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Diary

はじめてのにゅういん2018年05月08日

◆晴れてはいるけれど少し風が冷たい。
◆TwitterとFBでお知らせしたように、入院してしまった。えーと4泊ですか。実は生まれて初めて、57年間の人生で初の入院でした。子供の付添で病院で一緒に寝たことはあるけれど、自分の病では本当に初めての入院。
◆心筋梗塞とお伝えしましたが、その後の検査で正確には〈心筋梗塞になりかけたけど運良く100%のそれにならないで済んでしまったから元気だけどヤバかったんだよ〉という状態だったようです。なので、倒れたりとか苦しさに悶えるとか一切なく、本人はいたって元気なままでドクターカーで運ばれてしまったので気恥ずかしいったらありません。救急車って思ったより乗り心地悪いですね。
◆以前から感じていた胸の痛みが、「あ、これは心臓の痛みだな」と気づき、狭心症の発作を疑って近所の循環器系の救急指定病院に行ったのです。そこで心電図を取ると、先生が慌てて「何故あなたが生きてるのかわからない」と言い出しました。どうも完璧に心筋梗塞を起こした人の心電図だったようです。でも、僕本人はもう痛みはとっくに過ぎ去り(そもそも苦しみ程の痛みではなかった。いやー何だかなと顔を顰める程度の痛み)いつも通りの体調だったのです。それで、札幌市内の専門病院のドクターカーが呼ばれてしまって担架で運ばれそのまま入院となったのですが、とにかく「絶対安静」と言われてトイレにも行けません。ベッドの上でできるのはゆっくりとした寝返りぐらい。でも本人はその後の胸の痛みなどはまったくなく、完全に元気。これはなかなか辛いものがありました。おしっこやう○ちはどうするんだと本当に困ってしまいました。かろうじて次の日には病室の目の前にあるトイレにだけは自分で行っていいとなりましたので、尿瓶は使ったものの、おむつをするという最悪の状況は避けることができました、マジでよかったヽ( ´ー`)ノ
◆枕とマットが合わなくて肩が凝るわ腰は痛いわで、翌日には妻に枕を自宅から持ってきてもらい、状況は改善。ゆっくり寝られるようになりました。枕ってマジ大事。病院の食事も、もともとそんなに食にこだわりもないので何でも美味しくいただきました。新連載の原稿が途中だったので、それだけは仕上げなきゃと急いで書きました。腰が痛いのでスタンドで。ベッドのあれ便利ですよね。テーブルになるやつ。高さが変えられるのでちょうどいいスタンドデスクになりました。腕に何本もチューブが繋がれているのでストレッチもできないので、立っているのはちょうどいい運動でした。
◆ドクターカーで運ばれたときに職業を訊かれたので正直に「小説家」と答えるとググられてあっという間に病院に知れ渡り、医者の先生方が僕に「小路先生! どうですか調子は」と訊いてくるので苦笑いしていました。本を持ってくるのでサインしてくださいという先生もヽ( ´ー`)ノ
◆結局〈心臓カテーテル検査〉というものをやりました。手首の動脈からワイヤーのようなものを入れて心臓付近の詰まった血管を膨らませ詰まらないように器具を入れたりするものです。こうして書くだけで恐ろしいものですが、それ自体に痛みはほとんどありません(局部麻酔あるしね)。問題は術後の手首付近の動脈からの出血を押さえる器具です。詳しくは語りませんがあれマジ痛いです。拷問の道具に使えるなと真剣に思って覚えておこうとメモしました。二日間ほど手首から上がほとんど動けなくなるので、僕が小説家であることを考慮して利き腕ではない左手首から施術してくれたのですが、キーボードなのでそれはあまり関係ありませんでしたすみませんドクターの皆様。
◆ふたつの病院の先生の話を総合して考えるに、どうやら僕は以前から軽い心筋梗塞めいたものを起こしていたようです。重要な血管や心臓の筋肉はそこそこなダメージを負っていたのですが、他のところがサポートしたりしてどうにかこうにかやりくりしていたんじゃないかと。それが今回は痛みの異常さに自分で気づいて、病院に行ったのでいろいろ発覚したと。そういうことのようです。映画や小説ではなじみがある〈ニトロを常に携帯する登場人物〉になってしまいました。
◆ただまぁ、別に病院嫌いでもないのですが先生のお話を聞いていろいろ考えるところはありました。その辺りはめんどくさくなるので先生の前でもここでもしませんけれど(^_^;)。
◆本当にお騒がせしてご迷惑をお掛けしました。復活したので原稿は多少遅れることはあっても書けます。お風呂に入れるのが明後日からだそうで、早く入りたいなぁと。
◆何よりも大きな問題は煙草です。今のところ、入院した日からずっと吸っていません。退院した今もまだ、です。さぁどうしましょうかヽ( ´ー`)ノ

ずっと愛し合ってるぜ2018年05月02日

◆曇り。夜には雨が降るとか。
◆いつもなら夜に更新するんだけど、今日は朝から更新してしまう。日本で最後に桜が咲く北海道。我が家の遅咲きの桜も満開になって少しずつ散り始めた。今年は咲くのは少し早かったみたいだ。今日は少し肌寒いので無理だけど、部屋の窓を全開にして外から聞こえてくる鳥の声や子供たちの声を聞きながら、外の風を感じながら執筆できる日ももうすぐだ。
◆清志郎さんが、北海道で桜が咲くこの日に長い長いツアーに出かけてしまってもう9年が過ぎてしまった。
◆今はどこら辺で唄っているのか。きっとあの頃のままで、変わらない声で唄っているんだろう。清志郎さんは58歳で行ってしまったけど、僕はこの春に57歳になった。来年になったら追いついてしまうんだな、とこの文章を書く前に気づいた。
◆僕たちはずっと清志郎さんの歌を唄いながら、今も愛し合っている。いつかまた清志郎さんの姿をステージで見られるときまで、向こうでのそのツアーに参加できるときまで、ぶっ飛ばしたりどかどかしたりエンジン全開したりしている。たとえこの世界がしょうもねぇ野郎たちのせいで争いに満ちてしまったとしても、清志郎さんの歌を唄ってきた僕たちだけはずっとずっと愛し合うつもりでいる。絶対にそうすると、毎年のこの日に思い出している。
◆一昨年、この時期に漫画家の吉野朔実さんも向こうに行ってしまった。57歳だったから、追いついたことになるんだ。吉野さんも向こうでまたマンガを描いていてくれているだろうか。もしも描いているのなら、絶対に読みたいから、その日までずっと書き続ける。僕はこんなのを書いていましたって持っていきたいから。
◆悪い予感の欠片もないからいつものようにキメてブッ飛ばそうぜ。

『ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン』発売です2018年04月26日

◆東京は暑い。
◆明日は三省堂有楽町店さんでサイン会があります。詳しくはこちらで。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。
◆前乗りで東京に来ているのでまだ見本を手にしていないのですが、単行本新刊『ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン』(集英社)が発売になっています。シリーズ第13弾になります。13年もひとつのシリーズを書き続けていられるなんて本当に凄いことで、この物語を愛してくれている皆さんのお蔭です。いつも言っていますが感謝しかありません。
◆今回のタイトル(タイトルといつも言ってますが実はサブタイトルなんです。タイトルはあくまでも〈東京バンドワゴン〉ですから)〈ヘイ・ジュード〉はもちろんご存知の通りビートルズの名曲です。ひょっとしたら今までのシリーズサブタイトルの中でもっとも短いものになったのではないでしょうか(^_^;)。ビートルズ関連の本を紐解くと、ジョン・レノンが離婚騒動のときに、息子ジュリアン・レノンに向けてメンバーが作った歌だとか。歌詞の内容も年長者が若者を励ますようなものになっています。これを、父から息子への歌と解釈することで、今回のタイトルに使おうと決めました。と、言いますのも、今までの〈本編〉の物語の流れの中で、父と息子の別れの時期が偶然二つも繋がったからなんです。全体的に、父と息子、男と男の物語が全面に出た感じになっています。〈別れ〉を扱っただけで、少ししんみりした静かな一冊になったのではないかと思います。この辺りのご挨拶はいつものように〈東京バンドワゴンシリーズ〉の公式サイトも併せて読んでいただければと思います。
◆13年も続けば当然皆は年を取っていきます。小学生だった花陽と研人も十代後半になってきましたし、紺も四十代です。なので、少し若返りを狙って新たな若きレギュラー登場人物も今回は増えます。だからと言って年寄りは静かに消えるわけでなく、また次回以降若い者にはまだ負けんとばかりに活躍する予定です。愉しんでいただければ嬉しいです。
◆〈ホームドラマ〉は家族がそこにいる限り、日々の暮らしが続いていきます。今回の物語も、そしてこれからも続くであろう堀田家の日々が、皆さんの生活の憩いになってくれればいいなと思います。どうぞよろしくお願いします。

空を見上げる古い歌を口ずさんでから15年の日々2018年04月22日

◆晴れ上がった気持ちの良い一日。
◆もうそろそろ暖房がいらなくなる(まだ夜は少し冷えるので点ける)。昼間は窓を全開しても寒くはない。あと一月もしたらずっと窓を開けていられるだろう。いい季節がやってくる。
◆15年前の2003年4月にデビュー作『空を見上げる古い歌を口ずさむ』(講談社)が出た。メフィスト賞を受賞した作品だ。それから丸15年経った今でも僕は専業作家として暮らしていられる。すべて、執筆依頼をしてくれる編集者さんと本を置いてくれる書店さん、購入してくれる読者の皆さんのお蔭だ。本当に感謝しかない。
◆デビュー作はまったく売れなかった。いろいろあって二作目『高く遠く空へ歌ううた』(講談社)が出たのも翌年だった。それも売れず、それでも「次はぜひうちで書いてください」と依頼してくれた編集さんのおかげで本を出すことはできたけれど、軒並みまったく売れないで二年が過ぎた。当然生活は苦しくて講師などをして凌いではいたけれども正直親子四人の暮らしは限界に来ていた。どこかの会社に正社員として就職し直さないと生活の建て直しはできないと考えていた三年目の春に『東京バンドワゴン』(集英社)が出た。ゲラの段階から評判は良かったのだけど、出版されて一週間もしないうちに重版が決まった。さらに一ヶ月もしないうちに三刷が決まり、その後も続々と重版がかかった。『本の雑誌』のベスト10に入ったりキノベスの3位に入ったりして、インタビューや何やらで忙しく東京に通う日が続いた。
◆そして同時に、それまでまったくなかった〈連載依頼〉が続々と舞い込んできた。今でも覚えているけれど、定宿にしたホテルのレストランに朝から晩まで僕は同じ席に座っていて、立て続けにやってくる編集さんと五本打ち合わせを連続でこなしたこともあった。その年に、ようやく専業作家としてやっていける年収になった。
◆小説家になりたいと思ったことは一度もなく、30歳の誕生日に「自分の作品を作りたいけれどミュージシャンにはなれない。ならば、小説家しかない。小説家になろう」と決めた。それから初めて小説を書き始めた。誰に教わることもなく、ただ〈書ける〉という自分の感覚に従って。それからずっと自分の感覚だけを信じてずっと書いている。性格なんだろうけど、試行錯誤はあまりしない。取材もほぼしたことがない。書き始めたら最後まで一気に書く。たとえば10ページ書いたけど全然ダメだ、と全部消して書き直すなんてこともほとんどしたことない。頭に描いたラストシーンまでの道筋をただひた走る。道は間違っていないという自分の感覚だけで。
◆デビュー前、新人賞の応募者だった僕のことを見てくれていた集英社のCさんが、最終選考で何度も落ちた僕に葉書をくれた。そこには『小路さんの作品は正しいです。間違っていません』とあった。その言葉を胸に書き続けた。そのCさんは『東京バンドワゴン』の最初の担当編集さんだ。Cさんがいなければ『東京バンドワゴン』は世に出なかった。重版が掛かり、その年の終りのあるパーティで顔を合わせたときに、思わず二人で抱き合ってしまった。「良かった。本当に良かった」とCさんは僕の背中を叩いてくれた。
◆今も、Cさんの言葉を胸に書き続けている。自分の書くこの物語の道筋は正しいんだと信じて。
◆いやぁ本当にね。15年も書き続けていられるなんて本当にありがたいです。前職の広告制作会社には14年在籍したので、〈小説家〉がいちばん長く続けている職業になりました。死ぬまで小説家でいると思います。
◆あ、でも喫茶店の頑固オヤジにもなりたいんですけどねヽ( ´ー`)ノ

『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴン』文庫です2018年04月19日

◆東京はいつ来ても暑いって毎回言ってますが、札幌も今日は20度になったとか。いいねぇ。
◆『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴン』が文庫になりました。〈東京バンドワゴンシリーズ〉としては第11弾、そしてシリーズ10周年を迎えた年の本になります。
◆10周年に出す本だったので担当編集さんと少し特別なことをしましょうかと話し合って、今までも実現していなかった勘一の〈海外ロケ〉(^_^;)を敢行しました。勘一の年齢からしても、これが本当にギリギリだったのではないかというタイミングです。どこへ行こうか考えた末にやはりここはイギリスの古本屋のメッカであるロンドン・チャーリングクロス街ではないか! と。堀田家はマードックがイギリス人ですし、何かとイギリスに縁がありますからね。どんな顛末の物語になったかはどうぞ本編で楽しんでいただけると嬉しいです。
◆この辺り、単行本で出た際のご挨拶はこちらの〈東京バンドワゴンシリーズ〉のサイトで見られますのでぜひどうぞ。
◆そして13冊目になる単行本『ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン』(集英社)は26日頃に発売予定です。文庫本も単行本もどうぞよろしくお願いします。
◆シリーズはこれからも続けていける予定になっています。仮に打ち切りになってもそのときにはきちんとした形で最終刊だけはしっかりと刊行できると思いますよ(^_^;)。
◆お伝えしているようにサイン会は27日に予定されていますが、それとは別に単行本はサイン本を作ります。どこの書店さんに入るかはちょっと僕はわからないんですが、もしもお近くの本屋さんに入りましたらこちらもよろしくです。
◆〈東京バンドワゴンシリーズ〉の話題の中に紛れてしまいますが『踊り子と探偵とパリを』(文春文庫)が5月10日に文庫化されます! 1920年代のパリを舞台にして恋と冒険とミステリーを歌と踊りで彩ります。大好きなミュージカルを物語にするつもりで書き上げました。お願いばかりになっちゃいますけど、本当にこちらもよろしくお願いしますね。

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