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Diary

仕事というものについてあれこれと2016年10月11日

◆晴れたり雨が降ったり。ずっとこんな天候不順な感じですわー。mylife
◆まず、今現在小説家である僕は作品を書くことを〈仕事〉だとは思っていない。金を稼ぐことが仕事だ、と定義するなら確かに仕事なんだけど、好きなことをやっているんだから〈仕える事〉なんていう感覚はない。そもそも僕はずっとそういう生き方を選択してきた。つまり、〈自分の好きな事だけやって生きて〉きたのだ。きっかけは高校入試の失敗だと思う。細かいことは省くとして15歳にして〈進学も何も決まっていない何者でもない時期〉が数日間あった。そのときに、ドラマの影響もあって決めたのだ。「何があろうと好きなことだけやって生きていこう」と。仲の良い友人たちとも将来何をする、という話をしていたときにそう言ったのをよく覚えている。実際高校を出てからの僕は予備校生や大学生という身分はあったけれども、音楽業界や喫茶店のアルバイトやライブハウスの店員などを経て、広告業界の制作、ゲーム業界でシナリオライター、そして作家と本当に好きなことしかしてこなかった。
◆その中で、死にたいと思ったことはあった。自分のミスで何百万もの損失を与えてしまったときや、まるで売れなくて家族を食わせていけないと思ったとき。自分が死ねば保険金が入って家族は食っていけるな、なんてことも考えた。死ななかったのは、少しの幸運があったとしか言い様がない。
◆広告会社にいた頃、仕事が辛くて自殺しそうになった同僚もいた。その場に僕がいなかったらたぶんあいつは死んでいた。それも、ちょっとした幸運でしかない。
◆魔が差すことは、誰にでも起こり得ることを僕は知っている。魔は、間だ。日常の中にぽっかりとできるちょっとした隙間だ。そこに陥った瞬間に負の思いに囚われ、落ちてしまう引きずり込まれてしまう人がいる。それは、正直防ぎようがない。
◆今の僕は組織の中にいる人間じゃない。一人で荒野に立っている人間だ。助けてくれる人は近くの町にいるけれども、そこにだって自分の足で歩かないと助けてもらえない。だから、よくわかる。組織の中で上に立つ人間は単純に仕事ができればいいわけじゃない。下の人間を導かなきゃならない。隙間に陥らないように、魔に魅入られないように。下の人間より良い給料を貰う理由はそこにある、と、自覚しなきゃならない。日本の組織はそういう感覚がなさ過ぎる。
◆仕事は辛いものだ、なんてとんでもない認識だ。皆がそれぞれの仕事を楽しくできなきゃ国だって良くならない。良い国を作るのは政治家じゃなく、働く一般市民だ。自分の仕事が、世の中を良くする。自分の仕事は、他人を助けている。自分の仕事は人に安らぎを与えている。自分の作る総菜は美味しい笑顔を作っている。自分の作る野菜は皆の健康を支えている。自分の仕入れる肉で毎日の食卓が笑顔に包まれる。だから、頑張る。皆がそれぞれにそう思ってこそ、良い国が作られていく。
◆理想論? 甘ちゃん? 絵に描いた餅? 戯言? いい年して夢みたいなこと語ってんじゃねぇよ? 上等じゃねぇか。こちとら夢を語るのが商売なんでぇ。死ぬまで夢みたいなハッピーエンドの物語を語ってやるよ。

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