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Diary

その日の様子です2018年09月07日

◆晴れ。夜になって急に涼しくなってくる。
◆〈北海道胆振東部地震〉と名付けられたようです。その日の夜は台風が通り過ぎ(大した被害もなく)いつも通り締切りに追われて原稿を書いていました。翌日の朝には送らなきゃならなかったんですけど午前2:30ぐらいにもうダメで「後は起きてから仕上げよう……」と眠りに就きました。実質一時間も寝ていなかったと思います。記憶では緊急地震速報と同時に突き上げた後に激しい左右揺れが来ました。僕の部屋で何かが落ちた音が聞こえ、起き上がって安全確認の行動をしようと思ったけど、余りに激しい揺れに立てず動けず何も倒れてこない位置(寝室の真ん中がそうです)に妻と二人でじっとしているのが精一杯でした。けれども、その揺れもおそらくは一分も続かなかったと思います。収まると同時にラジオを点け、スマホを確認します。
「でかいな」
◆すぐさまパジャマから外に出られる服に着替え持ち出す貴重品をバッグに入れ玄関に置き、テレビを点けました。その時点では停電はしていませんでした。部屋を確認すると本がなだれを起こしていたり移動式本棚が動いていたりはしましたけど、大きな被害はありません。水も出ていました。懐中電灯を持って外の被害を確認するために出ようとしたとき、停電になりました。そのままプロパンガスや灯油タンクの点検をして見た目には問題ないこと、灯油やガスの匂いなども周囲からしないことを確認して戻ると、妻は飲料水をいろんなものに溜めていました。
◆あたりまえですけど余震が続いていたのでもう寝ることもできません。ラジオからの情報を聞きながら、防災グッズから手回し充電できるラジオやライトや飲料水袋などを出します。電池も揃えました。妻は冷蔵庫の氷を袋に詰めて冷蔵庫に入れ直していました。それで冷蔵庫の中が冷えるそうです。二人ともスマホの充電が半分ぐらいになっていたので、まずはこれを何とかしようと、夜が明け出すのを待って車に乗りエンジンをかけ、専用ケーブルで充電しました。その間車のカーナビテレビで情報を集めながら同時に持ち込んだラジオも聴いていました。思った以上に大きな地震に驚いていました。充電完了したところで家に戻り、念のためにお風呂の残り湯を使いトイレの準備をします。流せるようにバケツに水を汲んでおくのです。顔を洗い、ガスが使えるのでお湯を沸かしコーヒーを入れて朝ご飯。「とりあえず水が出るしガスもあるしなんとかなるか」と話していたら、そこで断水になりました。
◆後はもう、復旧を待つしかありません。夜が開けたことや朝食を食べたことで気持ちが少し落ち着き、僕はあげなきゃならない原稿をMacBook Proをバッテリー駆動させて書き、上がったらモバイルルーターを起動させてメールで送ります。妻は、息子や、母や、姉や、あちこちに電話やLINEで生存確認や安全確認をします。一通り終わるとすることがありません。原稿を書くにはMacBook Proのバッテリーがもたないからです。何が起こるかわからないので、最後までバッテリー切れは避けたかったのです。この時期で良かったです。何たって気温が高く外でぼーっとするのが気持ちよいのですから。何もすることがないのでひたすら手回し充電のラジオを回して情報収集していました。玄関の階段に座って煙草を吸い、お隣さんやお向かいさんたちと「大丈夫だった?」と話し合い元気づけあい、暗くなる前に晩ご飯を食べます。洗い物もできないのでそのままにして、暗くなったら妻と二人で順番で手回し充電でライトを点けラジオを聴いていました。このまま電気も水道も復旧しないようなら、一人暮らしの義母が心配なのでそちらに移動しようか、などと話していました。夜の八時過ぎだったでしょうか。水道を確認すると少し水が出ました。「おっ」と思いサイトで確認すると、間もなく復旧の情報が確認でき、その後一時間もしないうちに水がほぼ通常通りに出だしました。
「これなら何とかなるかな」
◆水道の確保ができるなら、ガスは生きているのでご飯を普通に作れます。電気を我慢すればいいだけです。人間顔を洗って水が飲めてご飯を食べれれば元気が出ます。良かった良かったと言い合い、また手回し充電ライトとラジオをずっと妻と二人で回して充電しながら聴いていて、僕は「原稿どうしようかなー。このまま休むかなー、書けないしなー、理由になるなー」などと不埒な考えを起こしたときです。軽い電子音がして電気が点きました。
「やったー! ほくでんさんありがとう!」
◆日常生活では日ハムの野球を観に行って点が入ったときにしかしないハイタッチを妻としました。
◆そこから先は、節電と節水を確認して後片づけです。幸い冷蔵庫の中身はほぼ無事でした。緊急持ち出しカバンや手回しラジオなどは念のためにそのまま置いておきます(今も置いてあります)。お風呂は節約のために今夜に回しました。いつも通りの夜になり、原稿を書けると思ったものの、さすがに一時間ちょっとの睡眠しかとれていなかったので早めに就寝しました。余震は続いていたものの、大きなものは一度か二度ぐらいでした。
◆何より役に立ったのは手回し充電のラジオとライトです。何もできないのでぐるぐる回していることが暇つぶしにもちょっとしたエクササイズにも(^_^;)なります。僕はハンドルぐるぐる回しながらスクワットなんかしていました。ただ、少し古い型だったのでスマホの充電ができなかったんですよね。車でできたけど、それも手回しラジオやライトで充電できたら本当に助かると思いました。スマホの充電機器が新しくなる度にそれも買い替えた方がいいですね。
◆細かな情報が得られるラジオ放送にも本当に救われました。自分たちも大変なのにずっと放送してくれているラジオ局スタッフの皆さんに感謝です。
◆何よりも、慌てないことと普段の準備が本当に肝心だと思いました。用意してあった防災グッズが役立ちました。普段から車のガソリンは常に満タン近くまで入れておくことを心がけていたのでこれも助かりました。お風呂の残り湯も(毎日入りますが)ギリギリまで取っておいているのでこれも使えました。食べ物も米さえあれば何とかなる、と思えば慌てて買いにいかなくても大丈夫です。
◆北海道はまだ停電が続いているところも多いです。そして関西方面で台風の被害に遭われた方々もまだたくさんいらっしゃいます。がんばりましょう。そして、天災の多い国に住んでいるのですから、普段から準備して、いざというときには困ったときにはお互い様という気持ちで助け合いましょう。

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