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2013年10月4日(金) 『小路幸也 少年少女小説集』
◆晴れたり曇ったり。syonensyojo
◆ほぼ初めての短編集と言ってもいい『小路幸也 少年少女小説集』(ちくま文庫)の見本が届きました。実は僕今まで短編集というのは『うたうひと』(祥伝社)だけなんですね。でも『うたうひと』もミュージシャンというテーマがあったひとつながりの短編集なので、あちこちに発表したバラバラの短編を集めたものという意味では本当に初めてです。そもそも短編あまり書いていない(^_^;)。依頼のほとんどが〈連載〉か〈書き下ろし〉という状況がずーっと続いているので、ノンジャンルの短編依頼って少ないんですね。それとも下手くそで誰も依頼してこないのかもしれません(悲しい)。さて、この『小路幸也 少年少女小説集』ですが、それぞれの詳細はこれもプロになって初めての〈自作解説〉を今回書いて収録しましたのでそちらに譲るとして、デビューして初めて書いた短編から始まっています。これは本当に恥ずかしいけど、全作品加筆修正は一切しませんでした。掲載時のままです。その初短編もデビューから二年後(2005年)というのがいかに僕が売れていなかったかが忍ばれますね(^_^;)。何せ、デビューするまで短編など書いたことがありませんでした。どうやって書けばいいのかもわからないまま書いていました。年代順に並べていますので、少しでも成長の跡が見られればいいなぁと思いますが、いかがでしょうか。〈少年少女小説集〉という決して子供向けの作品ばかりという意味ではなく、主人公が少年少女ばかりという意味合いです。気がつけばそうなっていました。意図したわけではまったくないのですが、何故なのでしょうね。楽しんでいただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
◆これで未収録作品が大分減りましたね(^_^;)。というか未収録短編はほとんどないんじゃないのかなぁ。あと何があったっけ。各出版社様、小路は短編もいつでも受け付けております。
◆あと、下手くそなのは承知しているのですが、エッセイ集っていうのも出したことないんですよね……いつか出してみたいなぁ……。

10月11日(金) 日々
◆雨。しとしとしと。tbwd
◆締切りがものすごーく重なってしまい(いえ僕のせいなんです。僕がちゃんとスケジューリングしていないからこうなるんです)、とにかくこの日記を書く余裕もない毎日。本当に毎日原稿しか書いていないのですよ。もし日記を楽しみにしてる方がいたら申し訳ないです。そしてこの後もまだまだまだ怒濤のように締切りが押し寄せているのです。なので期待しないで更新を待ってください。
◆明日はいよいよテレビドラマ『東京バンドワゴン 下町大家族物語』の初回放送ですね。ここは原作者である僕の公式ですからもう一度きちんとお話します。僕は全てをお任せしました。キャスティングも脚本もその他もろもろも全部です。原作者からのお願いは〈タイトルと登場人物の名前を変えない〉ことだけです。それは、最初にお会いしたディレクター、プロデューサーの皆さんが全員以前から『東京バンドワゴン』のファンだったからです。「大好きなこの物語をついにドラマにすることができて嬉しいです」とおっしゃってくれたからです。そんな風に言ってくれるのであれば、映像は素人である小説家が口出しするなどちゃんちゃらおかしいってもんです。
◆原作とはイメージが違うと感じる方もいるかもしれません。キャスティングに不満がある方もいるでしょう。初回を観てがっかりする場合もあるかもしれません。それでも、原作者である僕は、テレビドラマへの愛を込めた〈堀田家〉が、テレビドラマを愛する人たちの手によって、テレビドラマになって〈お茶の間〉に届けられるのです。それだけで、満足です。
◆そしてそして明後日名古屋で〈ブックマーク名古屋〉というイベントの中のトークショーに出ます。こちらですね。名古屋の皆さん、よろしくお願いします。明日、名古屋に降り立ちます!

10月12日(土) ドラマ『東京バンドワゴン 下町大家族物語』
◆札幌も名古屋も晴れ。tbwd1
◆明日のイベントにために名古屋にやってきて、ホテルのテレビで観ました。今日から始まったテレビドラマ『東京バンドワゴン 下町大家族物語』。いかがでしたか?
◆実はお察しの通り、僕はテレビドラマにはうるさいです。テレビドラマに捧げたこんな小説を書くぐらいですからね。でも、自分で書いたストーリーを原作にしたドラマはさすがに冷静な評価はできません。何せ筋を全部知っているし(^_^;)、脚本も読んでいますからね。ですから第三者として観て本当におもしろいテレビドラマに仕上がっていたかどうかなんてわかりません。
◆でも、親の(^_^;)欲目抜きで、素晴らしかったと思います。僕が頭の中で作り上げた〈堀田家〉が、ちゃんとそこにありました。〈堀田家〉の皆がそこにいてくれました。
◆もうなんかそれ以上のことは言わなくてもいいような気がします。
『東京バンドワゴン』ドラマスタッフの皆さん、キャストの皆さん、ありがとうございました。もう一度言います。素晴らしかったです。
◆ま、ドラマにうるさい男としてさらに褒めるのなら、〈音楽に頼らない演出〉が凄いと思いました。あのケンちゃんのシーンには驚きました。あそこをBGMなしでやるか! と。それもこれも、最後の我南人のシーンへ結びつけるための〈音楽の伏線〉だったのでしょう。感服しました。
◆あと、思ってた通り、紺は美味しい役どころだなーとヽ( ´ー`)ノ
◆お世辞抜きで、毎週土曜日の楽しみが増えました。あー良かった。正直、ほっとしました(^_^;)。

10月14日(月) ブックマーク名古屋
◆名古屋は晴れたり曇ったり。nagoya
◆昨日は〈ブックマーク名古屋〉という本屋さんのイベントにお邪魔して、名古屋在住の大先輩作家太田忠司さんと、ライターで書評家の大矢博子さんのMCでトークイベントをやってきました。130人というたくさんのお客さんに集まっていただけて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。太田忠司さんとは年齢も近く、いろいろと趣味も合い(^_^;)、こうして一緒にお話できる機会を持てて光栄でした。このイベント〈ブックマーク名古屋〉さんは名古屋市内のたくさんの本屋さんなどが集まって行う〈本を楽しむイベント〉だとか。とても有意義なイベントだと思います。トークショーにもたくさんのスタッフ(本屋さん関係)が参加して一生懸命盛り上げてくれました。あらためて、御礼申し上げます。ありがとうございました。どうぞこれからも〈本〉を盛り上げてください。
◆会場には地元の中京テレビさんもやってきて、ドラマ『東京バンドワゴン』が初回放映すぐってことでインタビューもしていただきました。それは今日の夕方の地元の番組で放送されたとか(僕は観れなかったのですが)。小路幸也のテレビ映りはいかがだったでしょうか(^_^;)。重ねて、ありがとうございました。
◆今日はまだ名古屋にいるのですが、明日東京に移動して、対談とかインタビューの仕事をこなしながらホテルで執筆三昧です。台風直撃かなぁ。

10月16日(木) 東京
◆台風開けの東京。award
◆朝は凄い風と雨だったようですが、ホテルの部屋にいたので窓から眺めていたぐらい。午後からいろいろああったので大丈夫かなぁと思っていたのですが、9時過ぎには晴れてきましたね。
◆今日はソニーさんにお邪魔して、ソニーの電子書籍リーダー〈Reader〉を展開している〈booklista〉関係で対談とインタビューがあったのです。『旅者の歌』(幻冬舎)を電子書籍で出したところですね。誰と対談したかはまだ内緒ですが、僕に縁のある女性シンガーの方です。この対談とインタビューはいずれどこかで読めるようになりますのでお楽しみに。そしてそれに先立ちまして、なんと〈booklista〉さんが『旅者の歌』に〈eBOOK Ranking the first half of the year 2013 SPECIAL AWARD〉を与えていただけると言うのです。日本語にすると〈2013年上半期ランキング特別賞〉ですね。そんなに売れたわけでもないと思うのですが(^_^;)、電子書籍書き下ろしであるとか、短期間での上位独占とか、いろいろ評価していただいたのです。写真のガラスの表彰盾ととっても素晴らしい副賞をいただきました。本当にありがとうございます。なお、電子書籍『旅者の歌』(幻冬舎)は今年中に『旅者の歌 第一部(サブタイトル仮題)』として単行本で出版します。もう少しお待ちください。さらに同時に『旅者の歌 第二部』を電子書籍で配信スタートします。ということは単行本はまた来年発売する予定です。お待ちいただければと思います。
◆もうひとつのインタビューはその『旅者の歌 第一部(サブタイトル仮題)』(幻冬舎)出版に関して、幻冬舎さんの文芸誌『papyrus』です。こちらもいずれ読めますので、どうぞよろしくお願いします。
◆たくさんインタビューや打ち合わせを詰め込むのは疲れますが、楽しかったです。

10月19日(土) ドラマ『東京バンドワゴン』第二話
◆晴れたり曇ったり。穏やかな天気。wasurerann
◆どこまでも続く締切りチョー重なり状態なので日記の更新も途絶えがちになります。札幌近郊はもうそろそろ冬支度を考える時期。もちろん暖房も入っています。
◆さて今夜はドラマ『東京バンドワゴン』第二話でした。第一話の視聴率が残念な数字になってしまいましたが、その後、事前に送られてきた完パケDVDを改めて観て(自分が原作であるというのを抜きにして)本当にきちんと作られているドラマだと感心しました。セットの作り込みも含めて、全てのスタッフがこのドラマにLOVEを注いでくれているのがわかりました。だって冒頭の交番の名前が〈寺内交番〉だもんね。スタッフもあの時代のホームドラマが大好きなんだよね。
◆そして今日放映された第二話。キャストの皆さんの手探りの部分も消えて、全員が〈堀田家〉の香りをさらに醸し出していました。置き去りにされた赤ちゃん、手早く〈お人形〉で済ませるようなところもちゃんとその赤ちゃんを抱っこしていて、そんなところにもスタッフの皆さんの〈ドラマLOVE〉が感じられました。脚本の大森さんも上手いですねぇ。原作のちょっとしたところをドラマ設定に合わせて見事にアレンジしていました。成古堂のエピソードでああいう写真を出すとはお見事でした。何度も言いますがお話の筋は原作に忠実に沿っています。なので、もし話がおもしろくなかったらそれは僕の原作がヘボいからです。スタッフ・キャストの皆さんは〈東京バンドワゴン〉の世界を実に見事にドラマ化しています。〈商業的創作物〉である以上、〈数字〉はどうしても評価について回ります(それは小説でもそうです)。でも、クオリティの高い、良き作品を作ればそれはずっと、作った人間にも、観て良かったと思ってくれた人にも、この先の時代を生き抜いていく力になるはずです。ドラマ『東京バンドワゴン』は正しい作品だと二話目を観て確信しています。スタッフの皆さん、キャストの皆さん、このまま最終回まで突っ走ってください。(と、プロデューサー、ディレクターの方々へはお伝えしました。皆さんも信じて作り続けるとおっしゃっていました)。皆さんもよろしかったら観てーね。
◆写真は〈忘れらんねえよ〉のセカンドアルバム『空を見上げても空しかねえよ』。アルバムタイトルといい、一曲目の〈バンドワゴン〉といい、偶然とはいえ僕の作品と被ってる(^_^;)ナイスなバンド(この間、偶然ツイッターで繋がりました)。応援してるぜ!

10月23日(水) 日々
◆晴れたり曇ったり。穏やかな日。kimyoreitarou
◆毎日毎日毎日書いている。それだけ締切りが重なっているということを何度ここに書いたことか(いや重なったのは自分のせいなのだ。そして忙しいのはありがたいことなのだ)。だってそれしかここに書くことないんだもん。日記の更新も本当にままならなくて申し訳ない。ちなみに今日、外に出た時間は10秒だ。夕刊を取りに行った瞬間のみ(毎日そんな感じ)。そりゃもう両腕の腱鞘炎も悪化するね。
◆でもそれで毎日満足している。やっぱり僕は書くことが大好きで仕方ない。物語を書いているだけで満足できる人間になってしまっているのだ。もう人生それしかしないと決めて、実際それしかしていないんだからもう満足以外のなにものでもない。
◆さてコンサドーレ札幌はまだ昇格戦線に首の皮一枚繋がっている。まだ続くシーズンの締めくくり、頑張っていただきたい。北海道日本ハムは来季に向けてキャンプに入っているけど、こちらも今年のふがいなさを胸に頑張っていただきたい。あ、そういえば明日はドラフトだ。
◆もちろん、満足しているのは書き続けていられるという状態にという意味で、自分の作品に満足なんかない。満足していない作品を買わせているのかと言われたら申し訳ないと謝るしかないけど、創作物とはそういうものだ。完成などしない。練れば練るほど良くなる。良くならないとおかしい。でも商業的作品である以上は締切りを設けて世に問うしかない。そして僕の作品はまだ充分な結果など出していない。ドラマ化に浮かれている場合じゃないのだ。相変わらず僕は初版作家に毛が生えた程度だ(毛が生えるなら前頭部に戻ってほしいヽ( ´ー`)ノ)。売れることが全てじゃないけど、クオリティの高い作品を書き上げ何十万部も売れるならそれがベターだ。そして商業的作家である以上はそれを目指すべきだ。写真は〈奇妙礼太郎トラベルスイング楽団〉の新譜『仁義なき恋愛』
◆僕の机の上にはブルドッグの陶器の人形がある。〈お前さんなんかまだまだだ〉と睨んでいる。頑張ろう。

10月26日(土) ドラマ『東京バンドワゴン』第3話
◆晴れたり曇ったりして夜になって雨。anzenchitai
◆土曜の夜9時はドラマ『東京バンドワゴン』。というわけで今夜は第3話。ここに来られている方はほとんどが原作をお読みいただいているとは思います。原作では『東京バンドワゴン』の〈お嫁さんはなぜ泣くの〉の章ですね。そしてご覧になっていただいた方はわかったと思いますが、脚本の大森さんは実にうまくこの章を二回に分けて、なおかつドラマとしてそれぞれの登場人物を浮かび上がらせるアレンジをしていましたね。実際、この章は「盛り込み過ぎ!」と言われるほどたくさんの事件を盛り込んでいましたから、ドラマのアレンジでちょうど良い感じでしたよね。原作にはない、紺の長台詞には泣かされました(^_^;)。さすがです。
◆そして次回はもう一人のお嫁さんの話ですね(ある意味では二人の)。さらに、いよいよ我南人のあの場面もありそうです。今回で亜美さんの実家脇坂家も出て来たし、常連の茅野さんもチラッと出て来ました。これで初期のレギュラー陣はほぼ出揃ったことになりますね。ちなみに茅野というのは僕の友人の名前なのですが(^_^;)、呼び方のアクセントが微妙に違っていて面白かったです。あぁ東京の方ではああいう風に呼ぶんだなーと。
◆今回も楽しませてもらいました。回を増す事にキャストの皆さんの立ち居振る舞いがどんどん家族になっていると思います。実際、原作もそうです。始まりよりも終わりの頃の方が、登場人物たちもしっくり動いているんです。写真は御存知〈安全地帯〉の『安全地帯XIV~The Saltmoderate Show~』
◆レギュラー陣と言えば、原作では途中からレギュラーになるあの人は出てこないのかなぁと思っていらっしゃる方、ご安心ください。この後ちゃんと出て来ます。ご期待ください。
◆自分の小説がドラマになるって、こんなに楽しく嬉しいものなんだなというのを毎回感じています。それもこれもスタッフの皆さん、キャストの皆さんがきちんと作ってくださるからです。本当にありがとうございます。

10月30日(水) 日々
◆晴れ。穏やかな日。brutuslove
◆ただひたすら書き続ける日々。どれだけ書いているか自分でもわからないがとにかく凄い枚数を書いている(^_^;)。寝るときとご飯食べるときとトイレ行くとき以外はずっと机の前にいる。なので日記に書くネタもないのだ。
◆『東京バンドワゴン』の我南人には「LOVEだねぇ」と言わせてなんでもそれで解決させているけれど、あたりまえだけど現実にそんなことやる奴はいない。問題がLOVEだけで解決するなら苦労はしないのだ。んなこたぁ50年も人間やってりゃ身にしみてわかる。だからこそ小説の中ではLOVEだけで解決させているんだけど。
◆でも、世の中って実はLOVEで成り立っているんだって思うこともよくある。商売だって結局は好きか嫌いかで選択して物を買う。僕は30年近くApple製品を使い続けているけど、それは大好きだからだ。MacLOVEだ。ご近所付き合いだってお互いに厚意できちんと付き合えば好意に変わる。それもLOVEだ。
◆そしてラブソングだ。つい口ずさんでしまう歌はたぶんほとんどがラブソングだ。それは洋の東西を問わない。愛の言葉は永遠だ。
◆よく〈憎しみからは何も生まれない〉という言葉を使うけれど、それは本当だ。本当に本当だ。真実だ。心底人を憎んだことがあり、その憎しみの螺旋から、泥沼から抜け出せた人なら実感できると思う。そして、愛こそすべて、という言葉に深く頷けると思う。
◆何も博愛主義になれって言ってるんじゃない。右の頬を打たれたら怒って殴り返すよ俺は。ほんの、ささいなことでいいんだ。コンビニやデパートのドアを開けて後ろから人が続いていたら、少しドアを開けて待っててあげる。そんな小さなことでいい。それだけでお互いに気持ち良くなれる。それが「LOVEだねぇ」だ。
◆と、ネタがないので雑誌〈BRUTUS〉の新刊特集〈ラブソング〉だけで書いた(^_^;)。