シイラという魚を初めて知ったのはヘミングウェイの『老人と海』だった2016年11月26日
◆晴れたり曇ったり。穏やかな天気の日。
◆革命家、と呼ぶに相応しいフィデル・カストロが亡くなった。常に暗殺の対象にされながら天寿を全うしたというのだからやはりそういう星の元に生まれついた人だったんだろうか。
◆と、話題にしてはいるけど詳しいわけじゃない。僕の中のカストロ氏は小説やノンフィクションや映画の中に出てくる革命のシンボルとして存在した人物だ。思い入れも、それ以上でも以下でもない。同じく革命家であるチェ・ゲバラに多大なる、いやゲバラの人生を決定づけた人物としても有名だ。
◆チェ・ゲバラは好きだ。それも申し訳ないほど軟弱なことに、革命家や政治家として熱い人生を送ったゲバラではなく、その以前の若き日のゲバラを描いた『モーターサイクルダイアリーズ』の時代だ。本も映画もすごくいいので、ぜひ読んで、あるいは観てほしいと思う。
◆世界が、違う。日本とはまったく違う世界がそこにあるんだな、ということをそこにいなくても実感できる。僕はどちらかといえば日本文学より海外文学を多く読んできた人間なのだけど、その魅力もそこにあると思う。海外文学の中には大いなる世界が広がっている。むろん、現地で過ごした方がその魅力も酷さも身体と心で実感できるのだろうけど、想像力の翼はそれと同じぐらいのものを自分に与えてくれると思う。僕は音楽でアメリカやイギリスやフランスに触れてきたけれど、それ以上に、小説でありとあらゆる世界に触れることができたと思っている。
◆世界中の作家の本を読んでほしい。本当にそこには〈世界〉がある。映画でもいい。ハリウッドだけじゃ味わえない異文化がある。
◆そういえば〈シイラ〉という魚の名を初めて知ったのは中学のときに読んだアーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』だった。確かヘミングウェイはカストロと親しかったはずじゃないか。