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Diary

手縫いの雑巾で、新しい部屋の床を拭いた2018年03月01日

◆大荒れの北海道。
◆我が家近辺はまだ比較的穏やかだけど、とにかく雪が重い。今晩除雪車なんか来たものなら明日の朝にはガチガチに凍った雪塊ではなく氷塊が玄関先に並ぶことは確実。あぁ気が重い。
◆弥生、三月だ。弥生、という言葉にはいろいろ思いがあるのだがそれは酒飲みながら話すようなことなのでここには書かないけど、以前はその言葉を使った歌もよくあったのだけど最近はどうなんだろう。
◆卒業式のところも多かったらしい。僕は諸事情で卒業というものをあまりしていないのだけど(^_^;)、三月四月は新しい生活へと入っていく時期だ。期待と不安とが入り交じるその心持ちも、この年になるともうただひたすら懐かしい思い出の中だ。
◆早い頃から家を出たくてしょうがなかった人間なので、一人暮らしを始めたときは本当に嬉しかった。わくわくしていた。期待しかなかった。まぁ予備校生という遊んでいられない状況で始めた初めての一人暮らしだったんだけど、遊んでいたねヽ( ´ー`)ノ
◆一人暮らしをして初めて親のありがたみがわかるというけれど、風邪を引いて寝込んだときにはそれを実感した。何せ、世話をしてくれる人が誰もいないのだ。何をするにしても一人。幸い、アパートだったんだけど隣りには大家さんである老夫婦が住んでいて、たまたま僕が寝込んでいるのを発見してくれておばあちゃんがお粥を作ってくれたりしてくれた。本当にありがたくて全快した際にはお菓子を買ってお礼に行った。大家さんの老夫婦は予備校生である僕を何かと気に掛けてくれて、ときには晩ご飯に呼んでくれたりした。そのアパートを出ることを告げにいったときに、おばあちゃんは次の部屋の家賃を訊いてきた。三倍近い家賃のマンションに引っ越すことになっていたんだけど、その金額を告げたときにおばあちゃんはにっこり微笑んだ。「いい暮らしをしようと思うことは、大事よ。頑張ってね」。そう言って、引っ越しの日には手縫いの新品の雑巾をたくさんくれた。その手縫いの雑巾で、新しい部屋の床を拭いた。次の部屋に引っ越すときまでずっとその雑巾は使っていた。
◆新しい日々は、新しい出会いの始まりだ。

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