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Diary

日々雑感。僕は真ん中にいる。2016年05月20日

◆晴れ。気温も高く穏やかな天候。hanaregumi
◆札幌では花々が咲き誇っている。もうどこに出しても恥ずかしくない春真っ盛りの北海道。これからが北海道はいちばん良い季節。どうぞ皆様おいでませ北海道。
◆好きな映画監督である是枝監督の新作『海よりもまだ深く』がもうすぐ公開になる。写真はその主題歌である〈ハナレグミ〉の『深呼吸』だ。是枝監督は老いた母と中年になった息子を中心にした物語としてこの映画を描いているようだ。観ようと思う。
◆是枝監督とはほぼ同い年。僕は55歳になっている(たぶん彼はひとつ下)。紛う方なきオジサンだし初老のゲートをくぐったと言ってもいい年齢だ。会社員なら部長とか取締役クラスの年齢だ。学校では教頭先生や校長先生。
◆そして、両親を失う年齢になっている。20代で子供を作ったとすると、その子供が55歳になれば親は当然80代になるだろう。言葉は悪いが、いつ逝ってしまってもおかしくない年齢だ(もちろん人生の終わりは人それぞれで、僕の父などは10年以上前に亡くなってしまったが)。
◆肉親の、特に親の死を思ってそれを作品への糧とするのは、創作者なら幾度となく繰り返している。誰もがそうのはずだ。この先も僕は既に父を失ったことを思って、何かを作り上げようとする。小説家だから、物語を書こうとする。これもある意味では悪趣味だが、この先いつか母が亡くなってしばらくしたら、間違いなく僕は母を思って、物語を書き上げるだろう。
◆今現在、僕は真ん中にいる。つまり、僕には親と子供がいるということ。しかも子供も既に大人の年齢に達している。老いた大人(親)がいて、老いのゲートをくぐった大人の僕(子供であり親)がいて、大人の年齢に達したばかりの若き大人の子供たちがいる。この先に、親が死んでしまって、子供たちが親になったときに、つまり真ん中ではなく先頭に立ったときにどんな心持ちになるのだろうか(まぁ子供たちが親にならない可能性もあるのだが)。
◆大人になるということはどういうことかって、ずっと考え続けているような気がする。ひょっとしたらずっとそんな小説を書いているのかもしれない。

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