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Diary

踏み切りに立ち止まって長く延びる線路を見つめる2017年09月29日

◆晴れたり降ったり。
◆昨日の夜から急に冷え込んできて「あ、これは耐えてはダメな寒さだ」と暖房を点けました。まぁもうすぐ10月だから冷え込んできてあたりまえなんだけどちょっと早過ぎる寒さ。
◆基本的には能天気なろくでなしなんで、いわゆる精神的に落ち込むということがほとんどない。いやそりゃあ「まいったなぁ」と思うことはありますよ? 「疲れてるわー」と感じることもある。特に締切りギリギリになって伸ばしてもらって書けると思っていたのに書けていないときには、胃がキリキリと痛くなったり死にそうな気分になったりすることはあります。あるけど、まぁ伊達に音楽・広告・ゲームに小説家とクリエイター生活を40年近く送っていません。気分転換したり上げたりする方法はいくつも持っています。
◆そのひとつは、踏み切りを渡るときに立ち止まって線路を見ることだ。別に鉄ちゃんではない。電車が好きだとか旅行好きだとかでもない。でも、何故か踏み切りを渡るときにそこに立って真っ直ぐに伸びる線路を見ると、元気になる。子供の頃、家の近くに鉄道の駅があった。まだ国鉄の時代だ。幼稚園の頃、自転車に乗れるようになってから行動範囲がグンと広がった。それまで一人で行けなかったところも、自転車に乗ればどこまでも行けるような気持ちになった。その国鉄の駅にも一人で簡単に行けるようになって、ある日に待合室の壁にあった路線図を見て、突然気づいたんだ。「ここからどこにでも行けるんだ」と。目からウロコが落ちたようだった。自転車で駅に来て、汽車に乗れば日本中どこにでも行ける。日本どころか空港のある街に行けば外国にだって行けるんだ。その空想は、僕にとってとんでもなく楽しいものだった。そのときの気持ちは、映画『スタンド・バイ・ミー』を初めて観たときにまた強く僕の中に湧き出して、もうずっと消えない思いになった。
◆だから、今でも長く延びる線路を見ると、途端に元気になる。映画のあの主題歌が聴こえてくる。幼い頃の自分の背中に生えた想像の翼を思い出せる。
◆もし踏み切りで立ち止まって線路をじーっと眺めている僕を見つけても慌てないでください。にっこり笑っていますから。「よし!」と小さく叫んで、また歩き出しますから。

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