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Diary

『花咲小路三丁目のナイト』です2016年12月05日

◆曇り。明日からはまた雪が降るとか降らないとか。hanasakiknight
◆さて、今年最後の単行本新刊です。『花咲小路三丁目のナイト』(ポプラ社)です。〈花咲小路シリーズ〉の第四弾になります。
◆四丁目の怪盗紳士、一丁目の刑事さん、二丁目の花屋の花乃子さんときて、今回のお店は三丁目にある〈喫茶ナイト〉です。
◆ただし、普通の喫茶店ではなく喫茶と銘打ってはいるものの実情は〈レンタルビデオ屋〉さんになっています。しかも、花咲小路商店街唯一と言っていい〈深夜営業〉の店です。オープンはだいたい夕暮れ時、閉めるのは明け方。つまり夜にしか営業していません。もうひとつ言えば〈ナイト〉は〈Night〉ではなく、〈Knight〉です。でも商店街の誰もそんなことは知りません。どうしてそんな風になったのかは、読んで確かめてみてください。
◆語り手は、この〈喫茶ナイト〉の主である〈円藤仁太〉の甥っ子である〈堂本望〉。まだ二十四歳の若者です(仁太は四十半ばです)。違う街で大学を出て会社員として働いていたものの、ある事情でどうしても会社を辞めざるを得なくなり、悩んでいるうちに小さな頃〈変な叔父さん〉として慕っていた仁太のところ〈喫茶ナイト〉にやってきます(仁太の姉が、望の母親です)。そこから、望の仁太叔父さんとの日々が始まりました。
◆なにしろこの〈円藤仁太〉、商店街で生まれて育ったものの〈謎の人物〉としても有名でした。放浪癖があり高校時代にふいっと学校を辞めて海外を放浪して、帰ってきたかと思うと祖父の遺した〈喫茶ナイト〉を受け継ぎ営業を始めたのです。放浪していた間のことは誰も何も知りません。さらに仁太の営業品目は〈夜中の相談事〉です。夜にならないと話せないような、他の人には聞かせられないような人生の重要な悩み事。それを仁太に持ち掛けてくる人はけっこうたくさんいるのです。「夜の町でしか泳げない人間もいる。そういう連中の面倒を多少見てやるだけさ」。そう言って仁太はニヤリと笑いますが、望も否応無しにそれに巻き込まれていきます。
◆もちろん今回も〈花咲小路商店街〉の皆は登場します。セイさんも、淳ちゃん刑事も、ミケさんも、花乃子さんも、めいちゃんも北斗も克巳も活躍します。楽しんでいただけたら嬉しいです。
◆なお、今回で一応一丁目から四丁目まで出ましたけど、この後も〈花咲小路シリーズ〉は続いていきます。次は何丁目のどんなお店が舞台になるか、お楽しみに。

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