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Diary

東京であれこれと2016年11月19日

◆東京も札幌もさほど体感気温は変わらない日。singstreet
◆集英社さんのパーティに引っかけて、各出版社の担当編集さんと諸々の打ち合わせをするために東京に四日間。いつもの定宿が取れなかったので、ちょっと不便だったかな。
◆集英社さん、KADOKAWAさん、幻冬舎さん、中央公論新社さん、キノブックスさんお疲れ様でしたごちそうさまでした。そしてパーティでお会いした徳間書店さん、文藝春秋さん、祥伝社さん、PHPさん、実業之日本社さん、河出書房新社さん、お疲れ様でした(誰か忘れてませんよね?)。
◆作家さんでは、初めましての渡辺優さん、天野純希さん。お久しぶりですと、荻原浩さん、関口尚さん、山本幸久さん、矢野隆さん、畠中恵さん。ライターの吉田伸子さんや大森望さんなど(本当に誰か忘れていたらごめんなさい)。
◆同じ五十代の山本幸久さんや荻原浩さんとは主に年老いた親の話や子供の話。作家でも年寄りの間の話題は同じです。小説の話なんかしませんヽ( ´ー`)ノ
◆でも荻原さんとは少し、物語と小説の違いについての話を、二次会で二人で煙草を吸いながらこそこそと。あまり詳しくここで書いてしまうと差し障りがあるので以下略(^_^;)。まぁ二人とも広告屋出身なので、ならではの視点かもってことで。
◆煙草といえば作家でも実は喫煙者はどんどん少なくなっていて、そして肩身の狭い思いをしている。元々吸わない人も多くなってるので、以前は広いパーティ会場といえどほぼ全面的に煙草の煙があがっていたんだけど、今はむしろ少ない。喫煙する人はここでだけ吸ってねとスペースを確保されるなんてこともある。まぁしょうがない。なるべく皆様の邪魔にならないように大人しくしている。
◆執筆依頼もいろいろ受けた。皆さんがあっと驚くような、とんでもなく楽しい(僕がね)小説も書けそうな雰囲気もある。はりきって書かねば。
◆もちろんその前に年末締切りに向けての執筆。
◆書くよ。

皆がほんの少し幸せになれるような2016年11月16日

◆東京は穏やかな天候。brutusbook
◆何でも故郷旭川では20年ぶりの大雪だとか。三十数センチとかニュースで言っていたので、確かにこの時期に積もる量の雪じゃないね。今年はどんな冬になるのかなぁ。
◆主に打ち合わせのために東京に来ている。何かきっかけがないとなかなか家を出る気になれないのでたいていは何かの受賞パーティの前に来て、そうして「そろそろ会って次の作品の打ち合わせしませんか」と言ってくれる編集さんと会って軽く打ち合わせをする。作家さんによって書き方は人それぞれだけど、僕の場合はだいたい一度会って「こんな感じ?」とその場で話して「それで行きましょう!」となると、後は頑張ります、というパターンだ。
◆編集さんは会社員であって出版社の利益のために僕の小説を出そうとしている。もちろん、僕の小説を好きだと思ってくれている部分も大きいだろうけど(そうだよね?ヽ( ´ー`)ノ)、実際問題利益を出さなければ上から「小路の本はもう出せん」と言われるわけだ。だから、担当編集さんのためにも売れる作品を書きたいとはいつも考えるけど、自分が面白そうだと思わないと書けないのも事実。
◆できれば、売れてほしい。それが本音だ。でも、金持ちになりたいわけじゃない。いい暮らしをしたいわけじゃない。自分が好きで書いた小説を、編集さんが気に入ってくれて、出版社が出してくれて、本屋さんに並んで、読者の方がおもしろいと買ってくれて、そしてたくさん売れてくれれば、皆が幸せになれるんだ。小説家、編集さん、出版社、書店、読者。全員が幸せになれる。だから、ベストセラーを常に生み出す作家さんを僕はそういう意味で尊敬する。
◆自分もそうあればベストだとは思うが、そうではない部分ももちろんある。
◆編集さんが書店員さんが読者の方が「この人の本はいいよね」と、言ってくれればそれだけでも充分ではある。もちろん、三度の飯が食えるぐらいの売り上げがあっての話だが。
◆居心地の良い本屋さんがあるように、皆がほんの少し幸せになれるような作品を書ける作家で有り続けられれば、それでいいとも思う。心底そう思ってる。

人生の喜びにも悲しみにもいつもそこには花はある2016年11月12日

◆晴れたり曇ったりの落ち着いた天候。sting57a
◆花屋さんでバイトをしたことがある(まぁもう二十年この日記を書いているのでこの話もたぶん十回ぐらいしてるのだが)。二十二、三の頃だ。自慢ではないが僕はろくでなしではあるけれど仕事をさせれば真面目な働き者でしかも人当たりも良いので「辞めます」と言ったときには社長と専務にマジで引き止められた。正社員になってくれと懇願された。正社員どころか店長をやってくれとまで言われたもんだ(ハイ年寄りの昔自慢はここまで)。その体験は花屋さんを舞台にした『花咲小路二丁目の花乃子さん』などなどで生かされて本当に人間何でもやっておけば後で役に立つもんですよ。
◆とにかく楽しかった。お花を配達して嫌な思いをする人なんかほとんどいない。「配達でーす」と扉を開けて花束なり観葉植物を見せると本当に皆が笑顔になってくれる。毎日他人の笑顔を見られるのならこの仕事も悪くないなと本気で考えたものだ。
◆ただ、花の配達をしていて一回だけとんでもない修羅場に出会したことがある。大きな花束を届けてほしいという注文が来た。注文主は若い女性。添えたカードは〈お誕生日おめでとう〉で、贈る相手は男性の名前だった。小路青年は「恋人同士だろう」と思って配達に向かうとそこは大きな分譲マンションだった。ちょっと不安を覚えてピンポンと鳴らしてドアが開いて出てきたのは、いかにも〈奥さん〉だった。(あ、これはヤバい)と感じたけどどうしようもない。「○○様からご主人に花束です」。その瞬間に〈奥さん〉の表情が変わった。旦那さんを呼ぶ声に棘があった。小さな女の子が出てきて「お花!」と喜んだけど奥さんは子供を引っ張って奥に引っ込んだ。出てきた旦那さんは、何というか、悲壮な顔をしていた。
◆今ならそこにあったドラマを五通りぐらい短編にできるが、いやもうマジでいたたまれなかったっスね。小路青年は(気をつけよう)と心に誓いましたよ。
◆でも、それ以外は本当に楽しいアルバイトだった(まぁ配達の三分の一はお葬式だったんだけど)、人生の喜びにも悲しみにもいつもそこには花はある。若い人たちは、花を贈る、というのをやってみるのも人生を豊かにするアイテムだと思うよ。

かつて飛行船や飛行機が世界に夢を見せたように2016年11月09日

◆晴れ後少し雪。startrek
◆大荒れの天気になると天気予報がくどいぐらいに告げていたのだが、我が家近辺は朝から快晴で穏やかな天候だった。
◆多くの人がイギリスの脱退に続いて「マジか」と思っただろう。僕も思った。でも、何となく候補に決まったときからそっちかなーという気がしていたのも事実。揺り戻しってやつだ。
◆世界が大きく変わるなんてことは戦争でも起こらない限りそうそうない、ってことも実はない、っていうのを僕らは知っている。たとえばソ連崩壊。たとえばベルリンの壁崩壊。いわゆる東欧革命。そんなことが本当に起こるんだ、と心底驚いたのをよく覚えている。彼が大統領になることによって何かが起こるだろうか。できれば、平和的なもしくは進歩的な数年間であってほしいと思う。
◆友人とよく話すが、生きている間に大きな世界変革が起こるとしたら第三次世界大戦か、もしくは宇宙人の襲来しかないだろうと。どっちにしても戦いだ。戦争は、ダメだ。もう二度とやってはいけない。でも、人類の歴史はすなわち戦争の歴史であることも確か。日本でだって世界大戦以前に戦国時代はあったわけだ。戦いは人間のどこかに組み込まれた何かなのかもしれない。
◆それを吹き飛ばすほどの、大きな何か。科学技術的なブレイクスルー。人類全てを熱狂させる革命。たとば〈スタートレック〉のような時代が本当に訪れたのならどうだろう。地球人同士で争っている場合ではなく宇宙のパイオニアとして世界がひとつになれるんじゃないか。戦争が科学技術を発展させてきたのは事実なのだから、やっぱり世界中競っての宇宙開発は必要なんじゃないか。かつて飛行船や飛行機が世界に夢を見せたように。
◆と、いうようなことを夢見る。

シングルベッドで夢とお前抱いてた頃2016年11月05日

◆雪が降って少し積もったけどこれは融けるやつ。sotugyou
◆つんく♂さんというアーティストがいる。特にファンではないが、その活動は知っている。シャ乱Qとしてデビューしてその後はモーニング娘。のプロデューサーなど、間違いなく日本の音楽芸能界で成功した人物だ。ボーカリストであり優れた作曲家でもあった彼が声を失ったというのは、想像したくないほどの悲劇だ。僕に当てはめるなら、突然全部の指が動かなくなったというようなことだろう。今も変わらぬ笑顔で活動するつんくさんは大したものだと思う。
◆とはいえ、失礼ながら繰り返すけど、特にファンではない。でも、一曲だけ心に残っている曲がある。『シングルベッド』という歌だ。初めて聴いたとき、〈シングルベッドで夢とお前抱いてた頃くだらないことだって二人で笑えたね〉という歌詞に、昔の思い出が一気に甦ってきた。
◆まだ十代の頃、シングルベッドのマットだけを部屋に置いていた。あの頃はそれが流行っていたんだ。知り合いがベッドマットをくれるというので、友達の普通のセダンで引き取りに行った。当然車の中になんか入らないので、屋根に乗せて窓を開けて紐を通してくくりつけて、窓から手を出してしっかり押さえながらゆっくり走って運んでいたら、当然のようにパトカーに止められた。地方から引っ越ししてきたばかりなんだと、お金がないから赤帽なんか頼めないからと若さの勢いでお巡りさんに必死に弁解して何とか許してもらってアパートの部屋まで運んだ。お巡りさんも苦笑いで許してくれたんだから思えば寛容な時代だった。
◆その狭いシングルベッドのマットで一緒に眠った人がいた。夜を過ごした。ただそれだけで幸せだった時期は確かにあった。将来への不安も悪い予感の欠けらも何にもなかった。
◆一緒にベッドマットを運んでくれた友人も、夜を過ごした人も、もう遠い思い出の中にしかいない。ふと思い出したなら、どうか今も元気でいてくれますようにと願うだけだ。
◆歌は、そういうものを思い起こさせてくれる。

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