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Diary

『東京カウガール』が文庫になります。2020年07月31日

◆このまま夏が来ないまま終わるんじゃないかと思うぐらいの涼しい北海道だったけど今日になってようやく夏日が訪れて、じっとして執筆していても暑さを感じる日。見本が届きました。『東京カウガール』(PHP文芸文庫)です。
◆親本である単行本が出たのは2017年なので三年前ですね。最近はもう一体どうしてそういう物語を書こうと思ったのかもすぐに忘れてしまって(^_^;)。確か最初は東京を舞台にした若者のちょっと変わったラブストーリーを、と思ったような気もします。そしてそのまま本当にちょっと変わったラブストーリーになっています。僕の作品ではかなり珍しいラブシーンもあります(^_^;)。
◆主人公はカメラマン志望の大学生英志です。カメラを片手に東京の街を歩き回り様々な写真を撮っていましたが、ある夜に偶然に暴行現場に出会します。それも、一人の若い女性がチンピラのような男達を圧倒的な強さで叩きのめす場面に。咄嗟に、ほとんど習性でその現場を映像で(動画で)撮った英志は、渋谷で喫茶店を営み、この界隈で昔に相当鳴らしたという叔父にその動画を見せますが、このまま何も見なかったことにした方がいいというアドバイスを受けます。しかし、英志はそれほど年齢は変わらないと思えたその女性に見覚えがあるような気がしていたのです。心当たりのところへ向かった英志は、そこで、その女性に出会います。何故彼女はそのような圧倒的な強さを手に入れたのか。そして何故、チンピラのような連中を叩きのめしていたのか。英志は彼女に近づいていくのですが……というようなことから物語が動いていきます。警察関係者や一癖も二癖もある大人たちの中で、英志と彼女の恋はどうなるのか、また彼女の目的はどうなるか、結構なハードな展開はありますが基本は普遍的な若者のラブストーリーです。楽しんでいただけたら嬉しいです。
◆カメラマン志望の若者、というのは僕の物語にときどき出てきます。僕自身はカメラマン志望だったことはないのですが、カメラは大好きでしたし、広告業界にいたのでカメラマンと一緒に撮影現場にいることが多く、雰囲気を掴みやすいのもあります。タイトルに同じ東京がつく『東京公園』(新潮文庫)の主人公もそうでしたね。映画で主演を演じてくれた三浦春馬くんの突然の死にただ驚き、安らかにと願うばかりです。
◆相変わらずここの更新もできずに、ただひたすら原稿を書いている毎日です。COVID-19はいまだ終息の気配はなく、皆さんも変わってしまった生活様式に戸惑いながらも毎日の暮らしを守ることに一生懸命なことと思います。僕もそれまでは自宅にいるか東京にいるかどちらか、という生活だったのですがもう随分長いこと東京の街にもそこで暮らす皆さんにもご無沙汰です。楽観的な見方をするならば、ワクチンさえできあがり世界中に滞りなく行き渡れば自然と終息するのだろう、とは思いますが、それでも間違いなく世界で何かが変わってしまい、新しい常識や概念が出来上がっていくのでしょう。どのようなことになろうとも、未来を、子供たちの未来を守るために我々大人たちは自分たちのできることで、子供たちにとっての未来を守る最善の方法と道を選んでいくしかありません。
◆終息させるべく必死に働き研究している、医療関係の方々の感謝と激励の念を送ります。

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