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Diary

ハートのペイン2018年05月26日

◆曇り。
◆病を抱えてしまったことで、いろいろと、考えていかなきゃならない。
◆何が困ったかって〈心臓の痛み〉というものを脳と身体が覚えてしまったことだ。お医者様も言っていたがどうやら僕は今までも軽い心臓の痛み(つまりはごくごく軽い心筋梗塞めいたいもの)をやっていたらしい。思い起こせばひょっとしてあれがそうか、と思い至るものがある。そして今回自分で「あ、ヤバいなこれ心臓だな」と気づいて病院に行ったことで〈心臓の痛み〉というものがどういうものかをはっきりと〈認識〉してしまったのだ。認識してしまうと不思議なことに今まで感じなかったことも感じ取ってしまうようになる。
◆で、気のせいかもしれないが、今こうしてごく普通に生活はしているのだが、「あ、今までと違うな」ということを感じてしまっている。つまり薬のせいで「何だが心臓を通る血液の流れが良過ぎたりしてるな」とか、ちょっとしたことで〈心臓の痛み〉めいたものがフラッシュバックしたりするのだ。本当の痛みではなく〈幻痛〉めいたものなんだろう。思い出すとブルッと震えたりすることありますよね? あんな感じで痛みを思い出しちゃう。本当に痛いわけではないのだ。それでちょっとドキドキしたりする。まぁこれも少しずつ慣れるしかないのだろうけど。
◆今までも、夫婦で話し合って夜の運転は極力控えるようにしていた。年を取ってから夜目が利かなくなっていたし判断力も鈍っていたからだ。それに加えてこれからは長距離のドライブもできるだけ控えるようにする。一ヶ月に一回は故郷で施設に入っている母に会いに行っているけど、それも天気の良い調子のいい日だけにする。最悪、JRを使うこともあるかもしれない。そういうこともこれからは考えていかなきゃならない。
◆煙草は止めていない。原稿を書いたり、プロットを考えているときにどうしても心が欲したら吸うようにしている。いわゆる〈ヤニを入れる〉だ。なので、今のところ一日一本か二本の状態だ。そうなると困るのは煙草の乾燥だ。箱入りの煙草は僕の感覚では開けて一週間も経つと美味しくなくなる。なので吸ってなくても捨ててしまう。これは非常にもったいない。この問題を解決するべく今、ちょっとしたものを探している。
◆人生をちゃんと生きるために創意工夫は必要だよヽ( ´ー`)ノ

HEARTBEATは聴こえている2018年05月20日

◆晴れ。陽射しは強かったけど風が冷たくて窓は開けられなかった。
◆車を運転でもしていたら暑くてしょうがなかったんだろうけど、家の中にいるとうっすらと寒かった。外より家の中が気温が低かったかもね。
◆まだ入院前の調子には戻れない。ちょっとしたことで心臓の動悸が気になってしまったりするが、どうにも薬と気のせいなんだという結論に達している。そもそも血圧を下げる薬を飲んだり血液をさらさらにする薬を飲んだりしているのだ。毎朝、何種類も飲んでいるのだ。それは身体の中に今まで入らなかった毒素を入れているのと同じ事なのだから身体の調子も悪くなってあたりまえだ。血圧なんか下がり過ぎて「寒い!」と毎日思っているのだ。とはいえ医者としては薬を飲めとしか言えないだろう。血圧も下げろとしか言えないだろう。
◆患者としては、気合いで身体を慣らすしかない。原稿が今まで通りに書けるような精神状態と体調に何とかして持っていくしかない。何せものすごくものすごくものすごくものすごく遅れているのだ。いやさすがに皆さん心筋梗塞で入院して退院した作家に「早く書け」とは言ってこないですけどねヽ( ´ー`)ノ。 言ってこないけど書かないことにはお金も入ってこないので何とかしなければならない。心と指先のリハビリを急がねばならない。
◆「危なかったんですよ。死ぬ一歩手前でしたね」とお医者様に言われたが、まぁそれは誰にでも起こり得る事態だ。心筋梗塞だけじゃなくて交通事故とか天災とか本当に人間はいつ何時死ぬか誰もわからない。予め余命がわかったのならこれから書くものもそれに合わせて調節するのになぁ、などと病院のベッドで考えていた。でも生憎と余命はまだ全然わからない。どんどん書いていく。
◆良い映画だった『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。後から調べてみてタイトルの意味を知った。そういうことだったのか。
◆かなりプライベートというか、ご近所でのできごとなので何にも具体的には言えないのだが、本当に〈映画的〉な〈小説的〉な場面に出会してちょっと感動していた。でもきっとそれは何にも感じなければ何でもない日常の一コマに過ぎないのだ。それを小説的だと、映画的だと感じ取れたことにちょっとホッとしていた。大丈夫。心臓弱ったけど、HEARTBEATは聴こえている。
◆書くぜ。

足の衰えとDASH!!2018年05月13日

◆ずっと小雨が降り続いた一日。
◆退院してまだ一週間は経っていないかな? 四、五日経ちましたか。まぁもう基本的に完全に日常に戻っていまして、戻っていないのは原稿ですね。かなり遅れています。大変申し訳ないです。ここはもう何とかしますんでもう少しお待ちください。
◆特に体調が悪いとか、胸が痛いとか、違和感があるとかそんなことはまったくなくて、いやあるのかな? そこがなんとも言えないんですよね。胸の辺りの感じは昔から感じていたものだし(徐脈は昔からあった)、それが今回の心臓カテーテル検査の結果何か加えられたりしたのかどうか、ちょっとわからない。まぁとりあえず具合が悪いことは一切ないのでそこは大丈夫です。毎日大量に飲んでいる薬にももう慣れました。血圧下げる薬にも身体が対応してきましたね。
◆違和感があるとしたら、まずは足の衰えですね。びっくりしましたよ。たった4泊病院のベッドで寝たきりだったというだけなのに、帰ってきてウォーキングに出てみたらいやもう足に乳酸溜まる溜まる。それまでなんともない距離ですぐに足が疲れている。こんなに鈍るものかと本当に驚きましたね。そこんところは一種のリハビリ中です。すこしずつウォーキングの距離を伸ばしていきますよ。まぁ二週間も続ければ元に戻っていくでしょうか。
◆あとはやっぱり煙草ですかね。止めるとも吸うとも決めないで流れに任せていますけれど、今までのことを考えるのなら「吸っていない」と言っていいぐらいです。香りを楽しんでいるぐらいですか。もともと長時間吸わないでも平気だったんですよ。入院中も全然平気だったし。そういう意味ではたぶんニコチン中毒ではないんですよね。このまま止めてしまうことはできると思います(まぁ止めると宣言はしませんが)が、そこをどうするかはまだ考え中というか、考えるまでもないんだけどな、って感じです。むしろカフェイン中毒であることに改めて驚きましたね。入院中に二日ぶりにコーヒー飲んだときに心底〈幸せ〉を感じたもの。これは本当にコーヒーなしでは生きられないですマジで。
◆〈TOKIO〉の『ザ! 鉄腕! DASH!!』。もう二十年もずっと観てきた番組。〈DASH村〉は〈テレビ遺産〉として遺すべきものだと思っていた(そんな制度ないけどね)。彼らが〈DASH島〉や〈DASH海岸〉や〈出張DASH村〉でやることを、子供と若いお父さんお母さんが、そして若者が、大人が楽しんで観ることはとても意義あることだと思っていた。たかがテレビされどテレビだ。個人的には続けてほしい。残った四人で。〈TOKIO〉 というアイドルの名の元で。

『踊り子と探偵とパリを』文庫化です。2018年05月09日

◆曇り後晴れたけど気温は上がらない。
◆少しの間この季節にしては寒い日が続くとか。もう周囲の田んぼには水を張るようになっていてそろそろ田植えの時期なのにね。
◆文藝春秋さんから出ていた『踊り子と探偵とパリを』が文春文庫になります。明日あたりから発売になるのではないかと思います。
◆今まで文藝春秋さんから出させてもらっていた本は全部海外もしくは日本ではない国が舞台でしたが、いずれも英米の範疇でした(『キサトア』『ブロードアレイ・ミュージアム』『蜂蜜秘密』)。今回は舞台をフランスはパリです。それも1920年代、狂乱の時代、エコール・ド・パリです。あらゆる芸術と音楽と狂騒に彩られたパリにやってきた作家志望の英国人の若者〈ユージン〉、謎を秘めた米国人探偵〈マーク〉、そして美貌の踊り子〈ブランシェ〉。彼らの〈きらめく恋〉と、現れる〈のろわれた宝石〉である〈ディープ・レッド・ハート〉。そして、なんと吸血鬼……? パリを舞台にして華麗な冒険が繰り広げられます。
◆もちろん僕らはフランス・パリも大好きでしたが、基本は英米文学と音楽で育った身ですから、文章から英米の香りを抜くのがちょっと大変でした。気を抜くと風景がアメリカやイギリスになってしまうのです(^_^;)。頑張って当時のパリの雰囲気をきっちり込めて、楽しく賑やかにそしてスリリングに、ムーラン・ルージュなミュージカル風活劇に仕立てたつもりです。楽しんでいただければ嬉しいです。
◆ぶっちゃけ話になってしまいますけど。悲しいことに文藝春秋さんからの本は僕の力不足でほとんどまったく売れず(^_^;)、担当編集さんがごっそり変わったのもあって、この物語が今のところ文藝春秋さんからの最後の本になっています。まぁそもそも海外を舞台にすると売れないってのはあるんですけどねー。ちょっとでも売れてほしいなー。そしてまた海外を舞台にした楽しい物語を書きたいです。
◆体調は全然問題ないです。今日はシャワーを浴びることができました。明日からお風呂解禁です。いやー、お風呂入れないって辛いっすよね。

はじめてのにゅういん2018年05月08日

◆晴れてはいるけれど少し風が冷たい。
◆TwitterとFBでお知らせしたように、入院してしまった。えーと4泊ですか。実は生まれて初めて、57年間の人生で初の入院でした。子供の付添で病院で一緒に寝たことはあるけれど、自分の病では本当に初めての入院。
◆心筋梗塞とお伝えしましたが、その後の検査で正確には〈心筋梗塞になりかけたけど運良く100%のそれにならないで済んでしまったから元気だけどヤバかったんだよ〉という状態だったようです。なので、倒れたりとか苦しさに悶えるとか一切なく、本人はいたって元気なままでドクターカーで運ばれてしまったので気恥ずかしいったらありません。救急車って思ったより乗り心地悪いですね。
◆以前から感じていた胸の痛みが、「あ、これは心臓の痛みだな」と気づき、狭心症の発作を疑って近所の循環器系の救急指定病院に行ったのです。そこで心電図を取ると、先生が慌てて「何故あなたが生きてるのかわからない」と言い出しました。どうも完璧に心筋梗塞を起こした人の心電図だったようです。でも、僕本人はもう痛みはとっくに過ぎ去り(そもそも苦しみ程の痛みではなかった。いやー何だかなと顔を顰める程度の痛み)いつも通りの体調だったのです。それで、札幌市内の専門病院のドクターカーが呼ばれてしまって担架で運ばれそのまま入院となったのですが、とにかく「絶対安静」と言われてトイレにも行けません。ベッドの上でできるのはゆっくりとした寝返りぐらい。でも本人はその後の胸の痛みなどはまったくなく、完全に元気。これはなかなか辛いものがありました。おしっこやう○ちはどうするんだと本当に困ってしまいました。かろうじて次の日には病室の目の前にあるトイレにだけは自分で行っていいとなりましたので、尿瓶は使ったものの、おむつをするという最悪の状況は避けることができました、マジでよかったヽ( ´ー`)ノ
◆枕とマットが合わなくて肩が凝るわ腰は痛いわで、翌日には妻に枕を自宅から持ってきてもらい、状況は改善。ゆっくり寝られるようになりました。枕ってマジ大事。病院の食事も、もともとそんなに食にこだわりもないので何でも美味しくいただきました。新連載の原稿が途中だったので、それだけは仕上げなきゃと急いで書きました。腰が痛いのでスタンドで。ベッドのあれ便利ですよね。テーブルになるやつ。高さが変えられるのでちょうどいいスタンドデスクになりました。腕に何本もチューブが繋がれているのでストレッチもできないので、立っているのはちょうどいい運動でした。
◆ドクターカーで運ばれたときに職業を訊かれたので正直に「小説家」と答えるとググられてあっという間に病院に知れ渡り、医者の先生方が僕に「小路先生! どうですか調子は」と訊いてくるので苦笑いしていました。本を持ってくるのでサインしてくださいという先生もヽ( ´ー`)ノ
◆結局〈心臓カテーテル検査〉というものをやりました。手首の動脈からワイヤーのようなものを入れて心臓付近の詰まった血管を膨らませ詰まらないように器具を入れたりするものです。こうして書くだけで恐ろしいものですが、それ自体に痛みはほとんどありません(局部麻酔あるしね)。問題は術後の手首付近の動脈からの出血を押さえる器具です。詳しくは語りませんがあれマジ痛いです。拷問の道具に使えるなと真剣に思って覚えておこうとメモしました。二日間ほど手首から上がほとんど動けなくなるので、僕が小説家であることを考慮して利き腕ではない左手首から施術してくれたのですが、キーボードなのでそれはあまり関係ありませんでしたすみませんドクターの皆様。
◆ふたつの病院の先生の話を総合して考えるに、どうやら僕は以前から軽い心筋梗塞めいたものを起こしていたようです。重要な血管や心臓の筋肉はそこそこなダメージを負っていたのですが、他のところがサポートしたりしてどうにかこうにかやりくりしていたんじゃないかと。それが今回は痛みの異常さに自分で気づいて、病院に行ったのでいろいろ発覚したと。そういうことのようです。映画や小説ではなじみがある〈ニトロを常に携帯する登場人物〉になってしまいました。
◆ただまぁ、別に病院嫌いでもないのですが先生のお話を聞いていろいろ考えるところはありました。その辺りはめんどくさくなるので先生の前でもここでもしませんけれど(^_^;)。
◆本当にお騒がせしてご迷惑をお掛けしました。復活したので原稿は多少遅れることはあっても書けます。お風呂に入れるのが明後日からだそうで、早く入りたいなぁと。
◆何よりも大きな問題は煙草です。今のところ、入院した日からずっと吸っていません。退院した今もまだ、です。さぁどうしましょうかヽ( ´ー`)ノ

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