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2014年7月1日(火) 小路幸也の日々
◆晴れ。暑い日。でも夜になると涼しい。hobit2
◆相変わらずここに書くネタがない。更新頻度がかなり少なくなっている。実際のところ本当に僕はずっと家にいるのだ。
◆たまに妻と一緒にイオンに買い物に行ったりお昼ご飯を食べに出かけたりしているけれど、それは多くて週2だ。週5はずーっと家にいる。酒も飲まないので飲みに行くこともない。外出するような趣味もない。家の外に出るのは鳥の餌台に餌を置きに行くぐらいか。なので一日置きぐらいのランニングはしておかないとマジで運動不足になってしまう。なので、小路幸也は家にいるか東京のホテルにいるかのどっちかという生活になっております。今後はここに書けるネタを何とかして増やそうと思っている次第。
◆まぁワールドカップはずっと観ているけれどここでいろいろ語ってもね。あれだしね(^_^;)。楽しめばいいんだよ僕らは。
◆6月に『すべての神様の十月』(PHP)が出ましたが、この後毎月単行本新刊が出ます。7月には『ビタースイートワルツ』(実業之日本社)、8月には『壁と孔雀』(早川書房)、9月には『スターダストパレード』(講談社)ですね。その間に文庫本も出ます。7月には『キシャツー』(河出書房新社)、8月には『荻窪 シェアハウス小助川』(新潮文庫)です。相変わらず出し過ぎですが、どうぞよろしくお願いします。
◆その他、『旅者の歌』は第二部の単行本化を進めています。そして第三部も先行する電子書籍配信に向けて書いています。ポプラ社さんから出す予定の〈少年探偵団〉も準備を進めています。そうこうしているうちに今年も押し迫ってきて『東京バンドワゴン』シリーズ最新作を書き始めるでしょう。仕事があるのは、本当にありがたいことです。この夏も頑張って乗り切ろう。写真は映画『ホビット 竜に奪われた王国』Blu-ray。

7月4日(金) 『Bitter sweet Waltz ビタースイートワルツ』
◆晴れ。穏やかな天候。bittersweetwaltz
◆今月の新刊の見本が届きました。どうでもいいことですが大体見本って10冊届きます(もちろんタダ)。そして僕の場合はけっこう残ってます(^_^;)。
◆今まで『モーニング』『コーヒーブルース』と続けてきました〈ダイ・シリーズ〉の3冊目になります。『Bitter sweet Waltz ビタースイートワルツ』(実業之日本社)です。
◆1作目『モーニング』でダイと大学生時代の同級生たちの20代と40代を交互に描き、2作目『コーヒーブルース』では30歳のダイとダイの店である喫茶〈弓島珈琲〉に集う常連たちが巻き込まれた事件を描きました。今度の『ビタースイートワルツ』では、40歳になるダイと店の常連たちが再び事件に巻き込まれます。なので、『モーニング』の大学時代の同級生たちは今回も出てきません(名前ぐらいは出てきます)。実質上『コーヒーブルース』の次の事件と考えてもらえばけっこうです。『コーヒーブルース』では中学生だったあゆみも大学生になり、ダイももうすぐ40歳というある日、相変わらずダイの家に下宿している刑事の三栖の部下が訪ねてきます。何があったかと思えば、三栖が行方不明になってしまったというのです。しかも、〈ダイへ〉という謎のメールひとつを残して。同時に、あゆみの親友の女の子が大学を無断欠席していることがわかります。あゆみに頼まれ彼女のマンションを訪ねたダイはそこにいるはずのない男の影を感じます。まったく別の事と思っていたのですが、謎の男の出現でその二つの事件が繋がっていき、ダイと店の常連たちは再び事件解決のために集まり、奔走する、という物語です。前作『コーヒーブルース』の時は携帯電話もない時代でしたが、今回はちょうど出始めた頃。ダイも事件解決のために携帯を買って皆と連絡を取り合います。こうして時代を10年置きぐらいに書いていくと、本当にゆるやかではあるけどいろんなことが変わっていってるんだなぁと感じます。
◆シリーズにするつもりはまったくなかったのですが、皆さんのお蔭でこうしてダイたちの人生を少しずつ積み上げてくることができました。実はこの後も〈ダイ・シリーズ〉は続けようかという話もあります。コーヒーとミートソーススパゲティの香り漂う物語。どうぞよろしくお願いします。

7月5日(土)『キシャツー』文庫化
◆晴れ。今日も穏やかな天気。kisyatsubunko
◆実は昨日、『ビタースイートワルツ』と同時に届きました。河出書房新社さんから出した『キシャツー』(河出文庫)が文庫化されました。
◆〈キシャツー〉とは〈汽車通学〉のことです。北海道では蒸気機関車が長い間現役で走っていたこともあって、電車や列車のことを〈汽車〉と呼ぶ人もまだいます。そして地方では電車通学、まぁ正確にはJR通学なんですが、そのことを汽車通学縮めてキシャツーと呼ぶ地方もあるらしいです。らしいですっていうのは僕はその地方の人間ではないので(^_^;)。そもそもこの物語は担当編集さんが持ってきた一冊の写真集から始まりました。田舎の電車通学する高校生たちを撮ったとても素敵な写真集。担当編集さんがえらく気に入っていて「この世界を小説にできないでしょうか」と言い出したのです。で、なるほど、と。それならば、名前もわからない北海道の田舎町の高校生たちのひと夏を描いてみようかな、と、始めた連載でした。
◆舞台は一応北海道のどこか、としていますが、多分に〈架空の町〉としての色合いを帯びています。突き詰めて考えると北海道ではこれはないんじゃないか? と思われるようなところもちらほらありますが、そこはそれ僕の物語ですからイメージを優先しています(^_^;)。できるだけ余計な描写をしないで、ただひたすら高校生たちの会話をそのまま聞いているような、映像を観ているような物語にしようと思って書きました。それはある程度できているかなと思っています。タイトルが『キシャツー』なのに実は電車もしくは列車(正確には気動車ですよね)に乗っている間に物語が進むことはあまりないです。東京からやってきた高校生と地元の高校生たちの触れ合いがメインです。
◆僕自身は常にトホツーかチャリツーでした。あ、バスツーも一時期あったか。自分たちの高校時代のことを思い出しながら、読んで楽しんでいただけたら嬉しいです。

7月9日(水) ソングライティング
◆晴れ後雨。雷鳴も。ultlasevenb
◆台風が上陸していますが、皆さんどうぞお気をつけください。北海道はほとんど台風がやってこない土地なので、50数年の人生でもまともに台風がやってきたのは確か1、2回です。まぁ来ないにこしたことはない。
◆ミュージシャンの伊藤銀次さんのFaceBookで書かれていましたが、久しぶりに歌詞を書きました。BUZZの東郷さんのソロアルバムにです。詳細は銀次さんのFBに譲りますが、元々僕はミュージシャンになりたかった男です。中学のときにフォークギターに出会い音楽に夢中になりました。中でも、ソングライティングつまり作詞作曲することが大好きだったのです。自分のオリジナルソングを作りたくてしょうがなかった。自分だけのオリジナルを作ること、結局それが今にも繋がっているのです。
◆中学・高校、そして24歳ぐらいまではソングライティングをしていました。作った曲は数えたことはないですが、たぶん100や200はあると思います。たとえ才能がなくてもそれだけ作れば中にはひとつふたつは、けっこう良い曲があったりします。ちゃんとアレンジすればそこそこ人様に披露できるものになるんじゃないかと(^_^;)
◆ただ、今回銀次さんに頼まれて作詞はしましたが、自分の言葉の捉え方がソングライティングをしていた昔とは変わっていると感じました。やはり〈小説家〉になってしまっているのです。以前は感じるままに素直に出してきた言葉の連なりを、物語として意味のあるものにしようとしてしまうのです。なので、今回はそこで悩むことはしないでそのまま〈小説家の小路幸也〉として作詞をしました。自分の中では〈昔の歌詞の方がテンポがあったなぁ〉と苦笑いしてしまったのですが、生まれて初めてプロの一流のミュージシャン、BUZZの東郷さんと銀次さんに曲をつけてもらって感激しています。僕も東郷さんのアルバムの発売を楽しみにしています。
◆写真は全然関係ないけどついに発売の『ウルトラセブンBlu-ray』
◆あっ、そういえば実はね、トライプレインにも歌詞を書いたんだけどひょうえくんなかなか曲をつけてくれないんだよヽ( ´ー`)ノ

7月22日(火) 日々
◆晴れ。暑い。otonawa
◆たぶんこの日記を始めて以来の長い未更新記録を作ってしまった。13日間か。ネタが何もないのはもちろんだけど、連載などの締切りが今月はとにかくたくさんあって(10以上)、毎日締切りを迎えているような状態でとても日記を書けませんでした。楽しみにしている方がいらっしゃったら、本当に申し訳ないです。まだまだ締切りロードは続くのだけどここでちょっと一息ついて更新。
コンサドーレ札幌で小野がデビュー戦をやったり、大谷くんがオールスターで162キロを出したり、スポーツの方ではなかなか楽しませてもらっている。でも、コンサはまぁ小野の今後に期待するとしても日ハムが今一つしゃきっとしない。3位独走ヽ( ´ー`)ノ。もちろんレギュラークラスの怪我人を何人も抱えて3位というのはある意味では立派なんだが。
◆ものすごく傲慢な言い方だけど、たまに観るテレビに頭の悪い人に向けて作っているとしか思えないものがある。どうしてこんな風にバカに向けて作らなきゃならないんだろうと本当に疑問に思う。制作者の頭が悪いのだろうか。本当にそんな言い回しで申し訳ないけど、文化はレベルを下げると腐っていくものだ。常にレベルを上げる努力をしなきゃならない。魂を下げないようにしなきゃならない。どんなに生暖かい眼で観ても、そういうふうに考えて作っていないテレビ番組が多いような気がする(特に朝方の情報番組)。
◆まぁ自分の事は棚にあげているんだがヽ( ´ー`)ノ
◆写真は名画『大人はわかってくれない』

7月23日(水) 思い出のマーニー
◆雨が降ったり晴れたり。omoidenomarny
◆久しぶりの雨だったので気持ちが良かったのだけど、雨上がりにはぐっと湿度が増してむしむし状態。
◆実は老いた母の面倒を見に実家のある旭川に三泊ほどしてきた。もちろん原稿書きに追われてはいたのだけど、ちょっと空いた時間に妻と二人で、実家から車で10分ほどの映画館へ。ジブリの新作映画『思い出のマーニー』を観てきました。記事などによると、宮崎駿さんが一切関係していない(口出ししていない。しても無視したヽ( ´ー`)ノ)初のジブリアニメだとか。監督は『借りぐらしのアリエッティ』の監督さんですね。
◆(原作は読んでいません)舞台が北海道は釧路の辺り。主人公は札幌に住んでいる女の子。札幌駅の様子などは慣れ親しんだものでした。釧路の辺りと言いましたが、根室や釧路、そして釧路湿原、僕らが道東と呼ぶ地域のイメージをメインとした架空の海辺のそして湿地帯がある港町なのでしょう。この辺り、上手い設定だなと思いました。原作はイギリスでしょうから気候的にも環境的にもとてもよく合うと思います。物語の詳細を語りはしませんが、既に僕らの中には〈ジブリのアニメ映画〉という確固たるイメージがあります。宮崎監督らの作り上げた、そして彼らにしか作り得なかった強烈なイメージをどう受け継いでいくのかが大きな課題だと思うのですが、その辺りはとてもよく消化されているように思いました。宮崎駿監督作品が醸し出す目を見張るような〈何か〉はないものの、そのイメージを〈良く〉消化させ作品に投影し、かつ、瑞々しさにあふれた今を生きる(そして普遍的な)少女の心の機微が素直に感じられました。素晴らしかったと思います。多くのジブリ作品と同じように、心にそっと残っていくような映画でした。そして何よりも、ここには実写映画が表現できない、アニメーションしか映し出せない〈何か〉がありました。だから僕らはアニメが大好きなんですね。
◆野球にたとえるなら(いや、野球にたとえる必要はまったくないんだけどさヽ( ´ー`)ノ)、痛烈な連打で満塁になりさらに大きな満塁ホームランをかっ飛ばして取った4点ではなく、じっくりと四球を選び足を使って内野安打にし盗塁をして、クリーンヒットで1点を入れてさらにそれを積み重ねて4点を取った。そんな感じです。方法も観ている方の興奮の度合いも全然違うけど、でも、同じ4点です。
◆またひとつ、良い映画作品が生まれたと思います。

7月24日(木) 『荻窪 シェアハウス小助川』
◆晴れ。暑いよ。30度越え。ogikubobunko
◆夏は暑くなくちゃと言いながらとにかく忙しくて夏を迎える心構えが出来ていなかったので余計に暑い。実家に帰っている最中に文庫新刊の見本が届いていました。『荻窪 シェアハウス小助川』(新潮文庫)です。親本の単行本は2012年の発売でしたね。〈小説新潮〉さんでの連載作品だったのですが、まったく売れなかったせいかこれ以降執筆依頼が来ません。(ノд-。)クスン
◆連載時のタイトルは『荻窪 小助川医院』でした。きっかけはおぼろげですが、たくさんの人が集まる物語が読みたいというオーダーが担当編集さんからあり、それならば古い医院を改装したシェアハウスに集う人たちの物語はどうだろう、から始まりました。古い医院というのが僕の中でのフックでしたね。ですから実は主人公は医者であり管理人であるタカ先生なのです。実は僕は物語を書くときにまったくと言っていいほど取材をしない作家でして(^_^;)、今まで取材旅行も何も一切してません。でもこれを書くときに担当編集さんが妙に張り切りまして、都内のシェアハウスを一緒に何件か回りました。もう単行本を50冊も出してますけど、あれがいまだに唯一の取材旅行でしたね。
◆実はこの物語、単行本化する際にかなり削りました。連載自体が長く分量もあったのでスリムにしたのです。文庫化のときにはそれを全部載せようと思い、単行本よりページ数大幅増となっています。なので、シュアハウスに集う人たちのエピソードが単行本よりも細かく語られています。ちょっと長いかなーとも思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
◆ところで何故〈荻窪〉だったのか、という点ですが、東京のどこかというのは最初から決めていたのです。どこにしようかなーと考えていたときにふと頭の中にあるメロディが浮かんできました。南こうせつさんの〈荻窪二丁目〉という歌です(YouTubeで探したらありましたので興味のある方はぜひどうぞ。いい歌です)あぁ、荻窪か、と。(^_^;)。そんなにメジャーでもなく、生活感があり、いい街並みだよなと思い、決めました。
◆まぁ僕のいろんなものの決め方は大体そんな感じです。

7月26日(土) 日々
◆雨が降ったり。気温がぐっと下がって過ごしやすい一日。vagabond1
コンサドーレ札幌は愛媛でアウェイ。小野の2試合目。試合自体はダメダメな試合だった。誰とは言わないが先発メンバーの一人に疑問があって何故彼をそこで使うのだ監督、と思っていたら彼のポジショニングの拙さから試合自体が崩壊していき暑さもあって本当にぶざまな試合。まぁ文句を言ってもしょうがないんだけど、マジで彼を使う意味がわからんぞ財前監督。それでも、なんとかロスタイムに2点取って劇的な逆転勝ち。ここは確かに最後の手段として砂川を入れ、〈高さ〉と〈クロスの正確さ〉で押し込む作戦を取った監督の作戦勝ちだけど、そもそもパワープレイに持ち込んではダメなんだと言っておく。でも、さすが小野。3点とも彼の正確なエンジェルパスがあってこそだった。流れの中でも小野ありきの連動性は徐々に見られてきた。勝ちは最大の特効薬。このまま連携度を上げて、見事な勝利を収め続けられるようになってほしい。
◆で、北海道日本ハムは大谷くんが内容が悪いながらも2失点10奪三振で8回まで投げたのに、サヨナラ負け。こちらもなぁ。言っても詮無いことなんだが監督の采配は相変わらず微妙。僕は送りバントは嫌いなんだよ。とにかく頑張って楽しい試合を観させてくださいませませ。
◆写真は説明する必要もない井上雄彦さん『バガボンド』。なんかもう、尊敬に値する漫画。
◆万人に届くものを送り出せる人は確かに凄いのだけれども、誰かのために毎日きちんと自分の仕事をやり遂げる人たちも凄いのだ。それを忘れてはいけない。

7月29日(火) 日々
◆晴れ。暑い日。soredemoyoha
◆毎年夏休み、北海道立文学館というところに頼まれて〈中高生のための文学道場〉の講師を三日間やっている。それが明日からだ。正直締切りも山ほどでしんどいんだけど、若い子たちの真剣な眼差しを感じ取れるのは嬉しい。中高生で物語を書いてる、もしくは書きたい、作家になりたいなんて思うのは大したもんだなぁと思うけど、考えてみたら僕も中学生からギター弾いて作詞作曲してミュージシャンになりたいと思っていたんだった。そしてその頃の思いっていうのは50を過ぎた今でも全然消えていない。
◆なりたいものが若いうちから見つかるのはとても良いことだと思う。そこに届かないとしても、長い人生の財産になると思う。明日からどんな子供たちに会えるのかな。頑張りましょう。
『旅者の歌』(幻冬舎)を先行配信しているSonyのReaderStoreさんで、こんな企画を考えてくれた。僕との食事会です。どうしてまたそんなことをと思わないでもないけど(^_^;)、せっかくのご厚意なのでありがたく参加します。僕と一緒にタダでご飯を食べてお話したい東京近郊の方(遠くからでもいいけど交通費は自費なので)、ぜひお申し込みを。残念ながら人数は五名だそうです。あ、『旅者の歌』第三部はまだ書いてないのであまりツッコまないでくださいヽ( ´ー`)ノ
◆写真は映画『それでも夜は明ける』
◆でも、小説家になりたいのなら、とにかく良い小説を読んで読んで読んでそして好きな物語を書いて書いて書くしかないです。本当にそれしかないんです。僕らが教えられるのは、せいぜいルールぐらいなものなんですよ。知っておいた方がいい基礎知識ですね。