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Diary

〈同じ名を持つ漫画家と小説家〉。小路啓之さんへ2016年10月22日

◆曇り。少し寒い日。shojihiroyuki
◆どうにも信じられない。漫画家の小路啓之さんの事故死のニュースが飛び込んできた。小路啓之さんとは、同じ名字を持つ漫画家と小説家としてネットで知り合った。お互いに「親戚以外で同じ名字の人に会うのは初めてだ!」と子供のように喜んでしまった。しかも、同じ創作の場に立つものとして。大阪と北海道と離れたところで活動していたし、デビューの頃だったのでお互いに貧乏で会えることはなかった。それでもメールでいつか売れに売れて会えたらいいねと話していた。一時期、小路啓之さんは連載を切られたりして、鬱の気に囚われ、連絡が取れなくなった。彼のメアドも消えた。心配していたのだけど、数年経ってまた彼は連載を持つことができて、僕たちの関係も復活した。それからは、啓之さんの漫画のヒトコマに僕の習字を載せたり、僕が原作を書いて啓之さんさんが作画したマンガも某誌に掲載した。東京で会って、いろんなことを話した。普段は年賀状とTwitterでのやりとりしかなかったのだけど、いつかまた東京で会って遊ぼうと話していた。ずっと、〈同じ名を持つ漫画家と小説家〉として頑張っていけると思っていた。
◆突然の事故死。啓之さんは僕よりもずっと若かった。お子さんも、まだ小さいはずだ。僕の『東亰バンドワゴン』のドラマをお子さんが観てくれておもしろいと言っていた、とメールを送ってくれた。自分もいつかアニメ化やドラマ化されるマンガを描いてみせると言っていた。いつか、ご家族にも会いたかった。同じ名字だから、親戚のように付き合っていけるんじゃないかと思っていた。
◆また僕の原作でマンガを描いてよ、と頼んでいた。「ゼッタイ描きますよ!」と笑っていた彼の顔を覚えている。僕のことを「アニキ!」と、冗談めかして呼んでくれた。いつか向こうで、会おう。原作を持っていくから、二人でおもしろいマンガを創ろう。
◆遙か北の地から、ただ安らかにと願うことしかできない。小路啓之くんのことを、忘れない。

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