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Diary

映画『家族はつらいよ2』のノベライズです2017年03月12日

◆晴れ。少し気温が低いかな。
◆山田洋次監督作品『家族はつらいよ2』が今年の5月に公開されます。前作と同様に今回もノベライズを頼まれまして、書きました。俳優陣はまったく同じで、橋爪功さん、吉行和子さん、西村雅彦さん、夏川結衣さん、中嶋朋子さん、林家正蔵さん、妻夫木聡さん、蒼井優さんと豪華ですよね。山田監督が愛して止まない〈喜劇〉です。
◆さて、ノベライズというのは、基本的には〈映画作品の小説化〉です。映画をそっくりそのまま小説にするのです。脚本があるから楽じゃね? とお思いになる向きもございますでしょうが、実は楽です(あくまでも僕の場合は、ですが)。何せストーリーを考えなくてもいいんですからね(^_^;)。
◆ただし、実際の執筆はそんなに簡単でもないです。脚本には基本、役者の台詞とト書きしかありません。ということは、小説のおそらく半分から三分の二を占めるであろう地の文は全部小説家が書かなきゃならないのです。しかも、映画のストーリー進行をそっくりそのまま小説にしても、読者に伝わらないことも映画の場合は多々あるのです。映像で見れば納得できることも、文章では無理じゃんってこともあるのですよね。なので、ノベライズする際には何を足して何を引くか、が重要になってきます。しかもこの作品は〈喜劇〉ですので、映像ではおもしろくても文章にするとまったくおもしろくない(監督すみません)場面なんかも出てきてしまうのです(^_^;)。
◆幸いにして今作も「小路先生の自由に書いてください」と山田監督も松竹さんも仰ってくださったので、映画にはないシーンも多くあります。特にオープニングとラストは(前作もそうなのですが)まったく新たに書いてます(小説としての作品世界を保つためですね)。これは入れてもおもしろさが伝わらないと削ってしまったシーンもあります。まぁ基本的にはシナリオに沿って書きますのでそんな自由にはできないのですが(^_^;)、映画を補填する形で小説化できたのではないかと思います。できれば、小説を読み、5月公開の映画も観て、比べて楽しんでいただけると嬉しいです。
◆一応〈著 小路幸也〉となりますが、正確には僕の作品じゃないよなぁ、といつも思います。山田洋次監督が描いた絵に、僕が小説という額装をしたようなものです。あるいは山田監督が焼いたステーキを、僕は皿に盛りつけしただけ。そんな風に思っていただければと。

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