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Diary

良いお年を!2017年12月31日

◆晴れ。
◆マイナス15度まで下がった朝でダイヤモンドダストがあちこちで見られる。小さい頃から冬になればごく普通に見られる光景なので特に嬉しくも何ともないのだが、通勤している頃に駅のホームで電車を待っているときにキラキラ輝くと「あぁ絵になるよなぁ」と思ったもんだ。
◆今年も終わってしまう。毎年のことなのに今年中に書かなければならない原稿が上がっていない。担当編集さんには既に泣き言の連絡を入れてあるけれど本当に申し訳ないと思う。今年こそちゃんと仕上げるつもりだったのに結局書き上がらない。もちろんわざとやっているわけではない。
◆こういうときには本当に落ち込む。情けなさとどんどん過ぎていく時間に胃が痛くなるし食欲もなくなっていき、ちょっとした鬱状態になりかけることもある。あくまでもなりかけでならないところが私の長所だ。どう乗り切るかというと「書き上がらないんだからしょうがない」と開き直るのだヽ( ´ー`)ノ、まぁそれはジョークだけど、実際のところ焦っても何もいいことはない。とにかく、書くことだけに集中する。それしかないのだ(もちろん必死に書いてます。この日記は晩ご飯の前の休憩時間に書いています)。
◆相変わらずたくさんの原稿を書く一年が過ぎていった。単行本も文庫本もいつもの年のようにたくさん出せた。本当にありがたい。僕の物語をおもしろいと買ってくれる読者さん、本を仕入れてくれる書店さん、そして執筆依頼をしてくれる編集さんに出してくれる出版社さん。今年も本当にありがとうございました。
◆表現する場を与えられた幸運な人間として、自分の中にある物語を全部描き出していきたい。それが受け入れられるかどうかはわからないけど、読んだ人の生活の中にほんの少しでも幸せな光を与えられるような物語を。それは来年も変わりなく続けていこう。
◆毎年言っていますが、「良いお年を!」。この言葉を掛け合うことが出来る時間が好きです。どんな時代であろうとも、その言葉を掛け合うもの同士が未来に希望を見ている気がします。
◆良いお年を。来年もよろしくお願いします。

メリークリスマス2017年12月25日

◆昨夜からの雨で道路はもうひどい状態。
◆お察しの通りにずっと原稿を書いている状態で、ここの更新も止まっていました。書こうと思えばほんの十分ぐらいで書けるんですけどネタもないし気ばかり焦るしで書けなくて申し訳なく思っています。
◆ここ何年も我が家ではクリスマスや年の瀬というのはまったく関係のない状態が続いているのです。とりもなおさずそれは書き下ろしである〈東京バンドワゴン〉の新作を書くのがこの時期だからです。本来ならもう原稿は上がっていなきゃならないのに、上がっていません。それどころか稚内の野寒布岬まで車で逃げたいぐらいに進んでいません。もちろん必死で書いてはいるのですが、本当にごめんなさいと担当編集さんに謝っています。いや本当にね、自分を情けなく思っているんです。本当にです。
◆妻にも申し訳ない。本当ならクリスマスだから夫婦二人でお食事に行ったり映画を観に行ったりしてもいいのに、家の中にはクリスマスのクの字もありません。何故ならクリスマスのことを考えるだけで僕の胃が痛くなるからです。なので、ひたすら〈いつもの日々〉を過ごしています。まぁもうクリスマスも過ぎちゃってあとは年末正月までに本当に原稿が上がるかって話なんですが。
◆本当なら、クリスマスは大好きです。もう子供も家を出てそんなこともしなくなったけど、何度サンタさんを演じるために冬の街を駆けてプレゼントを買いに行ったかわかりません。今日の朝の子供たちの喜ぶ顔を見たくて、夜中にそっとプレゼントを置いた最後の日はいつだったか。長男と次男の年が離れているので、もう事情をわかっていた長男も次男のために話を合わせてくれたのも懐かしい思い出です。
◆世界中の人が、この日だけでもその言葉を言うだけで少し優しくなれるような気がします。
◆メリークリスマス。
◆そして次の更新はたぶん大晦日です(^_^;)。原稿が上がることを祈ってくださいヽ( ´ー`)ノ

福井の緑の庭で寝ころんで宮下奈都さん2017年12月11日

◆札幌は雨後晴れ。
◆積もった雪が雨でもうぐちゃぐちゃになり、その雪が排水溝を塞いで道路が冠水したり北海道はいろいろ大変だった。二、三日留守にしていたので我が家の前がどうなったか心配だったけど、まぁまぁ普通のひどい状態で済んでいたので一安心。いやぐちゃぐちゃになった雪をどかすのに疲れたけどね。まぁ許容範囲だった。
◆福井市桜木図書館さんの10周年企画で講演をしてくださいと頼まれて、行ってきた。福井市の図書館での講演はこれで二回目で、まぁ僕みたいな三文文士呼ばなくてもいいのにと思ったけど(^_^;)、せっかくのご縁なので喋ってきました。
◆福井市との縁は、まず義姉が福井市出身だということ。それと何と言っても(物語内)妹である小説家の宮下奈都さんがいらっしゃること。おお考えたら義姉と(偽)妹という奇跡ヽ( ´ー`)ノ。今回も宮下さんがお友達などにたくさん宣伝してくださっていたみたいで本当にありがとう妹よ!
◆前回の福井市での講演以来で、宮下さんともお会いしてきました。一緒に『つむじダブル』を書いたりトークイベントやサイン会をしてきた宮下さんは、変わらずスイートでセンシティブで含羞んだ笑顔がステキでした。そうそう、新刊のエッセイ集『緑の庭で寝ころんで』(実業之日本社)にサインをしていただいてしまいました。実はこの本には僕のこともこっそり書いてあるそうですよ! 名前は失礼かと思って出してないとか。どんどん出してもらっていいのに!ヽ( ´ー`)ノ
◆そして講演会にはなんと150人を超えるお客様に来ていただきました。びっくりです。そんなに集まっていただいたのはおそらく初めてじゃないでしょうか。用意した椅子が間に合わずに追加したとか。楽しんでいただけたでしょうか。本当にありがとうございました。図書館の皆様、書店の皆様、そして手伝ってくれたPHPの皆様、お疲れ様でした。僕自身も楽しい一日を過ごさせていただきました。
◆札幌近郊から福井へ行くのはいろいろルートはあるのですが、何といっても12月。吹雪いたりして飛行機が飛ばなかったりしたら本当に困るし、小心者なのでそういう心配をするのは嫌なのでいちばん安心な、飛行機の便数も多く何かあってもいろいろ手段はある東京経由で行きました。せっかくなので東北新幹線に初めて乗って金沢にも寄ってきました。帰りも東京経由で帰ってきました。
◆僕は基本出不精というか、自分の居場所でずっと過ごすのが好きなタイプ。でも、移動するならするで、ずーっと旅をしていたいというタイプでもあります。一年中旅する作家として過ごしてもいいなぁとは思うのですが、まぁ今のところは北の地で過ごしています。
◆旅をするとやはり原稿を書くペースは落ちます。早く書かなきゃ。

『花咲小路二丁目の花乃子さん』が文庫になります2017年12月05日

◆朝になって10センチ程度の積雪。ごく普通。
◆一晩で20センチぐらいになって「あぁ降ったなぁ」と感じるのが雪国。30センチだと溜息が出てそれ以上だともう笑うしかないヽ( ´ー`)ノ
◆〈花咲小路商店街シリーズ〉の第三弾『花咲小路二丁目の花乃子さん』(ポプラ社)が文庫になりました。もうすぐ発売です。
◆今回はタイトル通り、二丁目にあるお花屋さん〈花の店にらやま〉が舞台になります。そう、花乃子さんの名前は〈韮山花乃子(にらやまかのこ)〉です(余談ですがこの〈韮山〉という苗字、中学の同級生の苗字なんですが、卒業以来会っていません。韮山さん元気ですか(^_^;))。花乃子さんは、商店街でいちばん美人なのですが、まだ独身。早くに両親を亡くして、双子の弟である柾と柊と三人で両親の残したお花屋さんを切り盛りしています。そこに、従妹であるめいちゃんがやってきます。めいちゃんはいろいろあって高校を辞めて、優しい従姉のお姉さんである花乃子さんの店で働くことを決めたのです。表紙イラストのロングスカートの女性が花乃子さん、お店からひょいと顔をのぞかせているショートカットの女の子が、めいちゃんです。
◆初めての方には申し訳ないのですがこのシリーズは、『花咲小路四丁目の聖人』から始まって、『花咲小路一丁目の刑事』、『花咲小路二丁目の花乃子さん』、そして『花咲小路三丁目のナイト』と続いています。今現在はポプラ社さんの〈asta*〉で『花咲小路三丁目北角のすばるちゃん』が連載中です。どこから読んでも大丈夫なように書いてはいますけど、やはり順番に読んでいただけると、商店街の住人たちの様子がよくわかります。
◆そして、なんと今回の文庫化に合わせてポプラ社さんが〈花咲小路商店街シリーズ〉の特設サイトを作ってくれました。こちらです。ぜひおいでください。
◆〈花咲小路商店街〉は一丁目から四丁目までなので、これからもシリーズはその中で続く予定です。きっとこの後は一丁目南角とか、二丁目西向きとか、お店のある場所にそってそんな風にタイトルが決まっていくと思います。楽しんでいただけたら嬉しいです。

与えられる光がこの世にはある2017年11月29日

◆晴れたり曇ったり。風が強かったけど穏やかな天気。
◆とにかく世の中生きづらくなっているかのようにいろんなうんざりするニュースが飛び交っている。それはこのくそったれな国の日本だけじゃなくて世界中の国でだ。手本にするべきとんでもなくいい国なんていうのは存在しない。どこかの点ですごくいい制度で成功している国だって他の面ではそれはどうなのよ? という問題を抱えている。もちろん、全ての人間が等しく幸せに暮らしていける国なんてのは、ありえない。資本主義やら民主主義やらなんやらかんやら、この問題は考え出すと泥沼にはまっていくし、考えたって答えは出ない。
◆製造業の人は皆の暮らしをより良いものにする製品を作り出していくものだし、販売業の人は素晴らしい品物をよくたくさんの人に売っていく。皆、自分の暮らしをよく良くするために、自分の人生を豊かなものにするために、自分の選んだ仕事をやっていく。生きていく。国を支えて栄えさせるのはそういう一般の人たちであって、政治家ではない。
◆何をしてもダメで、何を見ても悲しくて、どう頑張っても辛くて、もう生きていかなくてもいいんじゃないかって思えるときにでも、思ってしまった人にでも与えられる光がこの世にはある。それが音楽であり、物語だと思う。
◆ミュージシャンは歌い続けてより多くの人に夢や希望や喜びや慰めを与えるしかないし、小説家も同じだ。写真は仲良しの札幌出身のバンド〈トライプレイン〉のニューアルバム『1/4802のすべて』。彼らはデビュー以来所属していたメジャーの事務所を出て独立したそうだ。大きな決断だったと思う。応援したい(アルバム買ったよ!)。

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