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Diary

嘘つき小ちゃん2016年02月10日

◆雪が降ったり止んだりだったが雪かきをするまでもない積雪。spector007
◆専門学校や大学で〈創作論〉みたいなことを教えたことがある。前職がプランナーだったし、喋るのは得意なので講義内容をまとめておもしろおかしく話すことは簡単にできちゃう。こうすれば小説は書ける、なんていうのも教えられる。ただ、本当のところでは僕はそういうのに向いていないなぁと思っている。何故なら、僕は最初から〈物語〉がすんなり書けた人間だから。つまり、書くためのノウハウなんてものを考えたことも悩んだこともない。書こうと思ったら最初から最後まで素直に書けた。
◆どうして書けたんだろう、というのを根っこから考えてみると思い当たるものはひとつしかない。僕は嘘をつくのが上手な子供だった。もちろん、大人は子供の嘘なんかすぐに見破る。悪い嘘は怒られて叩かれて終わりだろうけど、僕は父や母を楽しませたくて嘘を、物語を作って喋っていた子供だったことを覚えている。どんな内容の嘘だったか何てもう覚えてはいないけれども、観たり読んだりしたマンガやアニメやテレビや絵本を参考にした作り話だったような気がする。荒唐無稽な嘘を布団の中で僕は寝かしつけようとしていた父や母に延々と語っていた。つまり、僕は幼稚園に入る前からもう自分で物語を作っていたんだ。資質ってやつなんだろう。そういえば幼稚園でも同じクラスの友達に延々と嘘話をしていた覚えもある。
◆どこかで道を誤ったら僕は詐欺師とかペテン師とかあるいは女をだまくらかしているヒモとかになっていたかもしれないと思う。そうならなかったのも、たぶん物語のおかげだ。悪いことをしたらバチが当たるとか、正義は勝つ、という類いのものを僕はずっと楽しんできたからだ。
◆でも、世の中には殺しちまった方がいい奴もたくさんいる。殺人許可証を持つショーン・コネリー演じる007も本当に大好きで、小学生の頃に父にせがんで映画館へ足を運んだものだ。
◆殺し屋の物語もいつか書きたいんだ。

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