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2012年5月1日(火) 日々
◆晴れ。夏日だったそうだけど風があったのでちょうどいい日。norahjones
◆世間的にはGWなのだけど、会社を辞めてからは休みは関係ないし、さらに子供も大きくなってしまった今となってはまったくいつもと変わりがない。まぁ法事だのなんだなの所用はあるのであちこち出掛けることにはなるのだけど。
◆50年程前、僕が生まれた昭和36年の日本と今の日本はどれぐらい違うのか。もちろん便利になって相当変わってはいるんだけど、正直昭和36年の、たとえばまだ30代だった僕の親父を今ここに連れて来ても、驚くだろうが腰を抜かすほど変わってはいないと思う。テレビも冷蔵庫も飛行機もあったんだからね。この先50年後、日本はどう変わるのだろう。まぁもう死んでいるだろうからそれを確かめることはできないんだけど。たぶん、そんなにも変わっていないんだろうなぁと思う。
◆ただ、メディアは変わり続ける。この間も銀次さん黒沢くんとそんな話をしたんだけど、たぶんあと何年かでCDもDVDもBlu-rayも消えて行くだろう。かつてレコードが一気に消えていったように。全てのデータがネット経由で享受されるのだから単なる容れ物でしかないそれらは用済みになる。じゃあ何が残るのか。単なる〈容れ物〉ではない〈物〉は残る。手に取って〈気持ちの良い物〉だ。人間が人間であり続ける以上は、手触りの良いものは残り続ける。それは歴史が証明している。どんなものが出てきて何が消えて何が残るのか。それを確かめながら生きていくのも楽しいと思う。写真はノラ・ジョーンズ『Little Broken Hearts』

5月2日(水) 日々
◆晴れ。穏やかな日。imawano
◆庭の桜がようやく蕾がふくらんで全体にピンク色になってきた。あと二、三日暖かい日が続けば咲くんじゃないかと思う。
◆忌野清志郎さんが亡くなって、3年経った。今でもあの日の衝撃というか、何だろう、魂が抜け落ちてしまったような瞬間は覚えている。ディスプレイに向かって「キヨシローが」と呟いたのも覚えている。泣きはしない。ただのファンなのだから。ただただ淋しくて悲しくて切なくて、キヨシローの曲をずっと聴いていた。
◆RCサクセションの歌を始めて聴いたのはいつだったか。たぶん、中学生の頃だ。何の曲だったかは覚えていない。ただただ「すげぇ」と思った。こんなロックが日本人もできるんだなと思った。キヨシローのどこかセンチメンタルなボーカルの質が羨ましかったのも覚えている。あんな風に、声で泣けるボーカリストはそうそういない。その後もミュージシャンへの憧れの中で、RCサクセションは、忌野清志郎さんはずっと手の届かない遥かな道を歩き続けているように感じていた。そこらの、アマチュアだった僕らが「なんだこいつら」と思ってしまうようなミュージシャン連中とは格が違った。
◆絶対に、天国でも歌っている。キヨシローの曲を聴いて育った僕らが生きている限り。日本に、ロックンロールを愛する人がいる限り、キヨシローは歌っている。
◆大好きなものがこの世にある限り、死にたいなんて思わないはずだ。死んでしまった方が楽だなと思うことはあっても、死なないはずだ。僕がそうだった。頼むから、自殺しようなんて思わないでくれ。思ってもいいけど死なないでくれ。大好きなものがこの世にあるのなら、それを一生死ぬときが来るまで、追い掛けてくれ。それが生きる理由になるだろう。
◆何度でも言う。生きる理由なんかその辺にたくさん転がっているんだぜ。

5月3日(木) 日々
◆晴れ後雨。yamazakitaiyou
コンサドーレ札幌はホームでセレッソと。1-0でようやく今季リーグ戦初勝利。特に戦い方が変わったわけではない。良い時の試合運びをなんとか90分通して出来たということ。そしてこの戦い方で勝てるということがようやくわかった試合。先発メンバーの使い方もずっと疑問があったのだが、ようやく若干の修正をしてくれてそれが実を結んだ形になった。チャンスをものにすることと、90分間集中してボールホルダーにアタックすること。それさえできれば、J1でも通用するのだ(まぁそれが難しいのだけどね(^_^;))。選手たちもホッとしたことだろう。これをきっかけにして三試合に1回でいいから(^_^;)勝ってほしい。そうすればなんとか残留できるはずだ。あと、今季に一回でもいいからゴンの雄姿をピッチで見たい。本当に見たいんだよ。
◆写真は山崎まさよしさん『太陽の約束』。
◆自分がどうやって大人になるのか、どんな人生を送るのか、どうやって生きていくのか。生き方を見つけるのはいつ頃なのだろう。もちろん人それぞれでまったく違うけれども。何かをしなくちゃ、人は生きていけないのだ。何もしないのなら、生きている意味がない。そもそも何もせずに生きていける人間なんかいないだろう。ひきこもりと言われる連中にだってやりたいことはあるはずだ。
◆先日知人からとんでもない家族の話を聞いたのだ。それは家族揃って全員精神がご不自由なのではないかと思えるほど。わからんなぁ。人の魂はどこから来てどこへ行くのか。心は、どこにあるのか。どうやって育つのか。そもそも育つものなのか。わからんから小説書いているのかもね。

5月6日(日) 日々
◆晴れたり雨が降ったり。takanaka40dvd
◆一昨日の夜から法事のためにあれやこれやと行ったり来たりでドタバタしていた。空港まで迎えに行ったり事情が重なって犬もいないまったく一人きりで夜を過ごしたりと忙しかった。人生にはこういう事はつきものだ。初めて葬式に行ったのは何歳頃だったかなぁとか思い出す。この年になると結婚式にはとんとご無沙汰になってしまい、あるのは葬式ばっかりだ。まぁできれば悲しいお葬式はない方がいいのだがそうもいかない。けれども、身内であれば遠くに住んでいてほとんど会えない親戚やいとこたちに会えたりする。亡くなった人が会わせてくれるんだよね、と、しみじみ語り合う。まぁそれも人生の機微の一つだ。
◆そんなわけでコンサドーレ札幌の試合は観られなかったんだが負けたね。まぁいい。2-1でコンサも点を取っているようだ。次勝てばいいんだ。次も負けたらまた次がある。写真は〈DVD 高中正義 40周年記念最終章「SUPER COLLECTION」〉。
◆『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東亰バンドワゴン』にも書いたけど、残された人たちの人生は続くのだ。何があろうと船は進むのだ。だったら、人生の何もかもを自分が歩き続ける糧にするしかないではないか、と、思う。

5月9日(水) 日々
◆晴れ。elvisinny
◆庭の桜が散っている。程好い風が吹いた日だったので、まるで絵に描いたような桜吹雪が庭や舗道に降っていたのだ。刷り込まれたとは言えこの日本人が桜に寄せる思いというのは、本当に面白いなぁと思う。いつまでも残っていってほしい風情と、思いだ。
◆最近ちょっとサボり気味だなーと反省している。いやちゃんと書いてはいるんだけど、ちょいとのんびりした書き方をしてしまっている。いかんな。ハングリーな精神が欠けている。だからといってデビューの頃のようにハングリーな状態で書いたものが素晴らしいかというとそうでもないのが悲しいのだが(^_^;)。
◆上手になりたいとはあまり思っていない。いや上手になったらそれはそれで良いし実際デビューの頃と比べると随分上手になったよなぁと自分でも思う(まだ下手だけどね)。それよりもやはり自分にしか描けない世界というものを書きたい。何度も言うけど、どこまでも高く美しいものを書きたい。それがどんな物語なのかはいまだにわからない。そんなことを悩んでいても一文にもならないので書き続けていくしかないんだけどね。
◆これが小路幸也だよね、これって彼にしか書けないものだよね。そんな風に編集者や読者に言われたいのだ。あ、基本褒められて伸びるタイプなのでよろしくお願いします(^_^;)。

5月11日(金) 日々
◆晴れてたけど風が冷たい日。jackjohnsonk
◆相変わらずずっと家で執筆を続ける日々。どこにも行かないし他に何もやっていない。外出するのは犬の散歩と妻と日常の買い物で近所のスーパーやイオンに行くぐらいだ。むろん、本や漫画を読んだり映画を観ることはあくまでも〈日常〉なので何かをしているという感覚はない。何か趣味を見つけたいんだけど、執筆して本や漫画読んで映画観てたらそれで毎日が終わってしまうのだ。実際それだけで満足なんだけどね(^_^;)。
◆マネージャーをつけたいぐらい今年もたくさん本が出る。この後の単行本ですが、6月『話虫干』(筑摩書房)、7月『キシャツー』(河出書房新社)、8月『ナモナキラクエン』(角川書店)、10月『蜂蜜秘密』(文藝春秋)、11月『スタンダップダブル!』(角川春樹事務所)と出ます。既に今年は3冊出していますから合計8冊。出し過ぎだって本当に。これでさらに文庫も出ますので本当にすみません。よろしくお願いします。
◆そしてうっかりしていたので追記。9月宮下奈都さんとのダブルネーム作品『つむじダブル』(ポプラ社)が出ます。こちらは文字通り宮下さんと交互に書いた物語。お楽しみに。
◆ここ数年間、ずっとこんな感じで本を出させてもらっている。常に連載が4、5本あるとこういう風になってしまうのだ。まぁ僕が寝かせればいいんだけど連載書き終わったものを数年後に出すってのもなんだかなぁと思うしね。このありがたい状況をいつまで続けられるか。
◆まだまだいくらでも書けます。各社様、お仕事お待ちしております。

5月14日(月) 日々
◆晴れ。暖かい日。hiraharadoki
◆相変わらず締切りに追われて過ごす日々。合間にはそろそろ眼鏡を変えようかなぁとかぼんやり考えたり漫画や本を読んだり映画を観たり。先日久しぶりに山田洋次監督『たそがれ清兵衛』を観たくなって、観た。最高傑作という言葉は手垢が付きすぎているけど、この作品は個人的には本当に日本映画史上に残る最高傑作ではないかと思っている。何というか、どこをとっても文句のつけようがない。欠点までもが美しく残っているような。中でも役者の皆さんが全員素晴らしい。主演の真田広之と宮沢りえのなんと凛々しいことか。エンドマークの付け方、ラストのくだりはどうかという声も当時あったように記憶しているけど僕は大好きな終わり方だった。そしてまた絶対に時代劇にはミスマッチの井上陽水さんのエンディングテーマ『決められたリズム』も素晴らしい。いやもう観ていない人は絶対に観るべき映画。きっとこの先の人生何度も観るだろうなぁ。
◆写真は平原綾香さんの新譜『ドキッ!』。内容はともかくもジャケットはどうにかならなかったと苦笑い。
◆最近の日本映画は、どうなんだろう。もちろん全部を観ているわけでもないので全体を俯瞰した単なる印象でしかないんだけど、剥き身になりすぎてやしないか。わざわざそれを見せつけようし過ぎていないか。そんな気がする。あぁそういえば小説もそうなのかなぁ。全体にそんな方向に流れちゃっているのかな。何というか、もっと秘めるというフィルターがあってもいいのではないかと思う。

5月17日(木) 日々
◆晴れ。暖かい日。straightstory
◆なんだかんだとまた締切り直前になって一晩で50枚ぐらい書くということをしてしまった。まぁ書けるんだけど次の日は使い物にならなくなるのでなるべくならしたくないんだけど。いや自業自得なんだけど。いかんなぁ。
◆もう使い続けて25年という筋金入りのMac使いなんだけどいまだにiPhoneもiPadも買っていない。買えないわけではないんだが、そもそもその二つは外出時にとても有効なガジェットなわけで、外出しない私はそれを使う場面がない。ずーっと机の前にいるんだから、MacBook Proがあればそれでいいのだ。まぁその気になればモバイルWi-FiルーターとiPodtouchがあるし(しかしそれもほとんど使っていないし)。電話は会話が出来てメールを受けられたらそれでいいしね。今はDoCoMoだけど、そろそろ買い替えの時期かなーと思っているんだけど、どうもスマホが気に入らん。むーん。
◆たまにエッセイやコラムを依頼される(さっきも電話で頼まれた)。嫌ではないんだけど、僕のそれらはあんまりおもしろくないんだよね(^_^;)。エッセイやコラムのおもしろい作家さんがたくさんいるんだけど、いいなぁと思うヽ( ´ー`)ノ。きっと僕のエッセイ集やコラム集は一冊も出ないような気がする。写真はシンプルでいい映画『The Straight Story』

5月20日(日) 日々
◆晴れ。いい陽気。malilin
◆昨日のコンサドーレ札幌はあまりの大量失点に笑いさえ出そうなほど。ごく稀にこういう試合を観ることあるよなーと思いながら観ていた。鹿島に7-0で負け。まぁ元々の実力差はあったけど鹿島がうまく行かずに低迷していたから勝つチャンスはあったはずなのに、自分たちで逃してしまった。前半10分までの攻撃で逆に2点取れたのにそれが取れなかった。今季の試合は全部それなんだ。そしてこの大量失点はGKイ・ホンスの離脱もあった。今までの負け試合もほぼ最少失点で済んでいたのはホンスのスーパーセーブがあってこそ。今季絶望の怪我はあまりにも痛い。正直、この先の試合も大量失点を覚悟しなきゃならないだろうと思う。それでも、サポーターは応援し続けるのだ。コンサドーレの選手たちよ。奮起しろ。どうせ最下位の降格候補なんだから意地で一泡吹かせてやれ。ジャイアントキリングを起こせ。
日本ハムはなんと4-0の最終回に5点に取って逆転勝ちという試合。広島が逆に可哀想になったほどあれよあれよいう間だったね(^_^;)。写真は観たい映画『マリリン7日間の恋』。ププッピドゥ。
◆それにしてもプロスポーツの世界は厳しい。40代で引退どころかエリートとしてプロに入っても20代30代での引退が珍しくない。第二の人生を送っているプロスポーツ選手はそれこそ星の数ほどいるのだろう。プロスポーツは実力。それのみ。
◆小説家はどうか。実力主義、とまでは言えないか。そもそも実力を測る物差がない。売れてる売れてないで実力は測れないし、そもそも小説家の能力は測るものではない。ただ、売れなきゃ実質引退に追い込まれるのは確かだ。
◆30歳の時に小説家という生き方を選んで、今はそこを歩いていられる。実力ではなく、自分の生み出す物語の持つ力を信じるしかない。その力が、読者に届くようにと。届いてくれる物語でありますようにと。

5月23日(水) 日々
◆晴れたり曇ったり。まだ涼しい日々。always64
サッカー日本代表は親善試合をアゼルバイジャンと。ワールドカップ最終予選を前にした最後の代表招集。何といってもホッとしたのは本田の復帰。怪我が重なってどうなることかと思ったが、変わらないパフォーマンスを見せつけてくれた。期待の宮市も出場を果たしてその能力の一端は垣間見せてくれた。予想以上に良かったのはこれも初出場の高橋秀人。ボランチの位置で初めてとは思えない周囲との溶け込みと能力の高さを見せてくれた。いよいよ来月から始まる最終予選。日本はアジアの代表としてワールドカップに出なければならない位置にいる。何としても頑張って欲しい。あ、今夜はオリンピック代表もトゥーロン国際大会の試合がこれからある。こちらもオリンピックを前にしての国際試合。チームの熟成度を上げてほしい。
◆写真は映画『ALWAYS 三丁目の夕日'64』。三部作の中で考えると『続・三丁目の夕日』がいちばん好きかなぁと思う、かな? あくまでもフィクションの世界だけどここで描かれる茶川の小説家の苦悩と現実はけっこうリアルだと思う。
◆過去は戻らない。僕が今まで生きてきた時代の空気感はたぶん二度と未来には現われない。この映画のような雰囲気も、高度成長期の熱気も、あのバブルの熱狂も。普通に生きられればあと二十年は時代の空気を感じていられると思うけど、できれば、幸せの空気に包まれる日本が未来にあってほしい。

5月25日(金) 日々
◆晴れ。穏やかな日。minefjujiko
◆いやなニュースを聞いてしまうとついつい妄想する。そういう人でなしのような連中は全部ぶっ殺しちまった方がいいんじゃないかと(もちろん私は小説家ですので高度な文学的比喩です)。しかしその妄想もなにせ小説家なものでしかもエンタメ系なのでやたらキャラが立ってる殺し屋とかハリウッドばりのアクションとかそういうのが脳内に延々と展開されてしまって途中で「いかんいかん」と頭を振る。そんなものに妄想力を使っている場合ではない。作品に生かさなければ。
◆次男は寮生活をしているんだが、話によると友達の部屋で勉強していてそのまま一緒に眠っていることも多々あるらしい。そのうちにカップルができたりなんかしてとここでも妄想力を発揮するヽ( ´ー`)ノ。大丈夫、愛の形は様々だ(^_^;)。あ、そんなことを書いていたら次男から妻に電話が入っている。足りない生活用品を買ってきてくれという電話か。それぐらい近所のスーパーで買えよ。ま、いいか。いいやな。
◆写真は『LUPIN the Third 峰不二子という女 BOX』。ルパン三世の新シリーズだけど、全然オッケーです。ガンガンやっていただきたい。これはたぶん買うなー。
◆夏目漱石は書いた。〈智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。〜世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい〉。頑張ろう。

5月28日(月) 日々
◆晴れ。風が強くて冷たかった。tokyochic
◆日本ハムの中田が打率1割台なのに4番で使い続けられている。栗山監督は頑としてその選択を続けた。今日の試合前のコメントで「彼は球界の宝だ。必ず爆発するときが来る」と。今日は中田はまた20打席ぶりにヒットを放ち、その次打席で試合を決めるスリーランホームランを打った。まさに〈意気に感ず〉ではないだろうか。4番で使い続けた栗山監督も凄いが、悩みながらも打席に立ち続けた中田も凄い。中田より打つ可能性の高い選手は他にいる。それなのに使い続けられる自分の立場も何もかも飲み込んで打席に立った中田も凄い。彼のさらに覚醒を、日ハムファンとしてだけではなく、いち野球好きとしても期待する。プロは結果が全てだ。しかし同時に、日本の野球には、男のロマンが必要なのだ。
◆そしてJ2ではキング・カズが最年長ゴールを更新した。サッカーは男のロマンなど入る隙間のないゲームだ。けれども、やっぱりそこにも何かはあってほしいのだ。たとえば、日本代表戦でゴン・中山がピッチに立った時のあの球場全体を包み込む興奮だ。走り続けるあの背中だ。カズとゴンにはそれをいつまでも体現してほしい。
◆写真は佐野元春・雪村いずみ『トーキョー・シック』。素晴らしいデュオ。これもロマンじゃないか。
◆何かも追い求めることは、この世知辛い世を生き続ける、暮らし続けるガソリンになるだろう。どんなささいなことでも、その人にとってのロマンがあればいいと思う。僕は『毎日好きな本を一冊読み、好きな映画を一本観て、好きな音楽を一枚聴く生活』があればそれだけでいいと三十年近く思いながら、その生活を追い求めて生きている。死ぬまでそれを続けられたらそれだけでいいのだ。
◆あ、ワールドカップも死ぬまで見続けたい。

5月31日(木) 日々
◆晴れ。でもなかなか風が暖かくならない。coco
◆明日から6月なのに気温がなかなか上がってこない。まぁ普通に過ごす分にはちょうど良いのだけど、窓を開け放ってずっと机の前に座っていると吹きこむ風が(風向きによっては)冷たく感じるのだ。
◆まったくもって何も書くことがない。先日机の周りに溜まった本やDVDを片付けようと思ったら結局全部の本棚の整理になってしまって四時間も掛かってしまったぐらいだ。そのほとんどは溜った雑誌を整理していた。広告屋時代からの習慣で僕はいまだに雑誌をよく買う。〈BRUTUS〉〈switch〉〈CASABRUTUS〉〈coyote〉〈number〉〈ku:nel〉などなど(休刊したものもあるけど)。それらのバックナンバーが山のようになっている。全部取っておければいいのだけどそうもいかずに「これは取っておく」「これはいらない」と直感で決めて整理。
◆僕は清廉潔白な人間ではない。ろくでなしだしちゃらんぽらんだしいいかげんだし。それでも基本的に悪い事をしないのは、他人様に迷惑をかけないようにするのは、恥ずかしいからだ。恥というもの、人間として恥ずかしいことは何かを理解しているからだ。世の中を騒がす様々な(ほとんどがどうでもいい)ニュースの主役は恥を知らないもしくは忘れてしまった人たちが起こすものだろう。
◆たしなみ、とか、つつしみ、とか、わきまえ、とか。そういう言葉が好きだ。それはきちんとした生活をしていれば自然と身に付くものだ。写真は映画『ココ・アヴァン・シャネル』