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Diary

僕はとても影響を受けやすい2018年02月03日

◆曇り。そんなに気温も下がらなかった日。
◆音楽を決めてからじゃないと作品を書かないというのはここでも何度も書いている。大体こんな話かな、というのが決まったら次に決めるのはその作品の〈テーマソング〉だ。つまり、その作品をどんなイメージで書くのか、というのを音楽で決めてしまう。もちろん洋楽のときもあれば邦楽のときもある。テーマソングが決まったらその他にも十曲ぐらい選んで〈その作品の架空のサントラ盤〉をiTunesで作り、それを流しながら書いている。本当に僕は音楽がないと書けないんだ。
◆ただ、あまりにも個性の強い音楽はテーマソングにはし難い。たとえば(大好きだけど)サザンオールスターズの曲をテーマソングに選んだことはない。あまりにも桑田さんのボーカルの個性と僕の中での印象が強過ぎて作品世界もそれに引きずられてしまうからだと思う。
◆その反対に、強烈な印象を持ったので作品世界のイメージをそれに寄せようと音楽を選ぶこともある。映画音楽なんかがそうだ。その映画があまりにも多くのインスピレーションを与えてくれたので、その映画のサントラをほとんど使ったりしたこともある。
◆そもそも僕はとても影響を受けやすい人間だと思う。素晴らしい音楽や映画や芸術作品に出会うと「あぁこんなイメージの物語を書きたい」とすぐに思ってしまうのだ。ある曲を聴いて「あぁこれをテーマソングにして物語を書きたい!」と思ったことなんか何度もある。まぁ最近でこそ年を取ったので、そんなにそんなに強烈に影響を受けるということもなくなってしまったのだけど。
◆日本人ミュージシャンで最も影響を受けた人は誰だろう? と、考えると、とても一人だけは選べないけれども、山下達郎さんは間違いなくその一人だ。いちばん最初に聴いたのはソロではなく〈シュガーベイブ〉だけど。
◆思えば若い頃に聴いた音楽、観たテレビドラマ、映画、読んだ小説、マンガ。その中で本当に僕を作っていったなと思うものがたくさんある。そしてそれはとても幸せなことだったなぁと思うのだ。

今年もまた新しい旅に出るよ2018年02月01日

◆きれいに晴れ上がった青空が見えた日。
◆もちろん連載を休んでしまったのでどの口が言うか、という話なのだが今月からはいつも通りのスケジュールで、つまり遅れない(いや遅れたりはたぶんしないと思うしないんじゃないかな)ように原稿が書けるんじゃないかと思う。担当編集さんには本当にご迷惑をお掛けしてしまった。そして当然のように休んだ分の原稿料は入らないわけだがそれは自業自得だ。
◆実は〈書き下ろし〉といわれるものには原稿料はない。出版後の一ヶ月か二ヶ月先に入ってくる印税が収入の全てになる。たとえば一ヶ月かけて書き下ろしたとして、それから本が出るまでにはおおよそ三ヶ月かかる。印税が入るのはさらに一ヶ月先なので、つまり小説家はその書き下ろしで収入が入るのは四ヶ月後、書いている間も収入はないので五ヶ月間まるっきり小説家としての収入はないのだ。今の僕は原稿料が毎月入る連載を抱え、文庫も連載後の単行本もどんどん出ている状態なのでまったく問題はないけど、書き下ろししか書いていない新人さんや連載がない小説家は本当に苦労する。作家デビューしても仕事は絶対に辞めるな、と先輩作家が真剣にアドバイスするのはそのせいだ。僕もそうアドバイスする。作家デビューできても仕事は絶対に辞めるな。学生のうちにデビューしたならまずは就職しろ、と。じゃあ、いつ専業作家になればいいのか、というのは、賭けだ。本当に、ギャンブル。今も僕は(全ての専業作家は)いつ執筆依頼がなくなって収入の道が途絶えるかのギャンブル継続中というわけだ。たぶん死ぬまで。
◆なんか愚痴めいた日記になったので反省して今後の予定。3月には映画『家族はつらいよ3』のノベライズが出る予定です(はい、また書かせていただきました)。4月には『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴン』の文庫、そしてシリーズ新刊『ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン』。5月には『探偵と踊り子とパリを』(文藝春秋)の文庫が出ます。その後は連載作品が終了次第単行本になっていく予定です。連載中なのは『花咲小路三丁目北角のすばるちゃん』(ポプラ社)や、『春は始まりのうた マイ・ディア・ポリスマン2』(祥伝社)や『テレビ探偵』(カドカワ)や『ラバーズ・コンチェルト』(実業之日本社)などですね。
◆そして、今年中には新しい連載も三本ほど始まる予定です。まだほとんど考えていませんけれど(^_^;)、今の連載がわりとほんわかしたものが多いので、反対にハードっぽい感じになるかなー、という気もしています。まったく新しいところでの連載もあるのでご期待ください。

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