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Diary

『スタンダップダブル! 甲子園ステージ』について2016年02月05日

◆晴れたり曇ったり。standupkoushien
◆庭にある物置の屋根の雪下ろし。これがちょっと厄介な位置にあるので雪下ろしをしなきゃならないんだ。でもそろそろ新しく建て替えて雪下ろしをしなくてもいいようにしようと思う。
◆届いたのは文庫新刊『スタンダップダブル! 甲子園ステージ』(ハルキ文庫)です。『スタンダップダブル!』(ハルキ文庫)の文字通りの続編です。なので、できたらまずは『スタンダップダブル!』の方から読んでください。そうしないと話が若干通じないところもなきにしもあらずなので。
◆〈外野ゴロ〉でアウトを取るという少しばかり奇妙な野球をする北海道の無名高校〈神別高校野球部〉が、ある決意を胸に甲子園優勝を目指す物語ですが、球児たちの活躍と同時に、彼らを見守る女性新聞記者や大人たちのドラマも展開していきます。前作は見事に北海道予選を勝ち抜き、甲子園出場を決めるところまでを描きました。そして、続編である今作はまさしく〈夏の甲子園〉を〈神別高校野球部〉がひたむきに優勝へ向けて戦い抜きます。結末がどうなるかは読んでのお楽しみですが、前作で書き残した〈大人たちの事情〉の方にもきっちりとケリをつけますので安心してください。
◆高校野球にもいろいろとあることは百も承知です。それでも、球児たちは甲子園出場を、優勝を目標にして練習に明け暮れます。それは、野球に限らずどんな高校スポーツでも同じですね。残念ながら僕はスポーツに打ち込むことができなかったのですが、彼らの活躍を観戦して楽しむことは大好きです。
◆もうすぐ、球春がやってきますね。また、楽しみな季節がやってきます。小説の方もどうぞよろしくお願いします。

『アシタノユキカタ』について2016年02月04日

◆東京も札幌近郊も晴れ。ashitanoyukikata
◆東京では某書評雑誌のインタビューを受けてきました。来月には載ると思いますのでまたお知らせしますね。
◆そして家に帰ってきたら見本が届いていました。2月の単行本新刊『アシタノユキカタ』(祥伝社)です。もう一冊文庫の新刊『スタンダップダブル! 甲子園ステージ』(ハルキ文庫)も届いていたのでそれは明日にでもまた日記に書きますね。
◆『アシタノユキカタ』というタイトル。普通に漢字で書くと〈明日の行き方〉という風になるでしょうか。他にもいくつかの意味を込めてカタカナにしたので、その辺は読んでいただいて、いろいろ考えてくだされば、と思います。登場人物は何かを隠している男と、同じく何かを隠している女。どちらもそろそろ若いと言われる年齢を通り過ぎようとしています。そしてその二人に連れられて行くのは小学生の女の子。この三人、ある目的のために北海道から九州まで軽自動車で移動することになります。大きな事件があるわけではなく、単純に女の子の家庭の問題です。それぞれにそれぞれの思いが少しずつ重なり合って、ラストシーンに向かって進んでいきます。実は、もう二人、男と女で重要な登場人物がいるのですが、彼らにはほとんど台詞はありません。ないのにも関わらず、最初から二人はずっと物語に登場し続けます。
◆誰かのことを思い、自分のことはさておいて行動する。そうしたいと込み上げてくる気持ち。ざっくり言ってしまえば、ある友情の物語かもしれません。静かにゆっくりと愉しんでいただけたらな、と思います。よろしくお願いします。
◆装幀の雰囲気、良いですね。冬はなるべく車には乗りたくないんですが、こんな雰囲気の中ドライブをするのはいいもんです。

人間は朝の方が賢い2016年02月03日

◆東京は晴れ。kosyo
◆インタビューなどがあって東京に来ている(明日帰るけどね)。ついでに長編の初校ゲラがあまりにも校正が少なかったので出版社で片づけてしまったり(反対にいいのか? 本当にこんなにチェックが少ないのか? って不安になったけどね)、次の連載の打ち合わせをしたり。そしてそれ以外はどこにも行かずに定宿のホテルの部屋で原稿書き。そもそも出不精で自分の部屋にいるのがいちばん楽なんていう人間なんで、その方がいいんだよね。
◆野球ファンではあるけれども、清原選手の薬物使用は野球とはまったく関係がなく、まぁ個人の資質なんだろうなぁと。飛鳥のときも書いたけど、それで飛鳥の曲の素晴らしさが失われるわけでもない。清原さんが野球選手時代に成し遂げた実績が消えるわけではない。
◆二人とも恐怖心に負けたのだと思う。今まで得たものが失われる恐怖。確かに、何かを得た後にやってくるのはそれを失うことを想像したときの恐怖だ。それは、わかる。理解できる。そこで薬物に手を出してしまったのは、周りの環境というのもあっただろうし、その人の資質みたいなものも関係してくるんだろう。
◆心の弱さは誰もが持っている。僕も過去において眠れぬ夜を過ごしたことが何度も…………あれ、ないな。困ったな、ないぞ。いつでもどんなときでも眠れたなヽ( ´ー`)ノ。まぁそれが僕の長所だ。
◆死ぬ気になれば何にでも耐えられる、というのはある程度真実だと僕は感じている。本当に死んだ方がましだなと思える夜を何度も過ごしたから。でも、死んだつもりでやってみてからでも遅くはない。どんな恥をかいたって、苦しんだって、悲しんだって、生きてさえいれば明日はいい日になるかもしれない。希望はある。だから死ななかった。やってこられた。
◆苦しいときに誰かを頼るのはいい。でも、自分の足で立ってからじゃないとダメだ。希望は、自分の力で足掻くものにだけ見えてくる。クスリはダメだ。その立ち上がる足の力さえ根刮ぎ奪い取っていく。
◆もし悩みがあるのなら、問題を抱えているのなら、夜にあれこれ考えるのはやめた方がいい。人間は朝の方が賢い。朝の光の下で考える方が、文字通り光に向かうことができる。
◆あ、小説はね、夜でも朝でもどっちでも書けるから大丈夫。

煙草うんぬん2016年02月01日

◆雪が降って雪かきを二回。coffeec
◆軽くイラッとしてそれから空しく悲しくなったので書いておく。WHOが〈喫煙シーンのある映画やドラマについて、若者を喫煙に誘導する効果が高いと指摘する報告書を発表し、「成人向け」に指定する措置を各国政府が講じるよう勧告した。〉らしいのだ(ニュースからの丸写し)。原文がどういうニュアンスで書いてあるのか、またWHOの勧告にどれほどの強制力があるのか不勉強なのでわからないのだが、おおよそ間違いのないところなんだろう。
◆僕は喫煙者だ。しかし同時に表向きには善き社会人であると自負している。喫煙マナーはきちんと守っているし、もし、日本の法律で喫煙が禁じられたのならそれに素直に従うつもりだ(闇酒場ならぬ闇喫煙場ができたら通うかもしれないがそれは逮捕されてもいいと覚悟しての行為なので放っておいてもらおう)。けれども、そういうこととはまるで違う話だ。彼らは創造の表現の自由を侵そうとしている。
◆何を考えているのだろう。いや、彼らはきっと何も考えていないのだろう。彼らには何も見えていないのだろう。
◆以前、宮崎駿監督の映画『風立ちぬ』のときに日本禁煙学会とやらが要望書を出したがそれと同じようなものだ。彼らのことを考えると空しくなってくる。悲しくなってくる。哀れにさえ思う。度量の狭い人たち。狭量であると感じてしまう。
◆と、まぁできるだけ上品に書いてまいりましたが、要するにケツの穴の小せぇ野郎どもだ、ってぇことよ。
◆写真はジム・ジャームッシュの映画『コーヒー&シガレッツ』。これも素晴らしく良い映画。そして実はWHOの報告書は『こういう煙草を吸っているのがめっちゃカッコいい映画って多いんだよねーいやホントマジでおもしろいんだー若者に与える影響大きいんだよねー』って言ってるのである。いいか、格好良いものを規制なんかするな。

GOOD NIGHT,and GOOD LUCK2016年01月31日

◆晴れたり曇ったり。穏やかな天候。goodnight
◆ネットを賢く利用している人はもう十二分に判っているだろうけど、テレビや新聞や雑誌、そしてもちろんネットも含めたすべてのマスコミが〈事実〉をきちんと伝えている、なんてことは、ない。恣意的にねじ曲げられた情報がさも事実であるように流れることは多々ある。ましてやネットでは恣意的、意図的にではないにしろ偏った見解でとんでもない嘘や事実誤認があっという間にそれらしく事実や真実として広まってしまうこともある。
◆そういうものに騙されたり、流されたり、染まってしまわないためにはどうしたらいいのか、と考えたときにいつも思い浮かぶ光景がある。小学校のときの教室だ。六年生のときの担任の先生は確か佐藤先生だったと思う。ある小さな事件が教室内で起こった。どういうものかは非常に長くなってそれだけで短編一本書けてしかもけっこうおもしろいのでいつかネタで使おうと思うのでここでは書かない(^_^;)。その小さな事件を解決しようとしたときに、佐藤先生はこう言った。「まず、それぞれ自分で考えてください。そして、確かめてください」。
◆ごくごくあたりまえのことだ。たぶん先生もそのつもりで言っただろう。でも、教室内の空気が明らかに変わったのが僕はわかった。(そうか、まず考えて、そして確かめなきゃ)と。ただそれだけのことなのに、小学生でもわかることなのに、それをしようとしない人がいる。しかもいい大人が。
◆別にそういうものを描こうと決めているわけじゃないけど、僕の作品には、自分で考えて、正しいと思えることをして、きちんと暮らしている人たちが多く出てくる。中学生や高校生といった若い人たちから、とてもおもしろかったと感想が届くことがある。少しでも、心に残ってくれればいいなぁと思う。
◆世界は変えられない。でも、読んでくれた人がほんの少しでも良き方へ顔を向けてくれれば嬉しいな、と。
◆明日も良き日でありますように。〈GOOD NIGHT,and GOOD LUCK〉。いい映画だよ。観て。

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