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Diary

『銀の鰊亭の御挨拶』が出ます2020年02月12日

◆マイナス16度まで下がったと思ったら今日明日はプラスに。
◆明日なんか4月の陽気になるっていうのよ。とんでもないわー。
◆そんな日に今月19日頃に発売予定の単行本新刊『銀の鰊亭の御挨拶』(光文社)の見本が届きました。サイン本も100冊以上作ったので、どこかのお店に入ると思います(どこに入るかは僕はわかりませんごめんなさい)。
◆さて、光文社さんから初めての本になります。光文社さんには実はちょっと思いがありまして、その辺は実はこの物語を連載していた〈小説宝石〉さんのコラムに書いたので(まだ出ていない)ここに書いちゃうことはちょっと避けますが、でも書いちゃいますけど心の師として敬愛する矢作俊彦さんの名作をずっと出していたのが光文社さんだったんですよ。なので、デビュー以来、光文社さんからも声が掛からないかなぁとは思っていたんですが、ずーーーーっと声が掛からなかったんですよね。まぁ文庫の解説とかなんかちょこちょこお話はあったんですけど、「ぜひうちでも執筆を」とは言われなくて十数年。ようやくお声掛けいただき、連載して本になったのがこの『銀の鰊亭の御挨拶』です。
◆北国の港町の丘の上にある高級料亭旅館〈銀の鰊亭〉。そこは母屋の他に個室としての別邸もあったのですがそこで火事が起こり、主とその妻が焼死体で発見されるという事故が起きてしまいます。しかも若女将である娘〈文〉も親を助けようとして怪我を負ってしまい記憶障害を起こし……そしてほぼ一年後〈銀の鰊亭〉に、若女将の甥っ子である主人公〈光〉が大学入学のためにその町にやってきて、〈文〉と一緒に住むようになります。しかし、その際に聞かされたことは……という感じで物語が始まります。
◆ぶっちゃけ、また変なミステリっぽい物語を書いてしまったなーというのはあります。当初は編集さんとバディものを書きましょうかと話していて、確かにバディものには違いないんですが、変形のバディものになってしまいました。内容はミステリの様々なパターンを踏襲しています(タイトルからして……わかりますよね?)が決して本格ミステリではありません。刑事も主役級で登場しますが警察ものでもありません。言うなれば、帯にもありますけれど青春ミステリーでしょうか。そしてある意味では〈家族〉の物語でもあります。愉しんでいただけたら嬉しいです。
◆ありがたいことに光文社さんはこの続きを〈小説宝石〉でまたよろしくと言ってくれました。なので、主人公達は変わらずに若干スタイルを変えてまた書きます。そちらもお楽しみに。
◆近頃はちょっと夜になると調子が少しばかりよろしくない。具合が悪いわけじゃないんだけど、昼間に頑張っていた心臓がお風呂に入った後にぐったりしてしまうみたいな感じだ(あくでも感じ)。なので、執筆ペースもまた遅くなっている。この辺はまぁ上手く付き合っていくしかないんだろうなぁと。
◆2月も半ばになる。春の足音が遠くに聞こえてくるような気がする。

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