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Diary

あしながおじさん2015年12月12日

◆晴れたり曇ったり。ashinagaojisan
◆子供の頃から読書好きで名作と呼ばれるものは一通りは読んできた。僕は江戸川乱歩から読書の世界に入ったのでミステリーが中心ではあったものの、その後は純文学から児童文学から大衆小説ととにかく読みあさってきた。中学生のときに呼んだ大江健三郎さんの『性的人間』などほとんど内容は覚えていないがとにかく読んだ記憶はある。タイトルからして中学生男子が読みそうではないかヽ( ´ー`)ノ
◆でも児童文学の傑作との誉れ高いジーン・ウェブスターの『あしながおじさん』は読んでいなかったのだ。何故読まなかったのかはもちろん覚えていないけど、読まなかった。そしてあまりにも有名な物語のためにその内容はもうほとんど知っている。
◆最近ふとそれが気になって気になって仕方がなくなってきて、購入して読んだ。なるほど、細部はこういう物語だったのかと満足して本を閉じた。生き生きと綴られる当時の女学生の暮らしぶりとユーモアとアイロニーに溢れた文体は確かに時代を越える名作だなと確認できて嬉しかった。あと挿絵が実に味があっていい。
◆実は他にも、児童文学ではないけれど名作と呼ばれる物語で読んでいないものがある。サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』だ。いやー海外文学で育ったとかインタビューで答えていながらどうしてこれを読んでいないのかと言われれば面目ない。本はあるんだ。家の本棚に確か三冊か四冊ぐらい版の違うものがある。あるんだけど、何かタイミングを逃してしまって全部読めていない。ちらっとは読んだんだ。何かこう、バイオリズムみたいなものが合わなかったんだろうね。今読んではこの名作が自分にとっては駄作になってしまうかもしれないと本能が叫んだんだろう。この年になるとさすがにもう読めないかもしれないなぁとも思う。
◆でも、いつか読めるだろうと手元に置いたままにしておく名作があるというのも楽しい話じゃないか、とも思う。

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