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Diary

20年後の『夜空ノムコウ』へ2017年11月06日

◆晴れたり曇ったり。穏やかな暖かい一日。
◆元SMAPの香取くんと稲垣くんと草彅くんの、ジャニーズをヤメターズ三人がネットテレビで72時間生放送をしていた。特にファンでもないけれども、彼らがデビューしてからトップアイドルになっていくのをずっと同時代で観てきたので、あぁ良かったねという思いでところどころをほんの何分か観ていた。三人が楽しそうにしていたのがとても印象的だったし、最後にステージで歌うところはまさにSMAPのステージを観ているみたいでちょっとグッと来た。
◆五十数年も生きてきて、そして音楽がなければ生きていけないぐらいの音楽好きだから、もう何十組ものグループやバンドの解散劇を見てきた。一度は袂を分かった連中が再び結集して、ステージを行うのも見てきた。往年のヒット曲を楽しそうに演奏して歌うのを見て、ファンは本当に喜ぶのだ。
◆いつかSMAPも再結成してくれると、ファンでもない僕でも嬉しく思う。五年後でも十年後でも十五年後でも、何なら香取くんが還暦を迎える二十年後でもいいじゃないか。60過ぎの初老となったSMAPがステージで『夜空ノムコウ』なんか歌ったら、あぁいい時代の良い曲があったなぁ、と、76歳になっているであろう僕でも少しうるっとしてしまうだろう。
◆そもそもそんなに仲良しではなかったとしても、今は仲違いしてしまっているとしても、少年時代から青年時代、そして中年に差し掛かるまで同じグループで活動してきた彼らには、それぞれに対する思い出が必ずあるはずだ。そういう思い出は時が経てば経つほど尖ったところは丸みを帯びて輪郭が薄れ、何もかもが良き経験だったと思えてくるものだ。それは56歳のおっさんが保証する。
◆ファンの人はずっと彼らを応援し続け、彼らが同じステージに立つ日を夢見ているといい。きっと彼らも五人で(あるいは六人で)同じステージに立ちたいと思える日が来るはずだ。間違いなく。だって彼らには彼らの歌があるのだから。音楽があるんだから。一度身体と心に染み付いたそれは一生消えないんだから。

かつて夢見た国2017年11月04日

◆曇り一時雨。少しずつ冷え込んできた。
◆スペインが独立問題で揺れている。この間はイギリスでもそういう問題が湧き上がっていた。そもそもヨーロッパの、いや世界の歴史は征服戦争の歴史だということを僕らは歴史の授業で習っている。イギリスは大昔からイギリスではなかったしフランスもスペインもドイツもロシアもあらゆるところが元々ひとつの国だったわけじゃない。その辺は日本人である僕らはいまひとつ感覚的にはどうしても理解できない部分かもしれない。
◆でも、実は日本だってかつてたくさんの国に分かれて征服戦争を行っていた時期があった。みんな大好き〈戦国時代〉だ。織田信長が豊臣秀吉が徳川家康がその他多くの武将が〈自分の国〉を守り、拡げるために戦っていた時代があったのだ(まぁ北海道はほぼ無関係と言ってもいい部分なのだけど)。元々が同じ民族(たぶんね)でありそして既に〈日本人〉になって久しい現代に生きる我らには意識できないところが多いだろうけど、たとえば尾張国だったり美濃国だったり甲斐国だったりそれぞれが別の〈国〉として争っていたわけだ。それを統一し260年に亘って江戸幕府として統治してほぼ今の統一国家である〈日本〉を作り上げた徳川はやっぱり凄いことをやったんだなぁと感心する。まぁその後の倒幕や廃藩置県や明治の世を作り上げた連中も凄いし、大正昭和の愚かな世界戦争を経てまた生まれ変わった日本が今の地続きの日本だろうけど、やっぱりその基盤は江戸時代にあったんじゃないかと個人的には思う。
◆国は、時代で揺れるものだと思う。その揺れを悪夢とさせるかより良き時代への胎動とさせるか。あの土方歳三たちが夢見た蝦夷共和国のように、かつての日本の歴史から外れた位置に存在する北海道がその中心になってもいいと思うのだけど、まぁそんなことにはならないだろうなぁ。

ロング・ロング・ホリディの終わりに2017年10月29日

◆夜になって雨が降る。
◆たぶん、同じような経験をしてきた人しか感覚的に理解できないかもしれない。10代の終わりから20代の始めに同じ店でバイトをした仲間だ。22歳とするなら僕は今56歳なので、それから34年が過ぎている。その間、ずっと友人でいる仲間がいる。
◆『ロング・ロング・ホリディ』(PHP)で、1980年代に札幌の〈D〉という喫茶店でアルバイトをする若者たちを描いた。物語そのものやそれぞれの登場人物はもちろんフィクションだけど、設定はほとんど僕の自伝と言ってもいい。僕は実際に1980年ぐらいに、札幌の〈D〉という喫茶店でたくさんのアルバイト仲間と青春時代を過ごしていた。今はもう皆、50半ばから還暦を迎えたおっさんばかりだ。もう付き合いのない人も、消息不明の人もたくさんいる。その中の何人かとは今もずっと友人でいる。
◆同じバイト仲間で、ひとつ上の先輩が突然旅立ってしまった。大学を卒業してからずっとロックなバーを経営していた。30周年を迎えたばかりだった。生き馬の目を抜くススキノでバーを30年続けるのがどんなに大変で凄いことかを理解できるだろう。
◆初めて会ったときに〈カッコいい人だな〉と思った。ずっと一緒にバイトをしてもその印象は変わらなかった。Mさんは、そういう人だった。だんだん酒を飲まなくなった僕はMさんのバーを訪ねることもどんどん減っていったけど、顔を出すと「よぉ! ○○○!」と笑顔で当時の僕のあだ名を呼んでくれた。ロックを愛して酒を愛して、仲間を愛した人だった。
◆通夜の席に、何十年ぶりかで会うバイト仲間も集まっていた。男同士で、ずっとあの頃の話をしていた。女性には聞かせられない話題も多かった。ほとんどそればっかりだったかもしれない。
◆この年になると久しぶりに会うのは葬儀の場でしかない。ほとんどが、そうだ。Mさんが会わせてくれたことを、皆がわかっていた。
◆同じ店で騒ぎながら見えない未来を探していた若者たちは、どう生きるかを乗り越えた中年になり、どう死んでいくかを考える年になっている。それでも、胸にある思いはあの頃とまるで変わっちゃいない。何かが終わったなんて思っちゃいない。
◆そっちに行ったら店に顔を出します。それまで、ロックを流して待っててください。

『花歌は、うたう』が出ます2017年10月25日

◆穏やかな暖かい一日。
◆風もなく空は晴れ上がって本当に気持ちの良い秋の一日。むしろ陽射しがあって暑いぐらいだった。届いたのはもうすぐ発売の単行本新刊『花歌は、うたう』(河出書房新社)です。
◆実は先月発売予定だったのですが大人の事情で今月になってしまい、『猫ヲ捜ス夢 蘆野原偲郷』(徳間書店)の発売と月が被ってしまいました。この場を借りてお詫びします。
◆あまり説明することもなく、装幀のイラストとタイトルそのままの物語なんです。女子高生が歌う物語(^_^;)。祖母と母と、祖母の家で暮らす高校生の花歌(はなか、です)。父親は有名なミュージシャン〈ハルオ〉。でも、そのハルオは花歌がまだ小学生の頃に失踪してしまって、そのまま今も行方不明になっています。ただ、花歌の暮らしはそんなにも変わっていません。しっかりとした祖母が守る家で、公務員の母が家庭を支え、何不自由なく暮らしています。花歌も、ちょっと変わってはいますが、明るく元気な女の子。でも、幼い頃から花歌が発揮していた才能には周りの皆は気づいていました。〈歌う〉才能です。親友で彼女自身も吹奏楽でサックスの才能を発揮している睦美は、花歌に言ってみます。「自分で歌を作って、うたってみない?」。その日から、花歌のうたが、周りを動かしていくことになります。
◆物語は、花歌がうたうことと、そして行方不明になっている父〈ハルオ〉を周囲の人間が捜し始めることから始まります。
◆作中、花歌が自作の歌をうたうシーンがあって、歌詞も書いてありますが、もちろん僕の作詞です。曲も実はついています。僕がまだアマチュアミュージシャンだった頃、作詞作曲をしていましたけど、そのときには歌詞を書きながら同時に曲もつけていました。ほぼ同時にできあがるタイプです。でも女子高生が書く歌詞にしなきゃならないっていうのでめっちゃ苦労しました(^_^;)。ちょっと恥ずかしい感じです。
◆そういうのも含めて、楽しんでいただけたら嬉しいです。花歌の歌が聴こえてくれたらいいなぁと思います。

NO MUSIC, NO STORY!2017年10月20日

◆晴れたり曇ったり。下がり過ぎた気温も平年並みになり秋らしい一日。
◆いつも書くことだが本当に皆さんを楽しませるような日記のネタがない。
◆この日記を始めたのは実はもう21年も前のインターネット黎明期の頃だ。その頃はいわゆる〈読書日記〉だった。まだ広告会社に勤めていた頃で、ほぼ毎日一冊は小説を読んでいた時期だ。ネットの読書仲間たちと掲示板で交流して、読書愛を皆で語り合っていた。
◆作家の〈海猫沢めろん〉は実はその頃の仲間だ。彼の他人には決して言えない黒歴史を山ほど知っている僕を、近頃すっかり先生になってしまっためろんは口封じしようとしているヽ( ´ー`)ノ
◆僕は基本的にその本のいいところを書く人間だったけど、たまにうっかりめちゃくちゃディスることもあった。なので、その頃の日記はデータはあるけど封印している(^_^;)。同業者になっちゃったのでうっかり読まれて気を悪くされても困るしね。でも誰のどの作品をディスったかもう忘れちゃったなぁ。
◆ギターの本の帯にコメントお願い! と旧知の編集者さんに頼まれて、いつものように気軽に「いいですよー」と気軽に書いたらなんとスピッツの草野マサムネさんのコメントの横に対等に並んでしまったではないか! というのが写真の本。『40歳からのハローギター』(幻冬舎)。いやー申し訳ないですよね。バリバリの現役ミュージシャンの横にもうギターを弾いていないしかも弾いていた頃もめちゃ下手くそだったアマチュアミュージシャン崩れの小説家ですからね。草野さんも「誰だこれ?」とか思ったことでしょう。
◆偶然にももうひとつ、伝説のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを描いた映画『永遠のジャンゴ』の公式サイトにもコメントを寄せたのです。こちらももうゴンチチさん、ピーター・バラカンさん、渡辺香津美さん、押尾コウタローさんなどなど錚々たるメンバーに雑じって小路幸也ですよ。誠に申し訳ない気持ちでいっぱいです。映画も音楽好きならぜひぜひ。
◆ギターは弾かなくなって久しいけど、物語を書くときにはいつもその物語の架空サントラ盤をiTunesで作って、ずっとそれが部屋に流れている。音楽なしには僕の作品は成り立たない。だから、僕の物語を読むと音楽が聴こえてくるという感想は本当に素直に嬉しい。NO MUSIC, NO STORY!

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