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Diary

不便さの風情を知る年寄りとしては2017年01月15日

◆晴れたり曇ったりだけど寒い日。
◆ここ何日かの寒波はこの冬最低を記録しているような気がする。我が家近辺でもマイナス18度という今季最低(当社比)を記録している。これぐらいの気温は小さい頃は何度もあったんだけど、最近は年に一回あるかないかだ。温暖化っていうのはよくはわからないけど、実感として確かに平均気温は上昇していると思う。
◆もう55歳というおっさんなので、暖房器具も薪ストーブ→石炭ストーブ→灯油ストーブ→灯油ファンヒーター→セントラルヒーティングとほぼ全ての種類を経験している。もちろん、アンカも湯たんぽも。そうそう、実はコタツって北海道は普及率が低いのだ。何せストーブをガンガン焚いて部屋を暖めるからね。コタツそんなに使わないんだよ。
◆ほぼ二十年前に家を建ててからは暖房はセントラルヒーティングだ。各部屋にパネルヒーターがあってそれが暖められている。つまり、家中どこに行ってもほぼ同じ室温。これは便利なようでいて、ちょっと不便だ。というのも北海道では冬の間、ストーブがない部屋はちょうどいい冷蔵庫ぐらいの室温になる。なのでじゃがいもとかそういう野菜を置いておくのに非常に便利なのだ。酒を飲む人はビールなんてのも。妻もこの家を新築して入居したとき冬になると「野菜がどこにも置けない……」と嘆いていた。
◆昔の薪ストーブ・石炭ストーブ・灯油ストーブは上にヤカンを載せておくとお湯が沸いた。煮物なんかも置いておくと調理ができた。薪ストーブや石炭ストーブのときは焼き芋を作ったこともある。金だらいを載せておけば加湿器にもなった。今はそれはまったくできない。まぁ調理器具はいっぱいあるからいいんだけど、昔の風情を知っている身としては少し淋しく思うこともある。
◆何といっても、セントラルヒーティングは火が見えない。人間は薪や石炭が燃えているのを見ていると、落ち着くのだ。寒い外から帰ってきて冷えた身体を暖かい火が見えるストーブの前で暖めるとホッとした。今はそういうのがない。家の中に入っても「おー、寒い寒い」と手をかざすところがないのだ。
◆まぁでも便利で快適だからこれでいい。今更いちいち薪や石炭やくべたりする不便さに戻ろうとは思わない。その不便さの風情を知っている年寄りとして懐かしがるだけでいい。

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