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Diary

まぁ、寝るところはあるから心配するなパディントン2016年07月08日

◆晴れ。少し風があったけど爽やかな一日。padinton
◆子育ての終わり、というのをどこで意識するかはまぁ人それぞれだろうけど、概ね高校を卒業したら一区切りではないだろうか。大学も確かに金はかかるし何かと問題を起こすかもしれないけれども、二十歳越えれば法的にも大人だ。そんなに構ってられないよと思うのではないだろうか。我が家も二人の息子がいるが、次男も二十歳になった。大学生ではあるものの一人暮らしをしていて、妻と二人きりの生活も二年以上が過ぎている
◆写真の映画『パディントン』。まだ観ていないのだけど、〈パディントン〉の絵本は我が家にも数冊ある。二人の息子が小さいときによく読み聞かせた絵本だ。うちの息子たちはとても扱いやすい子供で、「寝るよー」と布団に入って絵本を読んだりお話をしているうちにすぐに寝息を立ててくれた。思えば楽で非常に親孝行な息子たちだった。そもそも僕は作家なので口からでまかせで〈お話〉をするのも得意だった。
◆ただまぁ、そんなふうに毎晩読み聞かせていた絵本もお話も息子たちは覚えてはいないだろう。ひょっとしたら何かが記憶にあるかもしれないが、そういうものを懐かしく思い出すにはあと十年二十年、年を取らないとならないだろう。
◆親が子供たちに残せるものは何だろうと考えても結論は出ない。そもそも親だって大した人間じゃない。子供たちがいてくれたお蔭で親も人間として成長するものだ。大きな金を残したところでろくなことにならないのはいろんな過去の出来事や歴史が証明しているしそもそも残せるあてもない。
◆親は、毎日を一生懸命生きるしかない。真面目にきちんと毎日を過ごせと自ら実践するしかない。その背中を見てもらうしかない。何かを残そうなんて考えるのもおこがましいかもしれない。
◆まぁとりあえず、家はある。二人の息子の人生に何があろうと、ここに帰ってくればゆっくり寝られて朝は来る。そう思っていれば、それがあれば、頑張れるだろう。忘れるなよ、と、父は思う。帰ってくる家はあるぞ、と。

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