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2015年9月6日(日) 日々
◆曇ったり晴れたり。yukainookite
◆相変わらず原稿書きの毎日。締切りに追われているのは明らかに自分の執筆ペースが落ちているからだ。以前なら一日に30枚ぐらいは軽く書けたのに今は10枚で精一杯なんていう日々が続く。困ったなぁと思う。
◆最近ちょっと落ち込むことが多い。いやそれは大げさだな。軽くへこむことがある。信頼する読み手さんが激賞している作品を読んでみると「うん?」と、何だかさほどではなかったり、素晴らしい書評家さんが勧める人の文章にも「うーん」と、何も引っ掛かりを感じない、ということが多くなっているのだ。自分の本読みとしての感性が鈍ってしまったのかなぁと思う。もう俺は駄目なのかなぁとも思う。そうなると自分の作品もきっと全然駄目なんだろうなぁと思ってしまったりする。そういえば誰も話題にしてくれないしなぁそういえばこの新連載のプロットも全然おもろしくないじゃんなぁ、と、どんどん凹みループに陥っていく。
◆しかーし、その凹みループがほんの10分も続かないのが私の完璧なる長所だヽ( ´ー`)ノ。ま、しょうがねぇよなそんなこと考えたってどうにかなるもんでもなしほら俺ってたぶん天才だからさ、と、気分を上げていける。あるいはたまたま見つけた素晴らしい音楽を聴いて、これいいじゃん! と一気に燃えあがる。新作映画の予告編を観て、すげぇ! と、創作意欲が湧き上がる。そうしてまたキーボードを叩き始めるのだ。まったくもってお手軽にできている自分を嬉しく思う。まぁそれが短所だという向きもあるだろうがいいじゃないか。世界はいろんな人がいて成り立っている。いろんな人がいないと成り立たないのだ。
◆今、自分ができる精一杯のことをやる。どうしてもできないことは人を頼る。頼られたら自分のできる範囲でそれに応える。応えてくれたら今度頼られたときにはちゃんとお返しする。こんな簡単なことで世の中はいい感じループで繋がっていくんだぜ。

9月8日(火) 『花咲小路二丁目の花乃子さん』
◆晴れ。穏やかな天候。kanokosan
◆見本は届いていたのですが、諸事情によりここでお知らせするのが遅れました。今月の単行本新刊『花咲小路二丁目の花乃子さん』(ポプラ社)が、今日配本です。おそらく二、三日中には全国の本屋さんに出回るのではないかと思います。
〈花咲小路シリーズ〉の第三弾です。『花咲小路四丁目の聖人』『花咲小路一丁目の刑事』、そしてこの『花咲小路二丁目の花乃子さん』です。怪盗、刑事、と来て、今回は商店街らしく〈お花屋さん〉を営む花乃子さんの物語です。タイトルには花乃子さんが入っていますが、実は語り手であり主人公は、花乃子さんの従妹の〈めい〉です。高校をある事情で自分で辞めためいちゃんは、〈花の店にらやま〉で働きながら勉強するために〈花咲小路商店街〉にやってきました。時系列では『花咲小路一丁目の刑事』とほぼ同じ時期です。淳ちゃん刑事が〈和食処あかさか〉に帰ってきてから、少し経ってめいちゃんが来た感じですね。なので、もちろん商店街には〈怪盗セイント〉が置いていった三つの像があります。
◆〈花の店にらやま〉は、花乃子さんと双子の弟である柾と柊の三人でやっているお店です。両親を事故で亡くしてからは、花乃子さんが親代わりでお店を切り盛りしているのですが、実はそこにもちょっと幼かった自分が知らなかった事情があるんだ、と、めいは聞かされます。そしてさらに、めいは働き出してすぐに、花乃子さんの驚きの秘密に気づきます。それは……。そこから、物語は〈花言葉の魔法〉を纏って動き出します。
◆もちろん、四丁目と一丁目で活躍したセイさんや、淳ちゃん刑事、そしてミケさんなど商店街のお馴染のメンバーも登場します。ちょっと不思議な人たちがたくさん暮らす〈花咲小路商店街〉の物語を楽しんでいただけたら嬉しいです。
◆実は若い頃に花屋さんでアルバイトをしていました。今回はそのときの経験が役に立ちましたね(^_^;)。どうぞよろしくお願いします。

9月18日(金) 日々
◆曇り後雨。eguchihisashi
◆またしても更新をサボっていた日記を今日こそ更新しようと想って開いたら全部壊れていたっていうか開けねぇ! このサイトを作っているソフトがおかしいのか! と、_| ̄|○になっていた。ここで確認させていただきますが、このサイトはブログじゃありません。古式ゆかしいテキストサイトです。僕がソフトを使って作っているんです。どうしようかなぁまったく。今まで幾度となくもう日記の更新を辞めてしまおうかというトラブルに見舞われているんだけど、その都度もう十何年も続けているんだからなぁと。そう、もう今年で19年続けてますよこの日記。始めた頃の日記なんか読めないですよ恥ずかしくて(だから読めないようになってます)。その昔に壊れたデータもいまだ修復できていないしね。あぁ困った困った。誰かにやってもらおうかな。
◆写真は江口寿史さんの画集『KING OF POP』。これは買いでしょうね。間違いなく。
◆毎日原稿を書いているだけの何の変化もない毎日。もちろん、社会は動いている。国会辺りは大騒ぎだ。僕の思いは何も変わらない。世界平和を望むし、日本という国が世界中から平和の国であると認められることを、そうであり続けることを望む。
◆声を上げられる人間ではないと自覚している。臆病で小心者だ。物語を書くだけで精一杯だ。だからその精一杯の思いを、物語に込める。読んだ人が心に灯りを灯し続けられますようにと。

9月20日(日) 『花咲小路一丁目の刑事』文庫化
◆晴れ。穏やかな日。hanasakikeijib
◆世間ではシルバーウィークなるものですが、もちろん子供ももう家にいない年寄りの自由業小説家にはお休みは何の関係もなく、出かけない日々。いやいつもほとんど外出しないんだけど。そんな日に見本が届きました。『花咲小路一丁目の刑事』(ポプラ文庫)です。来月、10月3日頃に発売予定です。〈花咲小路シリーズ〉の第2弾の文庫化ですね。1作目の『花咲小路四丁目の聖人』を書いたときにはシリーズ化などまったくこれっぽっちも考えていませんで、設定として〈花咲小路商店街〉は四丁目まであってアーケードは三丁目までしかなくてお店はこれだけあって、と、最低限の設定しかしなかったのですが、お陰様でシリーズとして書かせていただけることになって、さて、と、考えた物語。1作目が怪盗なんだから、じゃあ次は刑事だろうと(^_^;)。しかも事件を解決するんじゃなくて非番の日の商店街の刑事を描こうと。主人公の若き刑事は赤坂淳という名前ですが、淳で背が高くて刑事とくればそうです、『太陽にほえろ!』のマカロニもジーパンもテキサスも〈じゅん〉という名前でしたね(^_^;)。そんなささやかなオマージュも込めました。〈花咲小路商店街〉の一丁目にある〈和食処あかさか〉が、淳の生家であり、今は祖父祖母が住んでいる家です。刑事になって地元に戻ってきた淳は、非番の日になると何かと祖母から〈ご近所のささいなトラブル〉の解決を頼まれます。断り切れずに淳は非番をつぶしてトラブルの解決にあたるのですが……という物語。もちろん『花咲小路四丁目の聖人』に登場した皆も活躍します。楽しんでいただけたら嬉しいです。
◆シリーズ第3弾の『花咲小路二丁目の花乃子さん』も発売中です。どれから読んでも大丈夫なようにしてはいますが、やはり1作目から読んでいただくとより楽しめると思います。どうぞよろしくお願いします。
◆シリーズ第4弾『花咲小路三丁目のシンヤ(仮題)』も間もなく連載開始しますが、もちろん一丁目から四丁目の皆も登場させる予定です。ますます拡がる〈花咲小路商店街〉をどうぞご贔屓に。