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Diary

36年間のマグカップ2017年03月09日

◆晴れたり曇ったり。穏やかな天候。
◆腰はかなり回復したけれども、まだかがんで顔を洗えない状態。あと二、三日もすると違和感を感じながらも普通に動けるようにはなると思うんだけど。本当に腰をやってしまうとどんなに〈腰〉が大切かということを実感する。腰が決まらんと何もできないというのは何事にも通じるのだ。
◆インスタグラムも一応登録してあるんだけど何せ出歩かないので写真を撮る機会もないしほとんど投稿していない。さっき、風呂上がりにいつもコーヒーを飲んでいるマグカップを写して投稿してみた。
◆これは、36年前、19歳になった年に実家を出て一人暮らしを始めたときに買ったマグカップだ。店の名前は覚えていないけど、確かその頃流行り出した生活雑貨を売るオシャレなお店で買った記憶がある。何ヶ所か欠けてしまっているけど、今も使い続けている。特に大事に使っているわけじゃないんだけどそもそもが乱暴者じゃないから(^_^;)、わりと物持ちがいいのだ。
◆そのときにマグカップは三個買ったはずだ。ひとつは確か結婚した当時に割れてしまって捨てたのを覚えているけど、もう一個を買ってすぐの頃に誰かにあげた記憶がある。女の子だったはずなんだけど、それが誰だったかを覚えていない。同じアパートに住んでいたOLさんだったか、あるいは近所の馴染みの居酒屋の常連さんだったか、それとも同じ予備校に通っていた女の子だったか。とにかく、その女性が部屋に遊びに来てコーヒーを落としてあげて(当時はサイフォンで落としていた)、「このカップで飲むとすごくコーヒーが美味しく感じる」としきりに言うのであげたのだ。それは当時から喫茶店でバイトしていた僕の腕がいいからじゃないかと思ったのだけど、確かにこのマグカップ、少し厚手ですごく口当たりがいい。もう36年間使っているわけだけど、きっと割れるまで、もしくは僕が死ぬまで使い続けるだろう。
◆誰か思い出せないけど、同じマグカップを持って帰った彼女は元気だろうか。申し訳ないけど、そのアパートを引っ越して以来会っていないので、顔もおぼろげになってしまっている。
◆そういう思い出を、切り張りしたり膨らませたり磨いたりして、僕は物語を書いている。

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