SHOJI YUKIYA OFFICIAL SITE sakka-run:booklover’s longdiary since 1996.12.18

Diary

新刊『テレビ探偵』が出ます2018年12月16日

◆曇っていたけど気温もプラスになって穏やかな一日。
◆で、知っている人は知っているWordPressが新しくなってこのサイトはそれで書いているんだけど、まだ使い方がよくわかんない(^_^;)。これでいいのかなぁ。ちゃんと読めるかしら。
◆12月25日頃に刊行予定の、単行本新刊『テレビ探偵』(角川書店)の見本が届きました。時代は昭和四十年代。テレビがまさに黄金期を迎えようとしている頃です。〈ザ・トレインズ〉という売れないバンドがテレビ番組で音楽ではなくコントで一躍人気者になっていきます。そのトレインズの番組を観て、自分もこのグループの一員となってコントをやりたい。コメディアンになりたいと一人の若者が夢を見て、弟子入りしてきます。チャコという芸名を貰って晴れてバンドのボーヤとなり、トレインズの見習いとして一世を風靡していく番組にも出るようになりますが、そこに様々な芸能界ならではのトラブルが舞い込んできて、チャコは探偵よろしくトレインズのために解決のために走り回る……という物語です。
◆帯の惹句や装幀でもうわかってしまいますが、モデルにしたのは土曜8時に子供たちをテレビの前に釘付けにした、誰もが知っている〈あのグループ〉と〈あの番組〉です。
◆実は『うたうひと』(祥伝社)というミュージシャンを主人公にした物語で、僕はやはり〈あのグループ〉をモデルにした短編〈明日を笑え〉を書きました。そのときは長身のベースマンでありリーダーでもある彼を主人公にしました。ミュージシャンでありながらコメディアンとして売れてしまった彼らの思いみたいなものをテーマに書き上げたのですが、いつか彼らでもっともっと長い物語を書きたいと思っていたのです。今回カドカワさんからその機会を得て、〈ミュージシャンでもありコメディアンでもある〉彼らの活躍を書くことができました。
◆とはいえ、全然書き足りません(^_^;)。今作では見習いのチャコを主人公にしましたが、あの人だってあの人だってあの人だって主人公にしたかったんです。なんだったらメンバー全員の物語を書きたかったのですがそうもいきません。この本がたくさんの読者の手元に届いて〈ザ・トレインズ〉のように人気者になってくれれば、また次の彼らの活躍をお届けできるかもしれません。
◆何度かコラムなどで書いていますが、僕は〈テレビっ子〉と呼ばれた最初の世代です。ドラマも音楽も映画も演劇も落語もミュージカルもスポーツも、エンターテインメントの何もかもを最初に〈テレビ〉から受け取って育ってきました。僕の想像力を育ててくれたのは、間違いなくテレビの向こうのエンターテイナーたちと、彼らと一緒にテレビを創ってきた業界の人たちだったのです。最大限の感謝を込めて書き上げました。
◆小難しいことは何一つありません。あの時代の熱い空気を感じながら、楽しんでいただければ嬉しいです。

ページトップへ