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Diary

『ストレンジャー・イン・パラダイス』が文庫になります2019年03月14日

◆暖かい日が続いたけど少し寒さが戻ったみたい。
◆三寒四温とは本当にそう。そうやってだんだんと春が近づいてくる雪国だけど、今年はマジで雪解けが速い。何だかあっという間に四月か? ってぐらいに雪が融けて行った。二月にドン! と大量に降り続いて一気に積雪量が増えたので余計にそう感じるのかも。そんなときに届いたのは『ストレンジャー・イン・パラダイス』の文庫版。中公文庫です。

◆〈晴太多〉という架空の田舎を設定して、観光地もないし名産もない限界集落を再生するために東京から故郷である晴太多に戻ってきた主人公〈土方あゆみ〉と、同級生や、環境を求めてやってきたIT企業の皆さんやその他もろもろの奮闘と葛藤と、そして自分自身の人生を見つめ直して行く物語です。何故こういう物語を書こうと思ったのかはあまり覚えていないんですが(^_^;)、確か当時担当編集さんと話していて〈限界集落〉を舞台にした物語はどうだろう、と言った覚えがあります。
◆〈晴太多〉というちょっと変わった架空の地名はまったくのインスピレーションです。場所の設定は神奈川県の某所をイメージしていますが、実際には僕が幼い頃に過ごした曽祖父の田舎の印象が色濃く出ていると思います。当時でも珍しかった茅葺き屋根の家で、本当に〈ザ・日本の田舎〉というところでした。そこには牛小屋や鶏小屋があったり、五右衛門風呂もありました。僕の年齢でも五右衛門風呂に入ったことがある人は数少ないはずです。思えば貴重な体験をさせてもらったなぁと思います。
◆文庫版には文芸誌に掲載した〈2030年の晴太多〉を舞台にした短編も収録しています。ちょっとだけ近未来の物語ですが、もちろん本編に登場した皆が出てきますし、彼らの次世代である若者たちの物語でもあります。楽しんでもらえたら嬉しいです。



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