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2010年11月の日記

11月2日(火) 日々
◆晴れたり雨が降ったり。yamazakihobo
◆11月になってしまった。毎年焦るのにどうしてきちんとできないのかと自分に後ろ回し蹴りでも食らわせたくなるぐらいだ。連載原稿はもちろんこれから書かなきゃならない書き下ろしのことを考えるとあまりの嬉しさに唸り声しか出ない。そしてこの時期になると「あぁ『東亰バンドワゴン』書かなきゃ」と思うのも本当に恒例になってしまった。ありがたいことだ。堀田家ファンの皆様、また来年の4月に新しい『東亰バンドワゴン』をお届けできるように頑張ります。写真は山崎まさよしさんのニューアルバム『HOBO'S MUSIC』
水嶋ヒロさんの話題については、何やらまだまだ一騒動ありそうなので特にコメントなし。でも新しい才能が出て来て本が売れて出版業界に活気が出てくるのは歓迎です。それとね、どんなことがあってもね、最終的に残るのはいい作品だけですから騒ぐことはないですよ(自戒も込めて書いておく)。
◆先日の伊藤銀次さんとの対談がアップされるスケジュールが決まりました。〈OffStage Talk〉伊藤銀次「Talkへ行きたい vol.10」1話目: 11月6日(土)、2話目: 11月20日(土)、3話目: 12月4日(土)、4話目: 12月18日(土)、5話目: 12月25日(土)、です。僕も楽しみです。聞いてみてくださいね。
徳間書店さんから『本とも』をいただきました。ありがとうございます。

11月3日(水) 日々
◆冷たいみぞれまじりの雨。teshimaryusei
◆今年はもろもろの事情で講演会が多かった。市内でこんなに何回もやっていいものだろうかというぐらいやりましたけど、今年最後の講演です。12月3日(金)16:30より、北星学園大学図書館にて講演会を行います。事前申し込みが必要ですので、詳しくは北星学園大学図書館までお問い合わせください。たぶんもう当分札幌市内で講演はしないと思います(^_^;)。写真は手嶌葵さんの『流星』。リコーのCMソングなんですね。iTunesなどでの配信限定のようです。もちろん原曲は吉田拓郎さんの懐かしい名曲。
◆ナビスコカップ決勝はおもしろい試合だった。やってる選手たちはきつかっただろうけど。ジュビロ磐田のファンの皆さんおめでとうございます。コンサドーレのゴン中山選手も喜んでいることでしょう。
◆ひょっとしたらあと30年僕は生きる。そうしたら息子たちも今の僕の年齢ぐらいになる。そのときに日本はどんな国になっているんだろう。世界はどうなっているんだろう。僕は政治家をまったく信じない。あなたの一票が政治を変えるというお決まりの言葉も信じない。断言してもいいけど今の日本の政治のシステムでは未来永劫何も変わらない。

11月5日(金) 佐野元春さんの夜
◆曇り。小雨も。sanocoyote
◆相変わらず締切りに追いまくられているのだけど、嬉しいお話しをいただいたので、いそいそとものすごい久しぶりにライブに出掛けた。佐野元春さんの30周年アニバーサリー全国クラブ・サーキット・ツアー「ソウル・ボーイへの伝言」へ出かけてきた。佐野さんのライブを観るのは、たぶん二十年ぶりぐらいだ。佐野元春さんがデビューしたのは30年前。僕は19歳の若造だった。元春さんの音に(そしてそれは伊藤銀次さんの音でもあったわけだ)魅せられて。それから30年間、ずっと背中を追い続けている。後ろを振り向き、そして前に向きなおり、また歩いて行く。そんなライブだった。いちばん嬉しかったのは、僕と同年代の人たちが子供のような笑顔を見せていたことだ。そして、騒ぐのは恥ずかしいのであっさりと。楽屋でご挨拶できた。握手も話もできた。ありがとう元春さん。必ずいいものを書きます。写真はアルバム『COYOTE』
◆そう、佐野元春さんに絡んだお仕事をいただけたのだ。何かはまだ言えないので、近々あらためて。
〈OffStage Talk〉伊藤銀次「Talkへ行きたい vol.10」1話目: 11月6日(土)、が間もなくアップされるはずです。佐野元春さんのアルバムプロデューサーでもあった伊藤銀次さんとの対談です。文字ではなく、ラジオのように音声で流れますよ。少々気恥ずかしいですが、僕の声をどうぞ。

11月7日(日) 日々
◆晴れ。egowrappin1
◆この季節にしてはものすごく暖かい一日。昼間は上着もいらないほどだった。暖かいのはいいんだけど、やっぱり寒い季節は寒くなってくれないと後々いろんなことに影響するからなぁ。温暖化の影響でもう米どころは東北から北海道に移っているという話もあるし、実際僕の子供の頃より、感覚では五度以上冬の平均気温は高くなっている。僕の子供たちが今の僕の年齢になる頃には、北海道でも冬に傘をさすのがあたりまえになるんじゃないか(雪に湿り気がないので、冬に傘なんかささないのスタンダード。でも近年は傘が必要なほど湿った雪も多い)。写真は〈EGO-WRAPPIN'〉のニューアルバム『ないものねだりのデッドヒート』。彼らは素晴らしいよね。
東京創元社さんから高城高さん『ウラジオストクから来た女 函館水上警察』(東京創元社)をいただきました。欲しかった本ですありがとうございます! 小学館さんから『STORY BOX』をいただきました。ありがとうございます。
◆覚悟ができる政治家はいないのかな。覚悟できない連中が政治家になるんだねきっと。たぶん君たちの仕事はお互いの足を引っ張り合って自分たちの利益を守ることだけなんだね。だったら教科書にそう書いておいてよ。

11月9日(火) 日々
◆曇ったり雨が降ったり夕焼けがあったり。bonjovibest
コンサドーレ札幌も北海道日本ハムも来る人去る人の話題が出るようになってきた。コンサではベテランたちが退団を決めたようだ。まだ詳細はわからないけど、引退なんだろうか、それともどこかで現役を続けるのか。砂川などはもう何年もコンサのために奮闘してくれた。彼の切り返しは間違いなくJ1でも通用するレベルだった。小説の世界も厳しいが、スポーツの世界はもっと厳しい。30代でベテランと呼ばれやがて引退を意識しなければならないのだ。砂川、箕輪、藤山、ありがとう。君たちがコンサにいてくれて良かった。忘れないよ。写真は〈BON JOVI〉のベストアルバム『Bon Jovi Greatest Hits - The Ultimate Collection』
集英社さんから『すばる』をいただきました。ありがとうございます。
◆メイドや執事が流行っている、というかもう日本のサブカルの中の定番になってしまっている。だったら、メイドや執事が好きな皆さんは、紳士淑女になろうよ。メイドは紳士に仕えるものだし、執事は淑女に仕えるものなんだ。そして紳士淑女というのは〈淑やかで上品さの窺える女性のこと。男性についての対義語は紳士である〉だそうだ。皆が紳士淑女になれば、今日本で起きている様々な日常の問題はどんどん消えていくよ。

11月13日(土) 日々
◆晴れたり曇ったり。tasogareblue
◆相変わらず締切りに追われる日々。追われないためにはしっかり毎日枚数を稼げばいいんだけど、なかなかそうもいかない。でも、以前はもっと枚数を書けた。書けなくなってしまったのはやはりハングリー精神が足りないせいだと思う。そしてやっぱり慣れてしまっているのだ。それは大敵だとわかってはいるものの。もっとしっかりしろ小路幸也。写真は山田洋次監督の名作映画『たそがれ清兵衛』のBlu-ray。闇をしっかりと撮ったこの映画ならBlu-rayで買う価値はあるような気がする。
◆角川書店さんから『野性時代』をいただきました。ありがとうございます。
◆日本という国が存在する意義というものを、国民全てが考える時期が来るだろうか。そのときに、何を守り何を捨てるのか。捨てるというのはおかしいか。変えてもいいと判断するのか。そういうことは政治が決めるものなのだろうか。今の世の中、何かを守るためには大いなる犠牲が必要な気がする。何かを得るためには何かを失わなければならないのだろう。そのときがいつ来るのか、誰が、何がもたらすのか。覚悟をしておいた方がいい。それでも、何があろうと、変えてはいけないものがある。変わってたまるか、と思う。
◆来週、東京に居ます。金曜日のパーティにも出ます。関係者の皆様、何かありましたら連絡ください。

11月14日(日) 日々
◆晴れたり曇ったり。concert
◆やはりまだこの季節らしい寒さはやってこない。まぁ過ごしやすくていいんだけどいまひとつ季節感が盛り上がらない。女子バレーやフィギュアなどで盛り上がっているが、来季のJ2が決まったコンサドーレ札幌は水戸と引き分け。今節は来季も見据えて、攻撃の形に狙いを持って挑んだ試合だったのだろう。パスの捌き方や動き方にはっきりとした意図は見えた。残念ながらフィニッシュの部分でまだまだ粗さが目立ち今一つの試合になってしまったが、残り試合でこういうことをやっていくのは必要だと思う。れいによって資金不足で大型補強など望めない。現有戦力を整備してチームの底上げをやっていくしかない。とはいえ、キーマンになる人間がいないという点でまだ駒不足。真ん中にボールを捌ける奴が欲しいなぁ。写真は映画『オーケストラ!』。これ観たいんだよね。
◆正直な意見を言うと人とぶつかる、なんていうが、真っ正直に生きるということと人を傷つけるということは決してイコールではないはず。もう少し考えてみないか。
◆守っているつもりはないけど、守りに入ってしまうこともある。そこのところはあがきながらなんとかするしかない。わかっているけど、難しい。

11月15日(月) 東京
◆札幌近郊は雪が降り、東京には雨が降る。eltonunion
◆一ヶ月前にも来ているけど、東京。このスケジュールは毎年繰り返されている。打ち合わせも一日一本ぐらいで少しゆったりと過ごせる、と思っていたらホテルに着いた途端にゲラがたくさん届いていた。まぁどうせ行くとこもない。自主カンヅメでしっかりやります。写真はエルトン・ジョン&レオン・ラッセル『ザ・ユニオン』。なんというか、日本語にしてしまうと陳腐なんだけどこれが大人のポップスなのだ。ロックンロールでブルーズでカントリーでゴスペルで。感嘆してしまうぐらいに素晴らしいのだ。ケツの青いガキども。これを聴いてみろ。でも、同時にやっぱり敵わないなぁという気もしてしまう。日本にここまでのポップスの土壌はないことを痛感してしまう。むろん文化の違いだからどうしようもないのだけど。
◆一生懸命、と日々意識しているわけではないけれど、皆きちんと毎日働いて暮らしているのだ。自分たちの生活を、自分に関わる人たちと一緒に構築して生きているのだ。それが、うまくいかなくなる人がいるのはどうしてなのか。うまくいかないからといって、周りの人を、関係のない人を傷つける人間が出てくるのはどうしてなのか。小さな幸せを守るのではなく、小さな幸せは守るまでもなく、そのままいつまでもあり続けなければならないのではないか。そういう社会を、国は作らなければならないのではないか。

11月16日(火) 東京2
◆東京は晴れ。いい天気。札幌は雪だとか。beatiesredblue
◆朝起きてものすごくいい天気だったので、つい浮かれて以前から考えていた逗子・葉山に行ってみることにした。何度も行こうと思ってたのだけど東京に来ても時間が取れなくて行ってなかったのだ。自分の作品の舞台にもしているのに。行ってみて、自分が頭に描いていたイメージ通りでホッとした。スケジュールが詰まっていたので行って帰ってくるだけの駆け足だったけど、良かった。写真はiTunesのビートルズ記念ってことで(^_^;)、ビートルズの名盤。僕自身はビートルズに関してコアなファンというわけではない。音楽的な物心がついたときにはもう既にスタンダードになっていた。気がついたら口ずさんでいた。『東亰バンドワゴン』シリーズのタイトルをビートルズ縛りにしているのも意図があったわけではなく、気がついたらそれがピッタリになっていた。永遠の憧れ。
伊藤銀次さんと黒沢秀樹さんとご飯。楽しかったー。お疲れさまでした。また今度。
◆よく北海道を舞台にした作品を書かないのかと訊かれるけど(実際あまり書いていない)、別に住んでいる地域に根ざしたものを意識して書こうとは思わない。僕が作る物語は今まで見聞きしてきた映画や小説やテレビドラマや漫画などの物語がベースになっているのは間違いない。だから、ニューヨークも東京も葉山も鎌倉も札幌も全部が、言ってみれば〈物語の故郷〉になっている。

11月17日(水) 東京3
◆曇ったり雨も降る。ateam
昼間に会食。かなり寒いですね、と、担当編集Tさんは本当に寒そうにしていたけど、こんな寒さなんかカワイイものだよあっはっは。てなもんです。河出書房新社のTさんごちそうさまでした、ありがとうございました。例の件、やりたいですねー。
◆ポップでありたい。そういう作品を書いていいきたい。ポップを日本語にするのはかなり難しい。流行歌ではニュアンスがまるで違う。日本語にしてしまうとどうしても消えてしまう感覚がある。日本人は、こういうところが優れていると思う。ポップスはポップスでしかない。その解釈を個々の感性に任せるが故の、曖昧であることの力を見通せて自分たちの感覚にしてしまう。これは、わび・さびという言葉の解釈に通じる部分もあるんじゃないか。それはさておき、自分の書く物語はPOPなROCK 'N' ROLLであり続けたい。なにわけのわからんことを言ってるんだと思うでしょうが。映画はやっぱりこいつらにいてもらわなくちゃの映画『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
◆東京駅のリラックマショップに行ってきたけど、見てきただけですよ。ええ、本当に。

11月18日(木) 東京4
◆東京は晴れ。oohashitrio
◆お昼は新潮社さんとお昼ご飯がてら新しく担当になってくれるTくん(あえて名前の方のイニシャルで)と初顔合わせ。前担当さんは間も無く育児休暇に入られるのでその間バトンタッチ。でも絶対新潮社さんの男性編集さんの名前は狙っていると思う。人事部の方のご意見をうかがいたいものだ。担当編集のOさん、Aちゃん、Tくんごちそうさまでした、ありがとうございました。Aちゃん元気な子供を産んでね! そのままOさんと今度はとある部署のSくんと一緒にマル秘ツアーへ。電車を乗り継ぎ都内某所の閑静な住宅街へ。そこでしばらく××××を×××して××××で××されて×××で××になって終了。Sくんお疲れさまでした。そのまま新潮社に戻って、いちばん最初の担当だったGさんとよもやま話しているうちに文庫担当のIさんも加わり今度文庫になる『そこへ届くのは僕たちの声』についてあれこれ楽しくお話し。作家二年目にGさんと初めて作った本なので嬉しさもひとしお。そして今日の一日新潮社は終了。歴代の担当編集者全員と会えた楽しい一日でした。皆さんお疲れさまでした! がんばります。
◆写真はひとりなのに〈大橋トリオ〉の『NEWOLD』。大橋トリオ、いいですよー。

11月19日(金) 東京5
◆晴れ。bryanadams
◆打ち合わせも入っていないのでひたすら原稿書き。予定通り連載原稿の一本を上げたけどもう一本は無理だった。夕方になってから集英社の柴田錬三郎賞・すばる新人賞・小説すばる新人賞・開高健賞のいわゆる集英四賞の受賞パーティへ。パーティ会場では普段会えない編集者さんたちと無駄話とか連載中の物語の話とかこれから書く小説の話とか担当が替わるのでご挨拶とかそういうものをずっとしています。お陰様で相当数の出版社とお付き合いがあるので、二時間近くほぼずっと話を。集英社さん文藝春秋さん徳間書店さんPHPさん角川書店さん新潮社さん朝日新聞出版さん講談社さん実業之日本社さん祥伝社さん幻冬舎さんお疲れさまでした。仕事がんばります。あ、歌人で同郷の加藤千恵さんにも久しぶりにお会いしました。その他にもtwitterでもいつもお世話になってる書評家の吉田伸子さんや大森望さんや杉江松恋さんにご挨拶。書き忘れている人がいたらごめんなさい。二次会では関口尚さん、飛鳥井千砂さんのtwitter仲間に加え、荻原浩さん、熊谷達也さん、山本幸久さんとお話。野中ともそさんとは初めてお会いして思いがけず音楽話ができました。大好きな佐藤賢一さんにも初めましてのご挨拶。篠田節子さんが僕の顔を見て「おひさしぶりー」と仰って大慌てでご挨拶。はじめましてなので、篠田さんの勘違いなのですがどなたと間違われたのでしょう(^_^;)。写真はブライアン・アダムスの新譜『BareBones』。カッコいいよねぇ。
◆ミュージシャン伊藤銀次さんとの対談、第二回目がアップされたようです。ラジオのように声が流れますのでご注意くださいませ。こちらです。
今回の東京暮らしも終了。明日帰るよ。

11月20日(土) 帰宅
◆東京は晴れ。札幌も晴れ。rod
◆ホテルマンもウーマンもタクシーの運ちゃんも「今日は寒いですね」と言っていたがすさまじくちょうどよい陽気でしたよ東京は。札幌との気温差は7度ぐらいはあっただろうか。でもこちらも今の季節にしては暖かい日。東京から帰ってきて、荷物を整理してMacBook Proをセットして溜まった郵便物を整理して、何人かの方にメールをして、日常が戻る。写真は永遠のロックシンガー、ロッド・スチュワートの『アトランチック・クロッシング』。何十回も聴いた。文字通り擦り切れるまで。
◆いろんな人が、いろんなことを言う。様々な見方があり、様々な考え方がある。小説においても、それは変わらない。パーティに出て、諸先輩方の話を聞いて、後輩たちの様子を見て、自分の立ち位置を確認する。(I'm So Glad I'm Standing Here Today.)やっぱり、いろんな意味で、アウトローでいたい。いつまでも。
◆いただきもの。PHPさんから『文蔵』、集英社さんから『小説すばる』『青春と読書』、日本出版販売さんから『新刊展望』、実業之日本社さんから『ジェイ・ノベル』、小学館さんから『きらら』、筑摩書房さんから『ちくま』をいただきました。ありがとうございます。『ジェイ・ノベル』には。12月に出る文庫『モーニング』に寄せてコラムを書いています。

11月21日(日) 日々
◆晴れ。穏やかな日。kaguyahimefor
◆次男はハリポタ好きだ。先日も友人たちと映画を観にいき、終映が遅い時間だったので車で迎えに行ったのだが、車の中で友人たちと原作と映画を比べて非常に濃い話をしていた。それはもう普通にマニアの会話。若いときに夢中になるものがあるのは良いことだ。きっと長い人生の中で、振り返ったときに財産になっているはず。写真はかぐや姫の最後のアルバム『かぐや姫フォーエバー』。僕の印象でしかないけど、かつてのフォークソング全盛期に吉田拓郎や井上陽水と肩を並べるほどの人気実力を誇った彼らは、その評価がくすんでしまっているような気がする。四畳半フォークというレッテルの〈暗さ〉がそう感じさせるのかもしれない。時代を越える普遍性を持ち得なかったのかもしれないけれど、その楽曲の美しさは再評価されてもいいと思う。
◆政治家は、世界が平和になることを拒んでいるんだなきっと。そうならないようにならないように活動をしているんだ。民間の人たちは文化交流や商売も含めてワールドワイドにしようとしているのに、それを押しとどめるのはいつも政治家たちだ。世界が平和になったら、ひとつになったら、政治家という商売は消えるんだもんな。
◆新潮社さんから『小説新潮』をいただきました。『荻窪 小助川医院』連載中です。

11月24日(水) 日々
◆晴れ。気持ちの良い寒い日。moulinblue
◆ちょっと体調が悪かった。朝からなんとなく「あぁこれは夜はいつものコースかなぁ」という気がしていた。いつものコースというのは〈晩ご飯を食べて市販の風邪薬を飲んでお風呂入ってアリナミンVを飲んで仮眠して汗をかいて体調を整える〉というものだ。僕はこれでたぶん10年ぐらい風邪をひいていない。病院にも行ってない。そう思っていると朝から喉が痛いと言っていた次男が学校で熱を出して早退。迎えに行って病院に連れて行って。で、自分は夜になってやっぱりいつものコース。というわけで我が家は現在風邪っぽいのが二人。皆さんお気をつけください。写真は最近のものではいちばん大好きなミュージカル映画『ムーランルージュ』のBlu-ray。これはBlu-rayを買って観る価値があると思う。大好きだ。
◆祥伝社さんから『小説NON』をいただきました。ありがとうございます。
コンサドーレ札幌は徳島と。1-0で勝利。怪我人ばかりの中でよくやっていると思う。そして、攻撃の明確な意図が見える。チームを来季に向けて作り直そうとしているのはよくわかるのだけど、やはり駒不足の感は否めない。ボールを捌ける人間が来季は必要だよ。どうするのか。そして日本代表U-21は決勝戦へ。このチームは本当に短期間でよくなったね。期待しよう。

11月25日(木) 東京公園映画化
◆晴れ。followmem
◆三年ほど前から映画化の話があった『東京公園』(新潮社)。あっという間に話が決まって、青山真治監督、三浦春馬くん、榮倉奈々さん、小西真奈美さん、井川遥さんという豪華スタッフで現在撮影中です。もうじきクランクアップするという話も。ニュースになっていない出演俳優さんで有名どころでは宇梶剛士さんでしょうか。
◆さて、内容ですが、もちろん僕の小説が基本であることは間違いありませんが、青山監督の視点であるポイントにフォーカスを当てた物語になっています。企画書と脚本を読んですぐに監督の意図は理解できたのでオッケーを出しました。ここで言うことはできませんが、そうだなぁ、原作小説が好きな方には、鶏肉のカレーライスがキーマカレーになったぐらいの感覚があるかもしれませんね。もちろん、原作者として改変に対して意見を言い、ある程度はそれが通りますが、基本僕は「好きにやってください」と青山監督に伝えました。映画は監督のものですから。自分の物語が他人のインスピレーションの中でどういうふうに変わるのか楽しみたいと思います。僕もノベライズするときは好きにやるしね(^_^;)。あとですね、主人公は志田圭司という名前なんですが、映画では志田光司になっています(その他の名前の変更はありません)。理由はささいなことなんですが、僕も圭司の名前にはこだわっていなかったので。あとは、そうだなぁ、主人公の同居人ヒロの役どころの変化をお楽しみにってところかな。あといくつか裏話っぽいものはあるんだけど、公開後にしましょうね。
◆『東京公園』を好きでいてくれる方、意地悪な(^_^;)眼で観ないで、青山監督が感じてくれた『東京公園』を楽しみましょう。
◆写真はもちろん『東京公園』がオマージュを捧げた名作『フォロー・ミー』。本当に、初めてソフト化されるこの時期に映画化が決まるのも不思議な縁だと思います。

11月26日(金) 日々
◆曇ったり雨が降ったり。real
◆小説を書いていると『映像化』の話はけっこう来るのです。でもなかなか実現しない。テレビドラマを例にとると映像化の企画書を持ってくるのは制作会社なんですね。で、仮にオッケーを出しても肝心のテレビ局編成の方でオッケーが出ないと実現しない。つまり制作会社は(言葉は悪いですけど)いいと思ったものは手当たり次第ドラマ化の企画書を作って持ち込むわけです。なので、世の中には〈映像化待ちペンディング状態小説〉が山ほどあるわけなのですね(と、いう話を聞いたことあります)。
◆昨日書き忘れましたが、『東京公園』の撮影現場にお邪魔してきました。都内某所の閑静な住宅街、築40年ぐらいは経っているんじゃないかという趣のある平屋で撮影が行われていました。主人公光司(圭司)役の三浦春馬くんと、幼なじみの富永役の榮倉奈々さん、二人の居間でのシーン。広告業界だったのでスチール撮影現場には慣れていますけど、映画撮影の緊張感は慣れないとキツイですね。特に希望はしなかったんですが、向こう側が気を遣ってくれて、休憩時間に三浦くんと榮倉さんに挨拶する時間を取ってくれました。お二人とも気さくそうな普通の若者でしたよ。さすがに立場的に「サインください」とはしゃぐことはできませんでした。大人だしね(^_^;)。
◆とか言いつつ先日は佐野元春さんにサインをねだってしまったんですがヽ( ´ー`)ノ。写真は井上雄彦さんの漫画『リアル』。遊びでだけどバスケットをやっていたので、いろんなことが染みてくる漫画。

11月27日(土) モーニング文庫化
◆曇り。morningbnk1
◆少しずつ冬の気配が漂い出しているけど、まだそれほど寒くもない。むしろ例年より暖かい日が続いているんじゃないかな。そんな日に届いたのは『モーニング mourning』の文庫です(実業之日本社文庫)。新しく創刊された文庫の中に入れていただけました。ありがとうございます。単行本が出たのは2008年だったのでそれほど前でもないのですが、もうその後に16冊も出ているのでなんか昔に感じてしまいます。正直に言うと連載が終わって単行本化作業をしているときには「あぁなんかつまらないものを書いてしまったかなぁ」と思っていたのですが、意外と皆様に好意的に迎えられてホッとした覚えがあります(ま、相変わらず売れなかったんですけどね(^_^;))。今は、続編ではないのですが、主人公であるダイの三十歳の頃の物語を連載中です。文庫を読んでいただいて、おそらくは来年に出るであろうダイの物語『coffeeblues』も愉しんでいただけたら幸いです。
◆コンサドーレ札幌は昇格を果たした福岡と引き分け。ここのところほとんど同じレベルの試合がコンスタントに出来ている。そういう意味ではチームとしてはようやく固まってきたと言えるかな。それをどう来季に繋げるのか。
◆心配していたナイナイの岡村くんが戻ってきた。何故心配していたかというと、明らかに彼は心を病んで休養したであろうと思われるから。そしてその心の病というのが、お笑い芸人という自分の世界を真剣に考えるが故の病だったであろうと推察できるから。ファンではないが彼の姿勢は好きだ。芸人も小説家もやってることは同じだ。どれだけ自分を信じて、そして消えずにやっていけるかどうかが勝負なのだ。彼には勝ち続けてほしいと思う。
◆あえて言うけど、消えたら負けだ。どんなに素晴らしいお笑いや作品を生み出しても、表舞台から消えてしまってはダメなのだ。無論僕はまだ表舞台には立っていないようやく控室に入れてもらった程度の芸人(小説家ね)だけど、そう考えている。

11月28日(日) 日々
◆曇ったり晴れたり。寒い日。BroadwayBike
◆我が家の犬はもう90歳を越えるであろうおばあちゃん犬なのだが、信じられないぐらいに元気なのだ。そして決してなつかないで我が家ではいちばん偉い女王様なので、ひそかにエリザベス2世と呼んでいる(ウソ)。写真は愛して止まない矢作俊彦さんの『ブロードウェイの自転車』(光文社)
◆コンサドーレ札幌は戦力外通告を出した。吉弘、藤山、箕輪、砂川、リハンジェ、堀田。まだ若い選手もいるが、これがプロの世界。できれば再就職先が見つかることを祈っている。その一方で二人のブラジル選手を練習生として呼んでいる。エメルソンとクレイトンというどっかで聞いたような名前だけど、練習を見た限りではなかなかやってくれる選手らしい。そもそもコンサのスカウトは外国人選手に関しては素晴らしい眼を持っているのだ。今まで連れてきた無名の選手は軒並み頭角を現して一流クラブへ移籍している。今回も当たりの選手で、来季大活躍してくれることを祈ろう。Jもそろそろ終わり。来季への夢を馳せる時期になってきたな。
倉阪鬼一郎さんから『小料理屋のどか屋人情噺 人生の一椀』(二見時代小説文庫)をいただきました。ありがとうございます!
◆焦ろ。まだたくさん締切りはあるぞ小路幸也。お前は焦ったって書けるんだ。

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