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Diary

単行本新刊『明日は結婚式』が出ます。2021年07月03日

◆何日か湿度が高めの日が続く北海道我が家近辺。それでもずっと窓を開けていられる気温が続いて、今季初の蚊取り線香も焚いた。そんな日に届いたのは、今月中旬に発売予定の単行本新刊『明日は結婚式』(祥伝社)です。
◆もう還暦になった年寄りなのでいろんなことを忘れがちです。確か、この物語を書くことになったのは、担当編集が変わって新しい編集ガールさんに、次はどんな物語を書きましょうか、と打ち合わせしたときに、「テレビドラマにもなった『娘の結婚』(祥伝社)のような、結婚にまつわるお話はどうでしょうか!」と勢い込んで言われて「あ、じゃあそうしますか」といつもように軽く答えたのでした(大体僕の最初の打ち合わせはそんな感じです)。
◆さて、じゃあどんな結婚の物語にしようかと考えたときに、すぐに頭に浮かんできたのは〈結婚前夜〉という言葉でした。それがフックになって、すぐに登場人物たちの姿が浮かび上がってきました。まさしく結婚前夜の新婦側の家族、そして新郎側の家族。明日には親類関係となるその二つの家族のそれぞれの〈結婚式の前の夜〉を描いていけば、それはしっかりとした物語になるのではないか、と。
◆結婚経験のある皆さん、〈結婚式の前の夜〉はどんなふうに家族と過ごしましたか? 書き始める前に自分のことを思い出そうとしたのですが、なにひとつまったく浮かんできませんでした(^_^;)。それもそのはずで、僕の場合は結婚前に既に二人で暮らしていたので、家族とは過ごしていなかったのですよね。そして故郷には住んでいなかったので、むしろ父母たちが時間通りに札幌に来られるかなどという心配などしていました。
◆物語で結婚するのは、実家がパン屋さんを営んではいますが、本人は本の装幀デザインをしているデザイナーの新郎。そして実家はごく普通の会社員の家庭で、本人は信用金庫に勤める新婦です。新郎の職業こそ多少特殊ではありますが、ごくごく普通の一家に生まれた普通の二人です。それでも、家族たちにはそれぞれ人生のあり、それぞれの出会いと別れがあり、家族を築いてきました。大事な息子や、最愛の娘が結婚する前の夜。祖母や、祖父や、父や、母や、妹や、弟たちが、どんなふうに思い、どんなことを考えて結婚式に向かったのか。楽しんでいただけたら嬉しいです。

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