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Diary

きっと明日地球が終わるという日になっても2016年11月24日

◆曇ったり晴れたり。umiyorimomadafukaku
◆昨日からの雪が30センチほども積もって今季初の雪かき。久しぶりの雪かきはやはり疲れる。それにしても今年は雪が早い。まぁ早くても一度にたくさん降らなきゃいいんだけど。できれば少しずつ降って、雪かきに追われないゆったりとした雪の季節を過ごしたいものだ。
◆ほとんどの小説家はそうだと思うのだけど、不穏なことばかりを考えて毎日を過ごしている。ミステリ作家はもちろん「どうやって人を殺そうか」とか「死体の処理をどうするか」なんて考えるし、そこまで物騒でなくたって「不倫はどうだろう?」とか「そこはやはり夫に失踪してもらった方がいいか」なんてことを考えるのが常なのだ。
◆特に僕などはいろんなジャンルを書いているので何でもあり、だ。人も殺すし不倫はするし親と生き別れるしライブもやるしギャングも出るしタイムトラベルもするし怪獣も出るし宇宙人にも会うし魔法だって使う。そんなことばかり考えて毎日を過ごしている。考えるだけでお金を貰えるならそんな嬉しいことはないけれどそうはいかない。考えたことを今度は現実と折り合いをつけながら物語にしなきゃならない。夢想家の小説家は実はいちばん現実に精通していなきゃ、作品は書けない。夢の舞台は土台がしっかりしていなければすぐに崩れ落ちれしまうからだ。
◆どんなに悲惨な、どんなに非道な、どんなに悲しく辛いニュースが流れてきても、顔をしかめ犠牲者の冥福を祈った次の瞬間にはそれをネタとして考えてしまう。いったいこの事件の裏側にはどんなことがあったんだろう? と想像する。事実をドラマとして俯瞰して幾通りもの道筋を捉えてしまう。それが習い性になっている。親が死んでもいつかこれは自分の物語になると思ってしまうのだ。それを突き詰めた言葉にしてしまうと業というものになるんだろう。
◆きっと明日地球が終わるという日になっても、そこにはどんな人間たちのどんなドラマが待っているのかを幾通りも考える。小説家とはそんな人間なんだと思う。
◆あ、そうだね。世界が終わる日の物語もいつか書きたいと思ってるんだ。

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