SHOJI YUKIYA OFFICIAL SITE sakka-run:booklover’s longdiary since 1996.12.18

Diary

実家へ2016年09月03日

◆晴れ。暑い日。ciderhouse
◆9月に入っても残暑が続いている北海道。夏が続くのは構わないのだけどそろそろ金鳥の蚊取り線香が切れそうなので、もうそろそろいいかな(^_^;)。
◆いろいろと事情があって実家へ行くことが増えている。高速道路を使えば飛ばして一時間半で着く距離だけど、この年になると往復250キロを日帰りすると非常に疲れる。若い頃は全然平気だったのになぁ。
◆自分が子供として過ごした家族はいつかバラバラになる。僕は末っ子だったので、実家を出た37年ほど前に僕の家族は全員バラバラになって新しい人生をそれぞれに歩み始めたことになる。実家も建てられてから40年以上が過ぎて、あちこちにガタが来ている。床は歪んでいるところがあるし、閉まりが悪い襖もあったりする。隙間風も入ってくるし雨漏りがしたこともあった。
◆その実家も、もう建て替えられることはたぶん、ない。そして誰かがそこに住むこともおそらく、ない。
◆若い頃、自分の家は平凡だと思っていた。ほとんど何も波風のないつまらない家族だと。それが、家を出てから、つまり僕が大人と呼ばれる年齢になってから自分が知らなかった事実をいろいろと聞かされた。そんなことがあったのかと、文字通り目を丸くして驚いたこともある。子供たちは知らなくていいことだと、親が隠していた自分たちの人生の陰の部分。ありきたりの言葉に過ぎるけれども、光があればそこに陰もできる。それが、あたりまえだ。
◆どんなに平凡な人生だろうと、どんなに波乱含みの毎日でも、その人が送ってきた人生のあたりまえの日常を最後まで覚えているのは、家族だけだ。
◆それを忘れないように、自分の人生の日々を生きていく。

Mちゃん2016年08月29日

◆晴れ。暑かった。mahoroba
◆ここ何日かは夕方になると急に気温が下がり寒くて窓を閉めて寝ていた。「あぁもう秋に入っていくんだな」と思っていたのに今日の狂暴な陽射しだ。そしてこんな夜中の11時になってもまだ窓を開けているぐらいに暑さが家の中にこもっている。残暑にも程があるってもんだ。
◆あの頃の僕は若すぎて、と、歌う古いフォークソングがあるが、ときどき自分の若い頃を思い出して恥ずかしくなったりよくそんなことができたな、と思うことがある。特に僕には二人の息子がいて、二人とも二十代だ。つまり自分の通ってきた道を今まさに彼らは彼らの人生として歩んでいることになる。比べることは無意味だけれど、息子の話を聞いてこの頃の俺はどうだったかなぁ、なんて考える。親としては「お前それはないだろう」なんて思って言いたくなるときもあるが、よく考えたら自分はもっととんでもないことをしていたりする。難しい。特に僕は本当にろくでなしだったので親らしくアドバイスなどできやしない。どの口でそれを言うか、なんてことになってしまう(^_^;)。
◆振返れば、申し訳ないことをしてしまったなぁと思い、謝りたい人はたくさんいる。今でもたまに思い出すのはMちゃんだ。男性だ。僕よりも二つ上だったはず。一人暮らしをしていた頃の馴染みの飲み屋の常連仲間で、Mちゃんは中学を出てすぐに働いていた。予備校生だった僕のことを随分気に掛けてくれて、仕事の休みの日などは僕のために昼ご飯を作って持ってきてくれたりした。勉強の邪魔しちゃ悪いからといつもさっさと帰ろうとするMちゃんを引き止めて、あれこれ話をした。Mちゃんは僕の部屋にあるたくさんの本やレコードに感心して、特に本を読みたがったのでよく貸してあげた。自分は学がないから簡単なやさしい小説を教えてくれと言って、読み終わると「これはどういうことだったんだ?」と僕によく訊いてきた。教えてあげると真剣な顔で聞き入って、理解できると嬉しそうに笑っていた。
◆Mちゃんは、きっと勉強がしたかったんだと思う。でも働かなきゃならなくて。そして勉強していればいい僕の環境がきっと少し羨ましくて。
◆Mちゃんは僕の持っていたシャープペンを随分気に入っていた。同じのが二本あったので一本あげると、すごく喜んでいた。これで読んだ本の感想文でも書くかな、と少し恥ずかしそうに言った。読むから持っておいでよと言うと、嬉しそうに頷いていた。
◆僕は急に引っ越しを決めてしまったので、Mちゃんにちゃんとした別れを言えなかった。飲み屋に来ればいつでも会えるんだからと思っていた。でも、いざ引っ越すとその店から足が遠のいてしまって、結局そのまま一度も会えず仕舞いになってしまった。まだ部屋に電話もない若者も多かった頃だ。簡単に連絡をつけられる時代じゃなかった。
◆Mちゃんにあげたシャープペンと同じシャープペンは、もう何十年も使っていないけどまだ手元にはある。Mちゃんは、あれからどんな人生を送っているだろうか。

直木賞パーティ2016年08月26日

◆東京は晴れ。51likodxXsL
◆あまりの暑さに溶けるかと思ったぐらい東京は暑い。いやマジで暑い。外なんか歩きたくない。なので夏の東京にはなるべく来ないようにしているんだけど、先輩作家の荻原浩さんの直木賞受賞パーティにお招きいただいたので一泊で東京入り。
◆パーティでは荻原さんに挨拶したのはもちろん、メフィスト賞仲間の辻村深月さんに数年ぶりで会えました。辻村さんとは年に一回ぐらい「ゆっくり話したいねー」とメールし合うのだけどなかなか機会がない。あとは大崎梢さんにも会いましたね。数人の担当編集さんとも会って、なんだかんだとその場でお仕事の話。
◆荻原浩さんは、僕がデビューしたての頃にお会いできて、それからパーティで会う度にあれこれとお話してもらってきた大好きな先輩。同じ元広告業界ということでその辺の話もできるし、子供を持つ親としての話とかもします。もちろん、僕は作家としてデビューする前から荻原さんの小説のファンでずっと読んでいました。ようやく、本当にようやく直木賞受賞で、本当に良かったなと。
◆ま、あれこれあれこれ、ここには書けない話も、作家同士、そして編集者とはいろいろします。近頃は忙しいし北海道から出るのはめんどくさいしで(^_^;)、受賞パーティに行くことも減っているのですが、こうして会場に来ることで気持ちを新たにすることもできます。つまりは、書いて書いて書きまくるしかないのだと。
◆また台風が来るとか。ちょうど合間を狙って来たみたいで良かった。皆さん、充分気をつけて夏の終りをお過ごしください。明日北海道に帰ります。

北海道が大変だ2016年08月20日

◆雨。myprivate
◆大雨警報に洪水警報。北海道は今台風の余波で大変だ。浸水している地域もあるし川の氾濫もある。しかも明日明後日にはまたもうひとつ台風が来るという。今現在我が家近辺は警報が出ているだけで特に問題はないが、かつて大規模な水害にあった地域でもあるので心の準備だけはしている。
◆そもそも北海道は台風に対しての心構えや備えがほとんどまるでない。何故かと言うと、来ないからだ。いつも途中で温帯低気圧になってちょっと雨風強いわね、で終わってしまう。50数年の人生で本当に来たのはたぶん二回ぐらいだ。なので、昔から映画やテレビで観る〈台風が来るから雨戸を〉とか〈窓に板を〉とかそういうことを一切したことがない。そもそも雨戸がある家もほとんどない(かなり昔はあることはあったけど)。冬の猛吹雪や積雪に対しては備えも知識も経験も万全だが台風に関してはまったくのド素人なのだ。
◆そんな中で甲子園、南北海道代表の北海高校があれよあれよという間に決勝戦に進んでしまった。しかも札幌ドームでは北海道日本ハムとソフトバンクの天王山の真っ最中だ。さらにはまだオリンピックの熱戦も続いている。どのチャンネルを見てもサイドに〈災害情報〉が常に流れてくるので今北海道の人は本当に大変なのだ。気忙しいったらありゃしない。
◆もちろん原稿も書かなければならない。あぁ本当に忙しくて困っている。今年の夏は本当に大変だが実はもう北海道の夏は終っている。こちらではお盆過ぎたらもう夏は終りなのだ。
◆オリンピックが開かれる度にメダルの云々であれこれと騒がしい。どうして毎度毎度同じようなことで騒ぐのか。オリンピックは平和の祭典だ。でも同時に勝者と敗者の出るスポーツ競技の大舞台だ。出る以上は勝つために戦うのはあたりまえ。日の丸と一緒に何を背負うかは選手一人一人の生き方だ。観る私たちは全てを受け入れ勝者にも敗者にも四年に一度の賞賛を。

だから戦争をしてはいけないんだ2016年08月15日

◆晴れ。蒸し暑い。kinjiraretaasobi
◆何度も言うが湿度には弱い。本当に弱い。あっという間に体力が奪われて気力も削がれていく。小路殺すには刃物はいらぬ高温多湿があればいい、だ。
◆前にもここに書いたが、写真の映画『禁じられた遊び』は長い間観ることができなかった。小さいときに観て、本当に悲しくて悲しくてただ悲しくてそれ以降観るのにくじけてしまうようになったからだ。映画そのものは永遠の名作と言っていい映画なのでふと思う度に観たくなるのだが、それでも躊躇してしまっていた。
◆1952年に公開されたフランス映画だ。第二次世界大戦中、フランスに侵攻したドイツ軍から逃げていた家族の中に、幼い少女ポーレットがいた。しかし機銃掃射で彼女を残して家族は死んでしまう。運良く農家の男の子ミシェルと出会い、ポーレットはミシェルの家に迎えられる。そこから先はぜひ映画を観てほしい。僕は思い出す度に、あのラストシーンの、ポーレットの声が甦ってきて胸が締めつけられる。
◆〈禁じられた遊び〉とは何かというと、まだ幼いポーレットは死というものを理解できず、そしてキリスト教の信仰も祈りもわかっていなかった。彼女にとって〈十字架〉はきれいで素敵なものでしかなかったのだ。ポーレットの喜ぶ顔を、幼い笑顔を見たくて、そして笑顔にさせたくて、ミシェルは十字架を盗んで集める。それが、〈禁じられた遊び〉だ。
◆子供は、未来への希望だ。そして戦争は、子供たちの未来を奪うものだ。だから、もう二度と、繰り返してはいけないものなんだ。
◆子供は、ただ無邪気に遊んでいなければならない存在だ。そして戦争は、子供たちから遊びを奪うものだ。だから、もう二度と、繰り返してはいけないものなんだ。
◆大事なことなので二回言いましたがそこはそれ作家なので表現を替えてお送りいたしました。

ページトップへ