2014年3月1日(土) 日々 ◆弥生の空は晴れたり曇ったり。 ◆たぶんでしかないけど、昔の人の方が心が強かった。遠い地に住む家族や知人への連絡手段は手紙と電話しかなかった。その電話すら僕の小さな頃にようやく各家庭に普及した。電話のない時期も記憶にあって、「電話ですよー」と近所の人が呼びに来たことも覚えている。連絡手段がないと、相手を信用するしかない。便りのないのは元気な証拠、という言葉が残っているぐらいだ。家を巣立った子供が心配でも親は手紙を書くぐらいしかない。その手紙も返事がない。「あの子は大丈夫だろう」と、自分の子供を信頼するしかない。自然と心は強くなるような気がする。今は、SNSで誰でもどこにいても連絡がつく。心配する間がない。スルー耐性を身に付けないとやっていけない。でも、そんな時代になってしまったんだからこれはどうしようもない。今を生き抜く術を身に付けるしかない。 ◆広告デザインは〈引き算の美学〉と学んだ。削ぎ落としていって残ったもので、削ぎ落としたものも含めて全てを表現する。美しいデザインは人の暮らしを豊かにする。心を温かいもので満たしてくれる。どんな時代になっても、〈自分に必要のないものを使わない〉ことができる人は、きちんと生活できるはずだ。そういう意識を持たないと駄目だと思う。 ◆今の自分にとって大事なものをきちんと意識する。将来の自分に必要だと思うものを探す。好きなものを、たくさん見つける。それを手に入れる努力をしようとする。日本では春は旅立ちの季節。希望のない時代と呼ばれて久しいけど、希望は自分で見つけることができるはず。この春に旅立つ若者の皆さん、頑張って下さい。無理はしなくていい。理不尽なものと戦う手段がなかったら逃げまくってもいい。でも、頑張ってください。年寄りも頑張ります。
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