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Diary

『あの日に帰りたい 駐在日記』が出ます2019年09月14日

◆すっかり秋の気配が漂い始めた北海道。
◆ここの更新を途絶えさせてしまって随分経ってしまった。書くネタがないのもあるが、精神的に余裕もなかった。いや正確には余裕がなかったのではなく、余裕を作ろうとする余裕がなかったのか。それまでは上手くやっていた自分のエネルギーの振り分けを、執筆のこと以外にエネルギーを振り分けられなかったのだ。それじゃあいかんよなぁと反省している。これからまたここの更新もしていこうと思う。
◆そんなときに届いたのはおそらく今日ぐらいから出回る単行本新刊『あの日に帰りたい 駐在日記』(中央公論新社)です。前作『駐在日記』の続編ですね。シリーズになってしまいました。このシリーズは書き下ろしです。
◆時代は昭和50年、1975年から始まり、この続編では昭和51年になっています。僕の年齢に当てはめると14歳から15歳、中学生の時代の物語になっています。もちろんまだ携帯電話もパソコンも影も形もない時代。ようやくファックスが開発された頃でしょうか。その時代に、田舎の駐在所に自ら希望して、結婚したばかりの妻と一緒に赴任してきた警察官、蓑島周平と花が主人公です。語り手は妻の花。二人とも元々は横浜で、刑事と外科医でした。花が医師を辞めた理由になった事件で知りあい、結婚したのです。舞台はそのまま神奈川県の山奥の土地ですね。モデルにした地域はありますが、基本的には架空の田舎町です。
◆今の時代では限界集落とも言われるであろう田舎町ですから、駐在所に大きな事件などやってきません。前作でも窃盗やらなにやらの小さな事件は起こりますが、基本的にはその場で解決してしまうような小さなものばかりです。今回も、〈落とし物〉や〈逃亡犯〉〈霊能者〉に〈銃弾〉と、タイトルはなかなか物騒な話っぽくもなっていますが、全部駐在である周平の判断で、事件とはしないで済ましてしまうものばかりです。警察小説と帯には書いていますが、まったく肩を張らずに気楽に読める物語です。
◆実はこの元刑事の駐在〈蓑島周平〉にはモチーフにした刑事がいまして、1975年に放映された刑事ドラマ〈俺たちの勲章〉に出てきた中村雅俊さん演じる刑事です。ドラマでは最終回に彼は刑事を辞めてしまうのですが、もし彼が刑事を辞めても警察官は辞めずにいたらどんなふうになるかなぁ、と思いながらキャラクター像を作り上げました(あのドラマが大好きで、続編を観たかったんですよ)。あ、それと、前作の最後に犬を飼うことになり、名前はミルというのですが、これは小路家の亡き愛犬の名前です。いつかミルをどこかの物語に出せたらなぁと思っていたので、ここで登場させられて良かったです。
◆作者の僕にとってもこの周平と花の夫婦は好きなキャラクターなので、続編を書けたのはとても嬉しかったです。さらにシリーズが続くといいなぁと思いますが、それは本の売り上げ次第(^_^;)。手に取って楽しんでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

犬との日々と猫との日々は2019年06月15日

◆曇ったり雨が降ったり。湿気の多い一日。
◆すっかり日記の更新ができなくなっている。そもそもここに書くことも、とにかく原稿が進まない、という愚痴めいたものしかないので、そんなのは誰も読みたくもないしなぁ、という気持ちになってしまう。
◆我が家に猫のメイがやってきて一ヶ月以上が過ぎた。もうすっかり猫のいる日々にも慣れて、猫も我が家に慣れた。妻はもう何匹もの猫と暮らした経験があるのだが、僕自身は犬と暮らした経験はあるが猫は初めてだ。
◆犬と違って猫は散歩に行かなくていい、というのは随分楽だなぁと思う反面、猫の気分で遊んであげなきゃならないのはちょっと大変だなぁと思う。まぁまだメイが子猫だからそうなので、大人の猫になったら遊んでもくれなくなるのかもしれないけれど。
◆うちにいた亡き愛犬ミルは、手のかからない犬だった。子犬のうちもどこかを齧ったり何かをひっくり返したり、粗相をしちゃったりすることもほとんどなかった。トイレに行きたくなれば「外に出ますよ」と呼びに来たし、外でのトイレもいきなり道路にしたりはせずに、ちゃんと草むらを選んでやっていた。その分、車に酔って吐いたり散歩があまり好きじゃなくてすぐに帰ってきたりもしたけれど、とにかく良い子だったのだ。
◆猫のメイも、今のところとても良い子だ。ソファや壁を爪で引っかかれたりするかと覚悟していたけれど、今のところまったくしない。電源コード関係をちょっと遊んで齧ろうとしたのでカバーを付けたらそれ以降はしなくなった。思いっきり遊び回るけれど、どこかを引っかいたり齧ったりすることはまったくない(爪磨ぎと飼い主の手以外は)。たくさん置いてある猫のグッズやその他もろもろも、棚から落とされたりするのかなぁと警戒していたんだけど、それも今のところはない。あくまでも今のところ、だろうけど。
◆まだ子猫のうちは身体も小さいので、飼い主が夜に寝るときには猫もケージに入れて鍵を掛けて寝かせていたけれど、そろそろ身体も大きくなってきて飼い主の寝返りなんかにも対応できるかな、もういいかなと思って、ケージの鍵も開けて「寝るか」と寝室に連れて行ったら、枕元に横になって一緒に朝まで寝ていた。どうやらもう心配ないようだ。
◆犬との日々も、猫との日々も、そんなに違いはないように思える。人とは違う生き物がそこにいて、こちらを慕ってくれるのだ。毎日一緒にご飯を食べて、運動して、大きくなっていく。同じ日々を過ごしていく。

そして猫を飼う2019年05月19日

野良猫の子猫のきょうだい
我が家に来たメイ

◆晴れ。少し風が冷たいが良い陽気。
◆何度も愚痴っているが本当に執筆パワーが減っている。なので、月に何本かある連載をこなすだけで何もかもがいっぱいいっぱいになってしまって、ここの更新も全然できないというか気力がない。ここを書く体力(多少は必要)を執筆に回したいというのもある。本気で執筆パワーを復活させる手だてを考えなきゃならない。どうしたもんだかなー。
◆Twitterの方ではもうお伝えしているが、我が家に猫がいる。名前はメイだ。五月に来たからという単純な理由でメイにした。愛犬であったミルが虹の橋を渡って五年。次に飼うなら猫と決めていた。妻は大の猫好きで実家でも何匹も猫を飼っていた。しかし自宅を建ててからは甥っ子や姪っ子に猫アレルギーの子がたくさんいて、遊びに来られないのは可哀想と犬を飼っていたのだ。その甥っ子姪っ子たちも人の親になるほど時が過ぎ、我が家の二人の息子も社会人になり世帯主になっている。妻はここ一、二年ずっと保護猫やペットショップなどのサイトを見ながら、出会いを求めていた。あるいは近所の猫を飼っているお宅から「子猫いらない?」などという話が来るのを待っていた。けれども、中々出会いは訪れない。そんな中で、平成最後の日に、二枚目の写真の子猫に出会った。妻は確信したらしい。「この子だ!」と。
◆我が家に来てもらうことを約束してとりあえず家に帰ってきた。さぁ猫を迎える準備をしようと、ケージやらなんやらをネットで見繕っていた夕方だ。ピンポーンとドアホンが鳴った。「はーい」と出ると見知らぬ女の子が三人。少し離れてはいるけれど同じ町の中学生と小学生の女の子だった。「あのぉ、猫を飼ってくれませんか」「えっ!?」。一枚目の写真の三匹の子猫が入った段ボールを抱えていたのだ。
◆話を訊くと、半ノラらしき猫が住み着いた家で子供を産んだらしい。しかし飼うわけにはいかずにこのままだと保健所行き。あまりに可哀想なので女の子達だけで苦労して保護してそしてずっと近所の家を回っていたらしい。見ての通り、めっちゃ可愛い三きょうだい。しかし、我が家ではたった今、ついさっき、あの子を迎える約束をしてきたばかりだ。
◆悩んだ。とりあえず妻はご近所さんの猫好きに連絡網を写真付きで回した。「子猫いらない?」と。そして女の子達は困っていた。もうすぐ晩ご飯の時間で家に帰らなければならないけれど、女の子達の家ではこの子猫達を預かれないらしいのだ。「よしわかった。うちで一晩預かるから、とりあえず今日は帰りなさい。おじさんはいつでも家にいるから明日またおいで」。
◆子供たちを帰した後に、三匹の子猫を前に妻と悩んだ。妻は猫を飼い慣れているとはいえ、いっぺんに四匹の子猫はキツイ。しかも野良猫の子猫はまだエサも満足に食べられない本当に子猫なのだ。「明日、貰い手が見つからなかったら、あの子はキャンセルしよう。そしてこの三匹をうちの子にしよう」。そう決めて一晩だけ三匹の子猫と過ごしたのだ。最初はシャー! と言っていた子猫たちも一晩一緒に過ごすと素直に懐いてくれた。それで撮ったのが最初の写真だ。
◆幸いにも次の日、妻の連絡網と子供たちの頑張りで引き取り手が見つかった。ちょっと心配して確認してみたが確実な話でホッとした。女の子達も喜んで報告しに来てくれた。「ありがとうございました!」とニコニコしながら帰っていった。それで、晴れてメイが我が家にやってきたのだ。
◆しかし、58年生きてきて「子猫貰ってくれませんか」と拾った子供たちがやってきたことなど一度もなかった。それなのに、何年か越しで我が家の家族になる子猫を決めてきたその日に、やってきたのだ。神様の起こした気紛れにしてはとんでもないタイミングではないか。小説で書くにしてもいやそれはちょっと無理があるかな? と躊躇うぐらいだ。「こんなことって起こるんだね」と妻と二人で話していた。
◆何はともあれ、今我が家には猫がいる。

清志郎さん、かわりのない新しい日々が続いているよ2019年05月02日

◆薄曇り。
◆庭の桜は咲き始めたけどまだ満開には少し遠い。明日あたり気温が上がれば満開になるかなぁ。我が家の桜はいつも遅咲きなんだ。
◆平成が終わって、令和になった。いろいろ騒いでいるけれどそれまでと何も変わりがない日々が続く。もちろんその日々は代わりのないもの。
◆清志郎さん、あなたがそっちのツアーに出かけてからもう十年が経ったってさ。そして、僕はあなたがいってしまったときの年齢に追いついたよ。58歳だ。驚くよね。もうおじいちゃんみたいな年齢になっちゃったよ。実際孫がいてもおかしくないしね。いないけどさ。そっちではきっと年を取らないんだろうから、同い年になったんだ。なんかそれも不思議な気がする。こっちは相変わらずいろいろあるけど、もちろんむかつくことも悲しいこともたくさんあるけど、良いこともたくさんある。なんとか僕の居場所でやっています。そっちで会えるように、会えたときに「よく知らないけど頑張ったんじゃん」と笑って肩を叩いてもらえるようにやってます。そしてこの間心臓をやっちゃったけど、もう少しこっちでやっていけるみたいだから、また来年、令和二年になってから話をしに来ます。そのときまで、お元気でツアーを続けていてください。
◆天皇陛下は僕とほぼ同い年だ。同じ時代に同じ空気を吸ってきたお方。だからきっと、僕は令和という時代で、清志郎さんのツアーを観に行けるんだろう。
◆何も感慨みたいなものはないんだけど、昭和に生まれて、学校に通って、ミュージシャンになるのを諦めて、広告会社に就職して、結婚して、長男が生まれて、作家になろうと決めた。それが僕の昭和。平成になって家を建てて、次男が生まれて、犬を飼って、会社を辞めて、親父が死んで、小説家になれて、幸運にもそれで飯を食っていけてる。それが僕の平成。令和には、何があるんだろう。まずは猫を飼うかな。あと、もう雪かきに辛いから除雪機を買うかもヽ( ´ー`)ノ。そうだ、たぶん死ぬまで小説家だ。

『アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン』です。2019年04月20日

◆晴れ。
◆どんどん春めいてくる北海道。でもいつも言うけどこの時期の北海道は雪解けで現れるゴミや塵やその他もろもろでいちばん汚い時期。町内会一斉清掃とかもやりますよ。
◆見本が届きました。今回でシリーズ第14弾となる『アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン』(集英社)です。発売は26日頃になる予定です。
◆著者メッセージとしてはこちらの〈東京バンドワゴンシリーズ〉のサイトに載ります。発売日ぐらいには更新されると思いますので、ぜひそちらも読んでみてください。
◆なので、あまり話が被らないようにこちらではのっけから著者メッセージには載せない裏話ですけど、装幀をいつもお願いしているデザイナーさんが、毎回「もう使える色がない」と困っているとか(^_^;)。そうですよねぇ、もう14色もの表紙の色を使っているんですからね。普段は装幀デザインを事前にチェックしますけど、この〈東京バンドワゴンシリーズ〉に関してはフォーマットが決まっていますので「今年は何色になるんだろう?」という楽しみを味わうために最終的に決まるまで見ないんです。表紙の絵はイラストではなく版画なのですが、こちらに関しては物語の内容に関わる小物や何かを事前に僕の方からお伝えして作ってもらうようにしています。
◆今作は本編。いつもビートルズナンバーがタイトルになっていて、その曲が物語のテーマソングになるような形をイメージします。『アンド・アイ・ラブ・ハー』はビートルズナンバーの中でも屈指の美しさを持つストレートなラブソングで、どこか日本人好みの物悲しさも感じさせるメロディーラインでもあります。堀田家の楽しくも賑やかな毎日をお届けするのが基本のシリーズですが、人生の中で必ず様々な別れは訪れます。今作、本編の日々の中で登場人物の一人が永遠の別れを告げます。また、家族には老人が多いので老後の生活の話、終の住み処の問題も出てきます。いつかそんな日を語るときには『アンド・アイ・ラブ・ハー』を使おうと思っていましたので、いつもよりは多少しっとりとした雰囲気で一年が過ぎていく物語になっています。
◆とはいえ、普段通りにドタバタした事件も起こります。子供たちの成長に合わせて、青春の悩みや恋の喜びや人生の節目も訪れます。少しでも「おもしろかった!」と愉しんでいただけたら、そして「明日も頑張ろう!」という気持ちになっていただけたら嬉しいです。
◆サイン会の告知をFBやTwitterで行っていますがこちらにも載せておきますね。もしお時間が合いましたらぜひ。お問い合わせは各店舗の方にお願いします。
●東京・三省堂書店池袋本店:4月26日(金)18:30〜
●札幌・文教堂北野店:4月27日(土)15:00〜
なかなかのハードスケジュールなんですよ(^_^;)。
◆サイン本は今年もたくさん作ります。どこに入荷するかはわかりませんが、25日に集英社さんに行って書く予定なので、発売日よりちょっと後に出回るかと思います。そちらもよろしければお願いします。
◆来年の話もしちゃいますけど、来年も本編です。そして再来年は四年に一回の番外編ですね。

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