブハウスに行ったことある人はどれぐらいいるだろう。そこで、身体が震えるほどの音量の演奏に包まれたことのある人はどれぐらいいるだろう。その音楽にいっぺんで魅せられてしまった人はどれぐらいいるだろう。僕はその一人だ。
◆人気漫画家である石塚真一さんの『BLUE GIANT』はそんなマンガだ。音楽のジャンルはJAZZだ。それも、ボーカルの入らない、純粋な演奏だけのJAZZ。そもそも音楽マンガってだけでとても難しいのに(だって、マンガからは音がしない)その中でも最も難解かもしれないJAZZだ。ロックバンドなら多くの人が知っているから想像もしやすいだろうけど、JAZZのトリオの演奏を生で聴いたことがある人がいったいどれぐらいいるんだろうか。そんなマンガを描こうと思った石塚さんも凄いし、許した編集者も凄いと思う。もっと凄いのは、石塚さんの画力だ。サックスが、ピアノが、ドラムが、トリオのその音が聴こえてくるかのようなライブシーン。
◆天才とは、世界へ出て行くミュージシャンとはこういうものだという、主人公〈大〉の描き方もいい。大ほどではないけれど、僕もかつて音楽を演っていた頃に「あぁこいつは凄い」と思った奴も、こんな人間だった。信じられないぐらいにただ真っ直ぐに自分の音楽に向かっていく。それしか、ない。それ以外は、ない。そんな人間。
◆羨ましいと思う感情を思い出した。そうそう、こういうような奴がいたから、僕は音楽を諦めたんだ。僕には無理だって。とても、そんなに真っ直ぐに進んでいけないって。まぁ端から進んでいける技量も才能もなかったんだけど、それに気づかされたから。
◆もしも音楽好きなら、JAZZが好きならお勧めする。『BIUE GIANT』は全10巻。そして主人公〈大〉が一人で海外へ立ち向かう新章として『BLUE GIANT SUPREME』が始まっている。
◆楽器のテクニックも作曲のセンスもなかったんだけど、作詞だけは自信あったんだよね。あの頃は。今読むとけっこうひどいものもたくさんあるんだけど(^_^;)。その中に「あぁ、ここに俺がいるな」ってつい苦笑いしてしまう歌詞もある。今の小説に繋がるような言葉選びに、歌詞の向こうにある物語。やっぱり昔っから物語が好きだったんだ僕は。

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