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Diary

『マイ・ディア・ポリスマン 春は始まりのうた』が文庫化です。2020年07月09日

◆ようやく晴れて気温も26度まで上がった日。
◆文庫になる見本が届きました。『マイ・ディア・ポリスマン 春は始まりのうた』(祥伝社文庫)です。〈マイ・ディア・ポリスマン〉シリーズの第二弾ですね。いつもそうなのですが、シリーズにするつもりで書いたものって本当にないんです。この作品もその一作で終わりのつもりで書いたものが意外と好評でじゃあシリーズにしましょうか、と担当編集さんと話してシリーズ化になったと。とはいえ、もう作家になって18年。最初の段階できっちり設定を作ることは息をするようにしてしまうので、困ることはほとんどなく、第二弾を書いたものです。一作目で主人公の一人である若いお巡りさん〈宇田巡〉が元は刑事だったという設定を置いといたので、何故刑事だった者が交番勤務になったのか? という疑問を膨らませる形で物語を作りました。祖母から〈平場師〉の才能を受け継いだもう一人の主人公マンガ家〈楢島あおい〉は無事高校も卒業して晴れて宇田巡と堂々とお付き合いできるようになりました。ウキウキしながら毎日を過ごしていましたが、ある日、交番で勤務している宇田を見張っている男に気づきます。〈何故お巡りさんを?〉天才掏摸であるあおいはその男のポケットから正体がわかるものを掏摸とろうとしましたが、なんとそこにか〈警察手帳〉が。〈どうして?〉。一方、宇田巡は幼馴染みである公太から相談を受けます。「お前、妖怪とか化け物を信じるか?」。公太はそんなようなものに荷物を奪われたというのです。宇田を見張る謎の男、頻発する〈化け物〉の目撃例。宇田とあおい、そしてその仲間たちが事件ともつかない謎を解き明かそうとします……。
◆警察官が主人公であり、けっこうハードな内容は詰まってはいますが、あくまでも事件にはならない不可思議な出来事。若い二人のラブラブな日々を交えて物語は進んでいきます。楽しんでいただけたら嬉しいです。
◆そして何度も書いていますが、この〈マイ・ディア・ポリスマン〉シリーズは第三弾まで出ていて、そのうちに第三弾も文庫化されるとは思いますが、シリーズが続くかどうかは文庫の売り上げにかかっております。もしもこのままでシリーズが続かなかったらあぁ終わったんだなと思ってください(^_^;)
◆この日記も新刊の告知しかしなくなってしまいましたが、相変わらず連載原稿を書いていくのでいっぱいいっぱいの毎日です。以前はここを毎日のように更新するエネルギーもあったのですが、本当に年を取っていくとエネルギーの総量が減りますね。でも、いつかまたのんびりと日記を書けることもあるんじゃないかと思います。
◆世の中が、世界が、どんどん悪いように酷い方向に向かって加速しているような気もします。まるで人類がその坂道を昇りきって転がり落ちて行くような感じもしています。でも、ひょっとしたら、ですが、転がる石には苔は生しません。形は変わり続けます。ローリングストーンです。転がり砕けてそこから輝く何かが飛び出すのかもしれません。
◆暑い夏がやって来ます。カラッとした空気を、美味しいスイカを、蚊取り線香の香りを楽しみます。

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