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Diary

『三兄弟の僕らは』が出ます2020年03月11日

◆3月11日。あの日はこちらも震度4ぐらいだった。
◆ちょうど次男と友人が家で遊んでいて、あまりの揺れに一度外へ避難させた。はっきり覚えているけれどあの年も今年と同じぐらい雪が少なくて、道路はアスファルトが出ていた。そんな日に、今月19日頃に発売予定の単行本新刊『三兄弟の僕らは』(PHP)の見本が届きました。
◆自分でそんな風に言うのはどうかとは思うのですが、僕はけっこう多作なのですが、無性にシンプルな話を書きたくなるときがあります。たとえば『東京公園』とか、『花歌は、うたう』とか、『小説家の姉と』とか、『風とにわか雨と花』とか。読んでいただいている方ならなるほどと思ってくださるでしょうが、この作品もそこに並ぶような物語なんじゃないかと。
◆今まで姉妹の話は書いたことがあるのですが、そういえば兄弟の話は書いたことがないな、と。意識はしていなかったんですけど、それはたぶん自分に姉はいるけれど、兄弟がいないことにも繋がるのかな。姉弟の話ならするすると書けますけど、兄や弟という存在はまた違うものでしょうからね。そこで「じゃあ三姉妹の話は書いたので、三兄弟の話にしましょうか」と編集さんと話して、そこからスタートした物語です。
◆今はたぶん〈三兄弟〉という存在も少ないのでしょうが、どこにでもありそうなごくごく平凡なけれどもささやかでも幸せな家庭に育った三兄弟、朗と、昭と幸。三人とも特別な才能があるわけでもないし取り立てて優秀でもないけれど、それなりに良い子に育っていた三兄弟。けれども、ある日突然、両親を交通事故で失います。呆然とする三兄弟を助けてくれたのは、北海道に住んでいた母方の祖母の栄枝。両親の死(栄枝にとっては娘と娘婿の死)に見舞われた三兄弟のために、葬儀などあれこれと栄枝が動き、そうしてようやく身も心も落ち着いた頃から物語が始まります。
◆その後の展開は、何せシンプルなお話なのであらすじを言ってしまうともうそこで話はわかってしまうので(^_^;)、控えますが、ぜひ読んで頂ければと。愉しんでいただけたら嬉しいです。
◆9年前、4月に出る〈東京バンドワゴン〉シリーズの印税から義援金として寄付をするので本を買ってくださいというお願いをしました。9年経った今も、大きな金額での寄付はしていませんが、毎月、小額ですが各所への寄付はずっと続けています。協力していただいた方も多かったと思います。ありがとうございました。これからも、毎月の寄付は続けていきます。小説家としての収入がある限りはですけれど(^_^;)。

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