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Diary

アラバマ物語とヒーロー2016年01月10日

◆晴れたり曇ったり。夜になって猛吹雪。tokilla
◆今年は今のところマジで雪が少ない。このままだと記録を作りそうなほどに少ないのだが雪国の人は知っている。いつか必ず冬の野郎は帳尻を合わせてくることを。できればちまちまと降ってくれ。お願いだからドカッと来ないで。
◆疲れているときにふっと「あぁ映画が観たいなぁ」と思ってまだ観ていないDVDの棚を眺めていると、つい手に取ってしまうのは何も考えなくていい派手なハリウッド映画になりがち。重たい内容の映画や静かに染み入るような物語はやはり精神的にも良い状態のときに観ないと入ってこない。
◆この名作もそうだと思う。『アラバマ物語』。アメリカに巣くう差別の問題を描く物語だ。何かのデータで、アメリカ人が〈ヒーロー〉の1位に選んだのがこの映画の主人公、差別に立ち向かう弁護士のフィンチだという。名優グレゴリー・ペックが演じている。そういう人をヒーローの1位に選ぶところにアメリカの懐の深さと同時に、問題の根深さを示しているようにも思う。
◆僕も、〈ヒーロー〉を描きたいといつも思っている。幼い頃から彼らはすぐそこ、テレビや映画やマンガや小説の中にいて、その活躍にわくわくして胸を躍らせて育ってきたのだ。彼らに憧れて彼らのようになりたいとずっと思っていた。ひょっとしたら、今も思っている。
◆ただ、〈ヒーロー〉が活躍しなければならないということは、そこにはいつも相反する悪や憎しみや悲しみに彩られた〈何か〉があるということだ。言うまでもなく、光と影は背中合わせ。影がなければ、ヒーローも存在し得ない。光が強過ぎても人々はその眩しさに眼を閉じてしまう。
◆永遠のテーマなんだろうな。

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