2013年11月1日(金) 『ラプソディ・イン・ラブ』文庫化 ◆札幌も旭川も晴れたり曇ったり。 ◆実は所用で実家の旭川市にいる。二三日滞在予定。家を出る前に『ラプソディ・イン・ラブ』(PHP文芸文庫)の見本が届きました。装幀が本当に美しかった単行本。文庫本もイメージをそのままにしました。この物語はある意味では特殊な設定です。父は銀幕時代から大御所の俳優、母は引退した伝説の大女優、息子二人もそれぞれ俳優ですが腹違い。そして息子の一人のお嫁さんも若手女優。その四人の家族が、俳優が揃って、かつて暮らした古い日本家屋に戻ってきて、父親の最後の映画を撮る、という背景です。ほとんどありえないけど、でもありうる設定。ドキュメントでもない、フィクションでもない、ノンフィクションでもない演技がキャメラの前で展開されます。〈家族小説〉の体裁を取っていますが、あまり類を見ない映画のシナリオのような形でもあります。ほとんど話題にもならず売れなかったのは僕の力量不足ですが、でもこの物語はある意味ではものすごく自分らしい物語だなぁと思っています。僕の根っこにあるものが、文体にも設定にも素直に出ている気がします。何せ〈俳優〉が登場人物ですから、モデルというわけではなく、イメージした俳優さんはいます。特に老俳優二人は、日本の映画黄金時代を支えてきた銀幕の名優をぼんやりとイメージしました。古い日本映画を観るような感覚で読んでいただけるとイメージしやすいかもしれません。とてもとても地味な物語ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。 ◆締切りが重なりまくっているのに、どうしても実家に来なくてはならず、当然のように一式持ち込んでこうやって更新しています。この後、またしばらく更新がとだえ……あっ、明日はドラマ『東京バンドワゴン』の日ですね。じゃあ明日は頑張って更新します。皆さんも日本シリーズが気になる人も多いでしょうが、ぜひ9時から『東京バンドワゴン 下町大家族物語』を!
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