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Diary

明けましておめでとうございますから『アシタノユキカタ』2019年01月02日

◆明けましておめでとうございます。
◆新年の抱負などというものはなく、ただひたすら原稿を上げることだけを考えて年末も正月もなく書いています。毎年この状態を何とかしたい、心安らかにテレビでも観ながら正月を過ごしたいなと思いながらも全然どうにもなりません。己のふがいなさと執筆体力のなさに涙する日々です。本当に担当編集さんには申し訳ない。書いていますから。一生懸命書いていますから。
◆そして年末に届いたのは『アシタノユキカタ』(祥伝社)の文庫版です。おそらくは10日過ぎあたりに店頭に並ぶのではないかと思います。『アシタノユキカタ』(祥伝社文庫)です。
◆どういうことでこの話を書くことになったのかはもう忘れてしまいましたが(^_^;)、確か編集さんと話していて「先生と生徒の恋愛なんかどうですかね?」なんて言い出したような気がします。元高校教師の片原修一の家に突然現れたどう見てもキャバ嬢の由希、そして一緒にいたのは小学生の女の子あすかちゃん。由希は片原に「この子を九州にいる母親の元へ送り届けてほしいのよ」と言います。母親の名前が凛子だと知ったとき、片原はその願いを聞き入れますが……というところから物語が始まります。結局この三人で軽自動車に乗り、北海道は札幌から九州まで向かうことになるのですが……。
◆いわゆるロード−ムービー的なストーリー展開になります。『アシタノユキカタ』という少し変なタイトルは〈明日の行き方〉という意味と、実は〈あたしの生き方〉という意味合いも込めています。当初は由希と凛子の二人の女性にフォーカスを当てようかと思って付けたダブルミーニング的なタイトルだったのですが、語り手を片原にしたことで意味合いは〈明日の行き方、生き方〉の方へスライドしました。
◆片原修一にも由希にも実は秘密があって、その秘密が物語を大きく動かすエンジンになっています。秘密はあっても何の裏もない、文字通り少し大人の恋と友情と生き方の物語です。それと、わかる人にはわかると思いますけど、作中で語られる登場人物たちの根幹を為すエピソードのひとつはある少女漫画へのオマージュにもなっています。名作といえるほどの作品ではない小品なのですが(失礼ながら)、当時からものすごく好きなエピソードだったので今回使わせてもらいました。どの部分なのかと想像していただけるのもいいかと。楽しんでいただけたら嬉しいです。
◆平成が終わる2019年。昭和、平成、○○と三つの時代を生きることになってしまったわけだ。平成が終わるというのに、27歳から57歳までを生きたというのに、いまだに僕は平成に慣れていない気がする。たぶん昭和の時代に僕の全部が、考え方も感じ方も生き方も全てが作られたからだと思う。そこから先は作られた自分をその足で頭で動かしてきたんだなぁと。
◆今年も書き続けます。本年もどうぞよろしくお願いします。

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