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Diary

『港湾ニュース』という本2015年11月01日

◆晴れたり曇ったり。穏やかな天候。shipping
◆あんなに素晴らしい本なのにどうして今は手に入らないんだろう、という本は山ほどある。もちろん素晴らしいというのは僕の感想だから他の人にとっては大したこともない、なんてことはない! 本当に素晴らしい物語ばかりなのだ。そうしてそういう小説はおしなべて装幀も素晴らしい(中には物語は素晴らしいのに何だこの装幀はちょっと編集者と装幀家ここに座れいいから座れ小一時間ry、というものもあるのだが)。
◆写真のE・アニー・プルーの『港湾ニュース』もそうだ。この装幀を本屋さんで見た瞬間に(写真は古本になってしまっているので少しよれているが)やられた。迷わず手に取って買った。そして読んで打ちのめされた。なんて豊潤で香り高く素晴らしい物語なんだろうと。実はケヴィン・スペイシーとジュリアン・ムーアで映画化もされているのでそちらをご覧になった人もいるかもしれない。映画も中々(かなり)良かったけれども、やはり原作の持つ豊潤さは表現し切れなかった。この本が今は古本屋でしか手に入らない。もし見かけたら絶対に買って読んだ方がいい。損はさせない。
◆それにしてもこうやって改めて見てもいい装幀だ。近頃の(というかここ十年ぐらい)単行本の装幀はある傾向に偏り過ぎだと思う。それが何かは長くなるから書かないけれども見識ある方ならわかってくれると思う。もちろん装幀とはデザインであり、時代を映す鏡のひとつであるから傾向が出て当然なのだけど、擦り寄り過ぎるのもどうかと思う。物語の本質をきっちり捉えそれを二倍にも十倍にもカッコよくさせる〈絵になる〉ものであってほしい。
◆あ、いや拙著の装幀に文句を言ってるわけじゃないですからね! 違いますよ! いつも本当にありがとうございます装画の皆さん、装幀家の皆さん!

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