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Diary

清志郎さんと吉野朔実さん2016年05月02日

◆晴れ。穏やかな日。kiyoshiro
◆庭の桜もようやく咲いてきた。今、七分咲きぐらい。いつも我が家の庭の桜が咲く頃に清志郎さんが長い長いツアーに出た日がやってくる。だからこの七年間、今日という日はいつもスローバラードが僕の頭の中を流れていて、いつか向こうで会えるように頑張ろうと改めて思う日になっていたんだけど、今日は突然の訃報がやってきた。
◆漫画家の吉野朔実さんが亡くなられた。決してベストセラーを生み出した漫画家ではないけれども、多くの人の心にはっきりとした何かを与え続けてきた漫画家さんだ。僕もその一人だった。高校生の頃に『少年は荒野を目指す』を読んだ。感動とか影響を受けたとかそういうものではなく、確実に言葉が胸に刻まれていった。漫画なのに、言葉が。もちろんその絵柄も含めてのことなんだけど。
◆清志郎さんを聴き出したのも、中学生から高校生の頃だ。あの頃に影響を受けた年長の人たちが先に行ってしまうのは、どうしようもない。けれども、清志郎さんも吉野さんも、まだ若過ぎた。先に行ってしまうのには、悲し過ぎるほどに若過ぎる。そんなに急がないでもっともっともっと僕たちの心にどかどかと踏み込んで腰を据えて話し込んでくれてもよかったのにと思う。
◆清志郎さんの歌を聴きながら僕は作品を書く。この間までは恐れ多くも『スロー・バラード』という作品を書いていた。きっとこれからも、清志郎さんの歌を聴きながら書き続ける。
◆僕がデビューしたての頃の作品には、吉野朔実さんの作品からインスパイアされたものが多くある。全然そんなの感じないぞと言われたらごめんなさいと言うしかないのだけど、たとえば『空へ向かう花』とか『21 twenty one』とか、『ナモナキラクエン』とかがそうだ。それらの作品の中に確実に吉野さんの作品を読んだことで得たものがある。
◆ありがとうございました。あなたたちから得たもので僕はこうしています。そして、これから先も、たぶんもう少しあなたたちのいない世界で書き続けます。

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