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2014年8月1日(金) 日々
◆晴れ。暑い日。夜になってもまだ家の中は暑い。mandera
◆ここ何日か真夏日が続いている。ちょうど〈北海道立文学館〉の〈中高生のための夏休み文学道場〉の三日間が真夏日に当たるというのは神様も意地悪をするもんだと嘆きながら三日間外出して通った。今年も中高生が集まってきて、それぞれの物語をどうやって書いていくかという話をしてきた。例年の倍近い人数が集まって17名。男子は一人(^_^;)。毎年男子は一人なんだよね。
◆物語を書きたいという子がこんな時代でもたくさんいてくれることは本当に嬉しい。僕が教えられるのは本当に基本的なことしかない。ましてや中学生の書く文章を真っ赤にするようなことはしないでいいと思う(高校生には少し厳しく言うけどね)。とにかくたくさん本を読んで、映画を観て、漫画を読んで、そして勉強をして友達と遊べばいい。
◆作家なんていつでもなれるんだ。世の中にたくさんある物語を楽しんで、そして自分が楽しいと思う物語を好きに書けばいいんだ。がんばれ中高生。夏休みを楽しめ。
◆写真は映画『マンデラ 自由への長い道』
◆まぁさすがに17人もの〈書きたい物語〉をきちんと読み込んでその子に合うと思われる方向を指し示してあげる〈先生〉の役割は疲れました。原稿を書くより疲れます。今日は休もうと思う。
◆専門学校や大学でも講師をしたけれど、〈先生〉って本当に生徒に愛情がないとちゃんとできないってつくづく思う。世の中の先生たち、子供への愛情を忘れないようにしてください。お願いします。

8月3日(日) 日々
◆連続の真夏日更新中の北海道。夏は暑いのがいちばんだ。takeuchimariya
北海道日本ハムファイターズは六連勝をしたのにもかかわらず肝心の上位対決で1勝2敗。それじゃあ何にもならないんだが、まぁまだ3位はキープしてる。コンサドーレ札幌はまたしても無様な試合で北九州に負け。せっかくのプレーオフ圏内からまた遠ざかる。
◆負けてもいいのだ。勝ったり負けたりするのが勝負事なのだ。でも、プロスポーツは観客つまりファンあっての勝負事。勝っても負けてもファンを(サポーターを)魅了してなんぼの世界なのだ。日ハムもコンサも現在の監督さんにはそこの魅力がまったく感じられない。采配の妙とか、戦術眼の凄さとか、選手起用の大胆さとか、そういうところでの楽しさを感じられないのだ。もちろん、監督の仕事はどうしても結果論で語られるので可哀想なんだけど、それでも、だ。負けても「よっしゃ! 今日は運が悪かった! 次だ次!」と思わせてくれる試合運びを見せてほしいのだ。特にコンサ。社長も含めて。小野をJ1に連れて行けなかったらマジで責任問題だぞ。
◆写真は日本のポップスの女神竹内まりやの新譜〈TRAD〉
◆ちゃんと怒ることは必要だと思う。特に企業は。商売人は。芸人の芸を磨くのは観客の目なのだ。芸人は矜持と覚悟を持って大向こうを唸らせる芸をして、素人は長年培った確かな目でそれに賛美を贈るのだ。自分の商品に自信を持ち、間違った認識を持つ客には正しい言葉で教育しなきゃいけない。間違ったクレームは正しい礼儀ではねつける。そういうことをきちんとしなきゃ、歪んだものは直っていかない。

8月8日(金) 日々
◆曇ったり晴れたり。brutusoutdoor
◆小さい頃から涙もろかった。すぐにわんわん泣いてしまう泣き虫というわけではなかったのだけど、感情が昂ぶると涙がぽろりとこぼれてしまったのだ。それをぐっと我慢している子供だった。とにかく喜怒哀楽の感情が湧いてくると涙がぽろりなのだ。〈男の子が泣いたら恥ずかしい〉という時代の子供だったので、自分が恥ずかしかった。どうしたら涙が出なくなるだろうと考えて、感情を昂ぶらさなければいいのだと思いついた。小学生の頃だ。温厚な人間と思われているんだけどそうではなく、常に冷静に、ニュートラルな状態でいようと小学生の頃から頑張ってきたので、表向き優しそうに見えるだけの話なのだ。実際の僕はかなり怒りっぽいし泣き虫だし感激屋だ。
◆なんでそんな話をしているかというと日ハムとコンサのていたらくに怒っているからだヽ( ´ー`)ノ
◆もう大分前の話なんだけど友人とバーベキューができる公園で、まだ小さかった子供たちと楽しんでいると、隣で火をおこせない家族がいた。お父さんが炭を熾すのに四苦八苦しているのだ。見かねて僕がやってあげたのだけど、たかが炭を熾すこともできない男がいるのかとびっくりした。僕はもう古い人間でそれこそお風呂の湯を石炭で沸かしていた時代の人間だからなんでもできる。アウトドアライフだってどんとこいだ。でも今は家に火がない時代でもある。マッチひとつない家だってあるだろう。オール電化で火を使わず料理だってできる。でも、男はマッチの擦り方ぐらいは、炭の熾し方ぐらいは覚えておいた方がいいと思うな。
◆話がまったく繋がっていないが、頼むよホント。日ハムとコンサ頑張ってくれよ。

8月11日(月) 日々
◆曇ったり雨が降ったり。sastokyo
◆温帯低気圧になった台風の影響で北海道内は各地でいろいろ被害があったけど、我が家近辺はほとんどなにもなく、ただ天気が悪かったという一日。
◆僕は50過ぎのおっさんで古い人間なので、やはり男らしさ女らしさというのはあるべきだと思う。もちろん、社会的な男女平等はしっかりと確立すべきだ。いまだに蔓延っている男尊女卑的な考え方の男はもう全員死んでもいいと思ってる。もし僕が神なら今この場で消し去ってやる。そうではなくて、男と女は明らかに違う性質を持った人間なのだからそこはお互いに尊重すべきものがあるだろう、という話だ。世界的に見ても危機緊急時に優先するのは〈女性と子供の命〉となっている。軍隊でも警察でもレスキューでも先進国ならばそれは徹底されているはずだ。男は女性と子供を守るためには自らを犠牲にしなきゃいけない。女性は子供と一緒に生きるために生き延びなきゃならない。それは人間という種を守るための基本的な部分だ。だから、男は少なくとも緊急時に女性と子供を守るための術を少しは覚えなきゃならない。男はたくましくあれ、というのはそこの部分だ。危機緊急時に実践できるかどうかは別問題としても、忘れてはいけないことだと思う。
◆だから、男は男らしく、女は女らしくという基本はいつまでもあるべきだと思う。その基本の上で、どう生きるかは個人の自由だ。自由とは常に責任と義務を理解した上にあるべきものなのだ。と、思う。写真はサザンオールスターズの新譜〈TOKYO VICTORY〉

8月14日(木) 墓参り
◆晴れ。もう朝晩は涼しい北海道。maisie
◆墓参りに行ってきた。実家のある町や、母方の先祖のお墓がある町へのロングドライブ。往復でおおよそ350キロほど。
◆結婚前は、一人暮らしを始めてから結婚するまではお盆の墓参りなどしたことなかった。そもそも実家に寄りつくこともなかった。何度もここで書いているが『家族小説が上手い』などと言われているが僕は小さい頃から家族や親族に対する思いは希薄だった。幼稚園の頃から早く家を出たいと考えている子供だった。だから、実家に顔を出すようになったのも結婚してからだ。妻に「盆暮れ正月に顔を出さないでどうするの」と怒られてからヽ( ´ー`)ノ。子供が生まれてからは、孫の顔を見せにさらによく帰るようになり、必然的に墓参りも行くようになった。行くようになってからふと「どうしてこんなふうに何も迷わずにお参りできるのか」と考えた。お墓の周りを掃除したり墓石を拭いたり線香を立てたり拝んだり何も考えずに身体が動いた。あぁこれは小さい頃、父母に連れられて法事や葬式や墓参りに連れていかれた頃の記憶なのだなと。身体に染みついた普通の生活の中にある作法。無宗教でも信心深くなくても刻まれる亡き人を思う心の形。そういうのは、守るべきものだなと思う。
◆写真は映画『メイジーの瞳』。子供の眼差しも、守るべきものだ。
◆とはいえ、自分の息子達に押し付けるものでもない。僕は小路家の墓を守って死んだら入れてもらうつもりだけど、その後のことは息子達には好きにしろと言ってある。

8月18日(月) 日々
◆晴れたり曇ったり。もう涼しい北海道。tokyoska
◆昨日の昼ごろ、ふと「眼がかすむ?」と気づいた。左目だけがかすんでいる。ゴミが入ったとかどこかにぶつけたとか一切なし。本当にふと気づいた。確かに左目だけが、眼の前に薄い膜を張ったようにかすんでいる。そして鏡で見ると充血している。なんだろうなぁと思いつつ、その夜に所用で車を運転すると明らかにおかしい。対向車のヘッドライトや街灯の光が丸く滲んでいる。あぁこりゃおかしいなぁと。他に何か自覚症状があるわけじゃないんだけど、執筆をしていてもその左目のかすみだけが大きくなっていく。なので、眼科に行ってきた。何せ眼は商売道具だ。この頭と指と眼だけで飯を食っているようなものだ。
◆結論としては眼圧が上がり炎症も起こしているらしい。原因は不明。とりあえず点滴を打って眼圧を下げて、さらに飲み薬と点眼薬。今のところ、症状は落着いたみたいだ。かすみもなくなったと思う。
◆しかし何せ病気知らずの身体で病院の処方薬なんか滅多に飲まないからやたら効く。身体の中を薬が巡ってるのがわかるヽ( ´ー`)ノ
◆基本的に病院嫌いというか、いや嫌いじゃないな、多少のことなら人間の身体は自分で治すっていう頭があるんだ。食って寝りゃ治るってやつだね。でもまぁ眼はヤバい。まだこの先も小説を書きたいから大事にしないと。写真は〈東京スカパラダイスオーケストラ〉の25周年アルバム『SKA ME FOREVER』
◆皆さんも身体は大事にしてください。身体が元気なら、何とかなるヽ( ´ー`)ノ

8月22日(金) 『壁と孔雀』
◆曇ったり雷雨になったり。kabetokujyaku
◆眼圧がまだ高いとかで薬を飲んでいるんだけど、どうも副作用が全体的に調子が悪い。まぁ普段薬なんか飲まないからね。そんな日に新刊見本が届きました。ハヤカワミステリワールド『壁と孔雀』(早川書房)です。〈ミステリマガジン〉に連載していたものです。早川書房さんからの前作は『僕は長い昼と夜を過ごす』でした。その時にも書きましたが、僕の原点はミステリであり、大人のミステリ遍歴はハヤカワミステリ文庫の〈エラリィ・クイーン〉から始まりました。初めて執筆依頼を受けたときには本当に嬉しかったです。今回、依頼を受けたときにふと思いついたのは〈少年とボディガード〉でした。本格的な推理物など(書きたいけど)無理ですから敬愛するエラリィ・クイーンの中でもいちばん大好きな〈ライツヴィル〉シリーズのように風光明媚な田舎を舞台にして、そこでボディガードと少年が……と、考えたときにもう町の名前は決まりました。北海道の〈来津平(らいつびら)〉です。
◆ご存知のように北海道の地名には難読のものが多いです。それは先住民族であるアイヌの言葉を元にしたものが多いからです。ちなみに濃昼なんて地名もあるんですよ読めないでしょ?ヽ( ´ー`)ノ この〈来津平〉はまったく架空の町ですが、北海道の人なら「どこかにあったかな」と思うぐらいリアリティがあるのですよ。
◆物語は警視庁警備部警護課、つまりSPである土壁が職務で怪我をして、リハビリを始める前に母の墓参りに〈来津平町〉に向かうところから始まります。幼い頃に離婚してから一度も会えないまま母は事故死し、この機会にと思い立ったのです。初めて訪れる北海道の田舎町。その美しさに土壁は感嘆します。そして母の実家で彼は、初めて自分には異父弟いることを知らされます。弟の名前は未来。小学五年生で母譲りの美しい顔立ちの少年でした。しかし彼は何故か家の座敷牢に住み……。人を護ることが仕事であり、それに文字通り命を賭ける土壁が、母の故郷で守らなければならないと決意したものは? 楽しんでいただけたら嬉しいです。

8月28日(木) 東京
◆東京は二日間曇りと雨。札幌近郊は晴れ。seventeen
◆気温は東京も札幌も同じぐらいだったんだけど、湿度の違いで札幌は爽やか。これぞ北海道の夏の終わりという天気。
『旅者の歌』を電子書籍で先行販売しているSONY Readerさんのイベントで、人数限定の食事会があり、東京に行っていた。参加されたファンの皆様お疲れ様でした。楽しい夜でした。また開催スタッフの皆様ありがとうございました。お疲れ様でした。幻冬舎の担当編集さんもお疲れ様でした。楽しかったです。
◆でもそんなに売れてるわけでもないのに、こんなイベントを開催してもらって申し訳ない気持ちでいっぱい(^_^;)。頑張って『旅者の歌』第三部を書きます。
◆東京滞在中に、河出書房新社さん、集英社さんとも打ち合わせ。お疲れ様でしたごちそうさまでした。引き続き頑張ります。他にも打ち合わせが必要な出版社さんもあったのですが、今回は二日間の滞在だったのでまた今度ということで申し訳ないです。何せ締切りがきつくて。
◆もちろんそれ以外はいつもの定宿のホテルでひたすら執筆。小雨混じりの天気だったしね。ちょっと行きたいところへ散歩でもしようかとも思ったんだけど、やめました。雨の日は部屋にいるに限る。
◆まぁ言ってもしょうがないのに毎回言うんだけど飛行機は苦手だ。新幹線よ早く札幌まで来てくれないか。写真は映画『17歳』
◆東京で担当編集さんと話す度に、自分がいかに仕事に恵まれているかを実感する。こんなしょうもない作家に執筆をたくさん依頼してくれる編集者の皆さんに〈本が売れる〉という形で恩返ししたいんだけど、それもなかなか上手く行かない。でもぐだぐだ悩んでもしょうがない。とにかく書く。書くしかない。
◆もうすぐ9月になってしまって、本当にまずい。今更ですが、またここの更新が途絶えがちになると思います。

8月31日(日) 〈A WONDERFUL LIFE〉
◆晴れ。さわやかな天気。togo
◆(北海道以外の)日本よこれが北海道の夏の終わりの快晴だ、と言いたいぐらいの素晴らしい天気。北海道マラソンも行われたようだし、身体を動かすのには最高の日だったんじゃないか。そんな日に行われた日ハムは惜敗。まぁ相手投手が良すぎたってことか。そしてコンサドーレ札幌は財前監督が解任された直後の試合。鬼門だった熊本で2−0の勝利。何が変わったというわけではなく、小野加入以前から変わらないスタイルで良い結果が出たというだけの試合。ただスタメンには名塚コーチの考え方が反映されたのかな? そこは僕も個人的には納得の選手起用だった。新監督がカンフル剤となって、J1復帰を狙えるかどうか。全てはここからまた。
◆写真は東郷昌和さんの初めてのソロアルバム〈A WONDERFUL LIFE〉。以前にもお伝えしましたが、僕も作詞で2曲参加させていただきました。東郷さんは僕らの年代であれば誰もが知るデュオ、ケンとメリーの愛のスカイラインでおなじみの〈BUZZ〉の方です。音楽活動40年という大ベテランなのですが、今回初めてのソロアルバム。プロデュースは伊藤銀次さん。参加ミュージシャンは高橋幸宏さん、小原礼さん、杉真理さんなど豪華メンバーです。銀次さん繋がりで僕は作詞依頼を受けたのですが、ミュージシャンを目指して挫折して今は小説家になった身としては、作詞家として〈音楽〉に係われたのが本当に嬉しかったです。僕が作詞した曲は〈あなたはるか〉(作曲:伊藤銀次)と〈東京の少女〉(作曲:東郷昌和)の二曲です。もうネットでも予約は始まっています。あたたかくさわやかで上質な〈日本のポップス〉をぜひどうぞ。YouTubeのこちらでも全曲のさわりが聴けます。
◆まぁ、あれだね。願えば何でも叶うわけじゃないし叶わないことの方が多いんだけど、それでも願わなきゃ、意志がなければ道は通じないし、願いは叶わないってことだね。10代20代の頃に夢見たミュージシャンに少しだけ近づくことができたような気がします。