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Diary

エンターテイナー。ザ・ピーナッツと永六輔さん。2016年07月11日

◆晴れだけど、少し風が冷たかったかな。peanuts
◆ザ・ピーナッツの妹さん伊藤ユミさんの訃報と、永六輔さんの訃報を同時に聞いた日になってしまった。この一組とお一人の全盛期の活躍を見聞きして育ったのは、ひょっとしたら僕らの年代が一番下ぐらいになるのだろうか。
◆ザ・ピーナッツといえば伝説の番組となっている〈シャボン玉ホリデー〉だ。当時の僕はまだ物心つかない頃から小学生。美人姉妹は歌もダンスも上手でそしてクレイジーキャッツとのコントも上手だった。つまり、当時の僕にとっては〈初めて目にして親しんだ女性エンターテイナー〉だったのだ。怪獣映画である〈モスラ〉の双子も印象深い。その後、中学生になり音楽に夢中になったときに初めて気づいた。彼女たちが優れた〈歌手〉であり、何気なく聴いていた彼女たちの歌は上質のアメリカンポップスでありジャズのスタンダードナンバーであり、本家に比しても決して劣るものではなかったことに。つまり、生まれてからずっと僕はザ・ピーナッツによって〈上質の音楽〉に触れさせてもらっていたのだ。残された彼女たちのDVDを観ると、その凄さに改めて唸ってしまうほどだ。彼女たちがテレビに顔を出さなくなってからの〈芸能界〉にはザ・ピーナッツを超えるエンターテイナーは生まれていないように思える。
◆そして永六輔さんは才人だ。ザ・ピーナッツが活躍していた頃の放送業界を渡り歩いた人でもあり、そういう意味では僕らの世代が幼い頃に、日本のエンターテインメントを作り上げた人の一人だ。何よりも、後世に残り続ける永遠の名曲『上を向いて歩こう』の作詞者だ。その歌が発売されたのも僕が生まれた頃だ。僕の55年間の人生でずっと『上を向いて歩こう』が日本には流れ続けている。僕のデビュー作のタイトルは『空を見上げる古い歌を口ずさむ』だ。その古い歌とは『上を向いて歩こう』だ。自分が小学生の頃を描いた物語だけど、その時期、子供も大人も皆が口ずさんでいたのは間違いなく『上を向いて歩こう』だったからだ。
◆昔は良かったというつもりはない。良いものは残り続けるが、時の流れに消えていくものの中にも決して忘れてはいけないものもある。あの頃、日本のエンターテインメント業界は間違いなく〈世界〉を見据えて追いつき追い越そうとしていた。その時代があるからこそ、今がある。
◆心から、ご冥福を祈ります。ありがとうございました。

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