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Diary

家族はつらいよ2015年12月09日

◆晴れたり曇ったり。kazokuhaturaiyo
◆明日からしばらく気温が高いとか。まぁこの時期まで来たら雪はさっさと積もってくれてもいいんだけどね。
◆ノベライズをした山田洋次監督作品『家族はつらいよ』(講談社文庫)の見本が届きました。デビューさせてもらった版元さんなのに講談社さんから文庫本を出すのはすっごい久しぶりですヽ( ´ー`)ノ
◆この映画は山田洋次監督が映画『東京家族』のキャストをそのまま使って、『男はつらいよ』以降に初めて撮った喜劇です。それで、タイトルも『家族はつらいよ』なんでしょうね。編集さんから「ノベライズをぜひ」と話があったときに、名監督である山田洋次監督作品に、たとえノベライズの形でも関われるのならとお受けしました。映画は来年の3月公開ですが、このノベライズは一足先に出ることになりました。
◆物語は、文字通り家族に巻き起こる〈離婚〉と〈結婚〉の喜劇です。内容に関しては本を読んでいただくか、来年に映画を観ていただくかの楽しみにさせていただきますね。キャストは帯で紹介されていますから、顔を思い浮かべながら読むのも一興かと思います。また、同じ配役の『東京家族』を先に観ておくと、そのギャップに笑いが増えるかもしれません。
◆一応〈作・小路幸也〉となってはいますが、映画の脚本以上の物語を僕が作ったわけではありません。ただ、脚本を小説化する際にどうしても必要な、登場人物たちの個性や背景という部分に少しばかり味付けし直して、そして映像化するための流れを、小説としての流れにするために盛りつけをし直しただけです(もちろん、完成している映画の流れを決して壊さないように)。
◆配役が決まっているのでいわゆる〈当て書き〉になりますから、自分の書いている文章で俳優さんたちが喋っているのを想像するのは楽しかったですね。小説としては短い作品になっていますから、気軽に楽しんでいただけると思います。どうぞよろしくお願いします。そして来年公開の映画もお楽しみに。

サイン2015年12月07日

◆雪が降る。積雪10センチほど。軽く雪かき。shojis
◆ここを読んでくれている方々は多分僕の本を読んでくれている方々だろうとは思い、その中には僕のサイン本を所有している方もいらっしゃるのではないか。写真がそのサインだ。いや本当に味も素っ気もないサインで申し訳ないなといつも思う。イラストは下手くそなので無理なのだが、ハンコとかそういうものを造ってもいいのになぁと思うのだがいつも思って終わってしまう。
◆さらに申し訳ない話をするとこのサイン、中学生のときに作ったサインなのだ。いや本当にお恥ずかしい。あの頃、同じクラスの仲良し三人でフォークグループを結成した。結成したと言っても文化祭のみのグループだったのだが、教室のステージで三人並んでギター抱えて歌ったのだ。僕と同じくフォークギターを抱えたOくんは今は医者だ(確か研究職のはずだ)。ギターは弾けなかったけど歌が上手かったTくんは今は学校の先生だ。教頭ぐらいにはなっているだろうか(そう考えると将来の作家と教師と医者が並んでいたわけか。おもしろいではないか)。で、そのグループを結成したときにサインなんかも考えたのだ。高校に進んでバンド活動を本格化させた僕は(OくんとTくんはそういう方面には進まなかった)将来ゼッタイにミュージシャンになってやると思い、いつかやってくるであろう日々のためにこのサインを完成させたのだ。
◆どうしてナナメってるの? と疑問に思われた方もいるのではないか。そう、実はこのサイン、LPにどどんとサインするためにこういうナナメにしたのですよ(あぁ恥ずかしいヽ( ´ー`)ノ)。
◆まさかそれから三十数年後にレコードやCDにではなく自分の本にこのサインをするとは思いもしなかった。人生って本当に何が起こるかわからないものだ。

マッドでクレイジーなヒトサライ2015年12月02日

◆晴れたり曇ったり。hitosarai
◆気温が少し上がっている。何でも明日はかなり上がるとか。少しだけ積もった雪もまた融けるのだろう。いつも根雪になるのはもう少し先の話だ。それまでは道路のぐちゃぐちゃを覚悟しなきゃならない。
◆僕にとって音楽はMUSICはやはり特別なもので、人生に欠かせないものになっている。音楽がなかったらたぶん生きていくのが嫌になっているだろう。小説を読むとの音楽を聴くこと、どちらかを禁止しなきゃならない世界になったとしたら、たぶん僕は音楽を選ぶだろう。
◆作家になってプロのミュージシャンの方々と知り合いになれた。それもそうそうたる人たちだ。訊きたかったことが山ほどあって実際に訊いてみたんだけど、まぁその辺はここで書くようなことではない。ただ、やっぱり、あたりまえなんだけど、皆さん基本は〈ただの音楽好き〉ってことだ。それもただの好きじゃない。言葉は悪いけど音楽バカなんだ。狂ってる。マッドでクレイジーだ。そうじゃなきゃ人の心に突き刺さるものなんか作れないんだろうと思う。じゃあマッドでクレイジーな連中が全員ミュージシャンとして人生を全うできるかというと、そんなことはない。その辺は小説家と同じだ。生き残れるか残れないかは、極論してしまうと稼げるか稼げないかになるけれども、そこのレンジは小説家よりミュージシャンの方が広いかもしれない。なんたってミュージシャンはライブができるからね。小説家もライブできないかなぁ(できません)。
◆と、ここまで書いて小説の方でもそのマッドでクレイジーな部分の〈ある視点〉を思いついたんだがそれは長くなるので後日にしよう。
◆写真は知り合いになれたミュージシャン、バービーボーイズのイマサさんこと、いまみちともたかの新しいバンド〈ヒトサライ〉の1stアルバム〈director’s cut〉。一言で言えば、ソリッドだ。そのくせ思いっきりしなやかに曲がっていって素知らぬ顔をして戻っていく。イマサさんのギターはバービーボーイズのときと何ら変わらない。カッコいいッスよイマサさん。

水木しげる先生2015年12月01日

◆雪。湿った雪で雪かきが思いやられたけどそんなには積もらなかった。gegege
◆水木しげる先生の訃報が日本中を駆け巡った。もちろん僕は知り合いでもないし弟子筋でもない。でも、幼い頃からずっと水木しげる先生が産み出した妖怪たちと遊んできた。調べてみると僕が最初に水木先生の漫画に接したのは4歳ぐらいの頃らしい。はっきりと覚えているのは5歳の頃のテレビドラマ『悪魔くん』だ。これはもうトラウマレベルで(^_^;)、刻みつけられている。長じて百貨店の広告制作をやっていた頃、夜中の百貨店のマネキンが怖くて怖くてヽ( ´ー`)ノ。そしておそらく〈少年マガジン〉だったと思うのだが、描かれた妖怪たちにも夢中になった。中でもお風呂を嘗めるという〈妖怪あかなめ〉は、当時の社宅のお風呂が昔の木の桶の風呂だったこともあって、「ゼッタイ家にもいる!」と思い込んでいた。
◆当時はまだ蛍光灯が普及していなかった。家の中の明かりはほとんどが裸電球に傘ばかりだった。それはつまり部屋の隅に〈暗がり〉を作り出していた。〈日常に潜む闇〉だ。今は夜中でも家の中に闇などなかったが、当時はあったのだ。そしてそこに〈妖怪たち〉は確かに存在した、と、子供である僕たちは思っていた。信じていた。そして、本当に見えていたかもしれない。
◆それが良かったのかどうかはわからない。ただ、その頃に子供時代を過ごした僕たちは間違いなく日常の中に水木先生が呼び出してくれた妖怪たちの存在を感じて、大きくなっていったのは間違いない事実。
◆鬼太郎たちのお蔭で僕は〈闇〉を怖がることができる人間に育った。僕は、感謝している。きっと同年代の人たちはほとんどがそう思っているはずだ。
◆水木しげる先生は旅立ってしまったけれど、鬼太郎たちはずっとここにいてくれる。
◆ありがとうございました。どうぞ、そちらでゆっくりとまた楽しんでください。いつかそちらでお会いできることを願っています。

旅者の歌 魂の地より2015年11月27日

◆大荒れになるとか北海道。まぁ冬になるってのはそういうものだ。ryosyatamashiib
◆11月11日の日記で変則的な発刊になってしまった詳細をお知らせしましたが、『旅者の歌 魂の地より』(幻冬舎文庫)の見本が届きました。写真ではわかりませんが、小路史上最厚の文庫です。一瞬「京極さんか!」と思ってしまったほどですヽ( ´ー`)ノ(大げさです)。
◆もう一度お知らせしますが、2巻目『旅者の歌 中途の王』の文庫に3巻目も同時収録しています。タイトルも『旅者の歌 魂の地より』と変更しました。前半は既に単行本で出ている『旅者の歌 中途の王』と同じ内容です。そして後半はまだ紙の本では未発売だった『旅者の歌3』が収録されています。私の力不足で、既に既刊本を購入されている方にはご迷惑をお掛けします。
◆この文庫の発刊を持って『旅者の歌』シリーズは一応の完結を見ます。読まれた方は「ここでか!」と思われるかもしれません。でも決して急いで終わらせたわけではなく、最初から全三巻の予定で始めたものなので一応は予定通りなのです(ま、ぶっちゃけ売れたらどんどん続けようとは思っていたのですがヽ( ´ー`)ノ)。
◆設定としては、この後もいくらでも物語を紡ぐことはできるようになっています。構想では何となくですが、10巻ぐらいは書けそうな気もします。収録したシィフルのある世界の地図もまだほんの一部です。世界の地図を作り上げる宿命を背負った〈リョシャ〉はこれからも〈ジェイラ〉〈トゥール〉〈ティアラ〉そしてその他の仲間たちと旅を続けますが、ひとまずはここで終了です。
◆どファンタジーを書いてみたい、ということで始まったこの『旅者の歌』シリーズ。登場人物たちの素晴らしいイラストを描いてくださった加藤木さんのお蔭で、僕の中でも彼らの姿がいつまでも残りそうな気がしています。もしも、もしもこの後のリョシャたちの旅も書けるようになりましたら、真っ先にここでお伝えします。
◆リョシャたちの歌がどのような結末を迎え、そしてそこからどのようにまた旅立つのか。楽しんでいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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